男たちの挽歌
数年に一度は観たくなる、暑苦しすぎる男の友情映画。個人的にはホーの、弟=キットに対する思いとかはどうでもよく、ただただ、マークのカッコよさが際立つ作品である。無駄に生きるな。熱く死ね! ネタバレなし。
―1987年公開 香 95分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:香港警察と国際ニセ札組織の対決を兄弟の反目と絆を背景に描くアクション。製作はツイ・ハーク、監督・脚本はジョン・ウー、撮影はウォン・ウィン・ハン、音楽はジョゼフ・クー、編集はカム・マー、美術はベニー・リウが担当。出演はチョウ・ユンファ、ティ・ロンほか。(KINENOTE)
あらすじ:ホー(ティ・ロン)は香港の紙幣偽造シンジケートに属するヤクザで、相棒のマーク(チョウ・ユンファ)とともに恒達財務有限公司のボス、ユーの片腕的存在だった。一方、ホーの弟キット(レスリー・チョン)は、警察官。兄の悪業は知る由もなく、2人は仲がよく、キットは恋人ジャッキー(エミリー・チュウ)をホーに紹介した。ある日、組織の仕事で台湾に飛んだホーは、取引きの最中、相手の内紛に巻き込まれて警察に捕まってしまう。そのころ、香港ではホーを憎む組織の刺客がホーの留守宅を襲い父を殺す。号泣するキット。“ホー逮捕”の記事を読んだマークは復讐を決意し台湾に向かうが、逆に組員の銃弾を受けて右足を傷めてしまう。そして3年。台湾で刑期を終えて香港に戻ったホーは、父の死をホーのせいだと思い込んでホーを許そうとしないキットのためにも足を洗う決意をする。そんなある日、自分のために負傷し落ちぶれたマークとばったり会ったホーは、弟のためにもニセ札組織壊滅に動き出す。今、組織を取り仕切っているのは、かつて舎弟扱いをしていたシン(レイ・チーホン)だった。彼は組織の悪事が外にもれることを恐れてマークを襲う。シンに対するホーの怒りが爆発する。キットにニセ札組織壊滅の手柄を立てさせ、一方で取り引き場でシンから金を奪ってマークと共に香港からの脱出を企てるホー。しかし、シンもしたたかだった。大ボスユーを殺し、すべての罪をホーの仕業とみせかけ、邪魔者を一気に葬って、暗黒街を支配しようとしていた。夜の波止場を舞台に、ホー、キット兄弟とマークは、シンに挑むのだった。(KINENOTE)
監督・脚本:ジョン・ウー
製作:ツイ・ハーク
出演:チョウ・ユンファ/ティ・ロン/レスリー・チャン/エミリー・チュウ/レイ・チーホン
感想
冒頭の偽札を燃やして煙草に火をつけるマークを見て、初見時に一気にこの映画が好きになった。内容というかストーリーとかは正直どうでもよくて、繰り返しになるがマークがいいのである。
今見るとダサすぎる容姿ではあるものの、チョウ・ユンファの所作がともかくかっこいい。大量に刷られる偽札に舌なめずりするシーンなどは軽くキモイけど(笑)。
かなり好きな映画なので、セリフとかを引用して紹介してもいいかなと思ったけど、見どころだけを列挙して終わりにしておく。ともかく興味がある方は鑑賞したほうがいいと思います。
てことで、冒頭の偽札を燃やして煙草に火をつけるシーンの後の見どころを。ティ・ロン扮するホーが台湾での取り引きではめられてムショ送りになったことを知ったマークが、ホーをはめた奴をぶち殺すべく、楓林閣に乗り込むシーン。これは数あるアクション映画の中でも有名な銃撃シーンだ。ここだけでも恐らく、YouTubeなど検索すれば観られるのではないか。よく考えると足を撃ち抜かれちゃうときのマークは余裕こきすぎてて間抜けにも思えるが、かっこいいものはかっこいいのである。
その後、出所したホーとマークの再会シーン。軽くBL臭を感じるが、男の友情なんて肉体を介さない愛情交換みたいな部分はあるので、とてもグッとくるシーンだ。そこからマークとホーが再会を祝して酒を飲んでいるシーン。途中で彼らを出し抜いて組織のボスになり上がった元部下のシンが挨拶にやってくる。そこでのマークの「俺のあわれな足に乾杯!」のシーン。見てない人にはなんだかわからないだろうが、あそこも名シーンである。
その後もたくさんあるんだけど、疲れてきたのでもうやめる。適当すぎる感想になっているが、ラストまでマークの男としてのプライドと親友=ホーに対する思いが過剰なまでにほとばしる良作である。ストーリーの適当さなんてどうだっていいのだ。カッコいいんだもん。
ちなみに、続編は以前、ものすごくちょっとだけだがこのブログで紹介している。今回立て続けにその続編も鑑賞したが、相変わらずストーリーはめちゃくちゃ。笑えるシーン満載だけど、チョウ・ユンファ演じるマークの双子の弟、ケンのかっこよさが際立つ。併せておすすめしたいです。ちなみに、ツイ・ハークが監督したマークの過去を描いた3作目は、特に見る必要はないと思います。俺は眠たくなっちゃって最後まで見られなかった(笑)。
ジョン・ウー監督の『フェイス・オフ』以前の作品でもう一つ紹介するなら、トニー・レオンとジャッキー・チュン(チェンじゃないよ)主演の『ワイルド・ブリット』なんかもストーリーは適当だけど、本シリーズと似たようなテイストがあって面白いです。
※2020年2月1日に立川シネマシティがこの作品を爆音上映でやってくれて鑑賞してきた。最高! 劇場で観れたのは本当に至福の時で、上記したシーンのいくつかでは落涙した(笑)。エンドロール終わったら観客から拍手がわいた。最高!
コメント