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映画『孤狼の血』ネタバレ感想 警察小説的な仁義なき戦い

孤狼の地
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孤狼の血

『凶悪』や『日本で一番悪い奴ら』などの白石和彌監督のノワール作品。なかなか満足できました。ところどころにナレーションが入るところなんて、『仁義なき戦い』みたい。舞台も広島だし、昭和の雰囲気もよく出ているなと思った。調べてみたら、原作者が『仁義なき戦い』のファンなようで、だからこそ、こうした作品になるのもうなずける(原作は未読だけど)。ネタバレあり。

―2018年公開 日 126分―

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解説とあらすじ・スタッフとキャスト

解説:第69回日本推理作家協会賞を受賞した柚木裕子の警察小説を「彼女がその名を知らない鳥たち」の白石和彌が映画化。暴力団対策法成立直前の昭和63年。広島の呉原で暴力団関連企業の社員が失踪。ベテラン刑事・大上と新人の日岡は事件解決に奔走するが……。出演者には、「三度目の殺人」の役所広司、「不能犯」の松坂桃李、「天空の蜂」の江口洋介、「海よりもまだ深く」の真木よう子ら豪華キャストが顔を揃えている。(KINENOTE)

あらすじ:昭和63年。暴力団対策法成立直前の広島・呉原。いまだに暴力団が割拠するこの土地では、新たに進出してきた広島の巨大組織・五十子会系の加古村組と地場の暴力団・尾谷組との抗争の火種が燻り始めていた。そんな中、加古村組関連企業の金融会社社員が失踪。これを殺人事件と睨んだマル暴のベテラン刑事・大上(役所広司)と新人刑事・日岡(松坂桃李)は、事件解決に奔走する。だが、ヤクザ同士の抗争が、正義も愛も金も、全てを呑みこんでゆく……。警察組織の目論み、大上自身に向けられた黒い疑惑、様々な欲望を剥き出しにして、暴力団と警察を巻き込んだ血で血を洗う報復合戦が幕を開けようとしていた……(KINENOTE)

監督:白石和彌
原作:柚月裕子:(『孤狼の血』角川文庫刊)
出演:役所広司/松坂桃李/真木よう子/中村獅童/田口トモロヲ/ピエール瀧/石橋蓮司/江口洋介/竹野内豊/嶋田久作/伊吹吾郎/MEGUMI

ネタバレ感想

昭和の雰囲気がいい

俺は昭和を生きたのは10歳くらいまでだったし、広島で生まれ育ったわけではないんだけど、それでもやっぱり、街の雰囲気みたいなのが「ああ、昭和だなぁ」と感じた。まずはその時代感が出ているところが、とてもいいのである。

脇役の兄ちゃんがすごい

登場人物たちもそれぞれによい。特に脇役。尾谷組の血気盛んな若い衆たちの、本当に人を殺しそうな感じ。五十子会の親分(石橋蓮司)を殺りにいって、日岡のところに出頭してくる彼と、ラスト近く、江口洋介扮する一之瀬(名前あってる?)が五十子会の親分を襲撃するシーンで、彼の後ろについていた若者。この2人の目つきが本当にやばくて、まさに鉄砲玉。お近づきになりたくないと思った(笑)。

ちなみに、後者の襲撃シーンは、この映画のクライマックスでもあり、非常に興奮してくるかっこいい場面だ。

ストーリーと2人の主人公

で、ストーリーそのものについては、大上(役所広司)が後半になるにつれて、実はすごくいい人でしたみたいな展開になってて、そこはさすがに出来すぎでないかとは思った。思ったけど、それで楽しめたし、娯楽として割り切ってみればよいのである。

松坂桃李氏の演技を拝見するのは『ユリゴコロ』に続いて2作目。ラスト、大上イズムを受け取って少しヤサグレ感が出てきた彼の最後の表情はよいと思った。それ以外は特に印象に残ってない。役所氏は、安定の役所氏である。

俺はノワール作品が大好きなので、邦画でこうした作品がもっとたくさんつくられてほしいと思っている。最近はこの手の作品は韓国で素晴らしい作品がたくさん撮られているので、白石監督には引き続きがんばってほしい。

なんとも内容の薄い感想だが、これでおしまい。

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