ハズバンズ
友人の死によって人生を考え始めた3人の男が、現実逃避してジタバタする話。コメディらしいが、笑うというよりはドン引きしちゃうシーンが多かったな。ネタバレあり。
―1970年製作 米 130分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:友人の葬儀を機に人生の壁に突き当たる中年男三人組の姿をコミカルに映し出したドラマ。監督・脚本は「アメリカの影」などのインディペンデント映画の名匠ジョン・カサヴェテス。製作のアル・ルーバン、製作補のサム・ショウはカサヴェテス作品の常連。撮影は「ジングル・オール・ザ・ウェイ」のヴィクター・J・ケンパー。出演はカサヴェテス作品の常連ピーター・フォーク、ベン・ギャザラほか。(KINENOTE)
あらすじ:広告マンのハリー(ベン・ギャザラ)、新聞記者のアーチー(ピーター・フォーク)、歯科医のガス(ジョン・カサヴェテス)は、ニューヨーク郊外で生まれ育った親友同士。突然、彼らの仲間のスチュワート(デイヴィッド・ローランズ)が死に、その葬儀に赴いた3人。だが、やりきれなさを覚えた彼らは夜通し飲んでバカ騒ぎを繰り広げる。ひとりだけ飲んでも吐けないハリーは疎外感に悩むかのようにふたりに気持ちを打ち明ける。妻とうまくいっていない彼は、ふたりを伴って帰宅するが結局喧嘩し、暴力をふるったところを彼らに制止された。彼は「家には戻らない」とふたりにパスポートを見せ、結局何かに背中を押されるように3人はロンドンへ旅立つ。大雨のなかロンドンに着いた彼らは、3日続きの徹夜にも懲りず、タキシードでカジノへ向かい、ギャンブルにも飽きて女をひっかける。相手の女に心ひかれながらも、ガスとアーチーは帰ることを決めたが、部屋に3人の女を引き入れていたハリーだけは残していくことに。ふたりは子供たちへの土産を抱え、家路につくのだった。(KINENOTE)
監督・脚本:ジョン・カサヴェテス
出演:ベン・ギャザラ/ピーター・フォーク/ジョン・カサヴェテス
ネタバレ感想
超適当なあらすじ
おそらく学生時代から友だち同士だったと思われる4人組は、大人になって結婚してからもニューヨークで家族ぐるみの付き合いをしている。のだが、ある日その一人が死んじまったことで、残されたハリー、ガス、アーチャーの3人は喪失感に苛まれ、酒を飲むなどバカ騒ぎしまくるが、心の穴が埋められない。
何とか仕事に戻ろうとしたんだけど、ハリーが奥さんと危機的状況に陥ったためにヤケクソになり、ロンドンへトンズラすることにしたので、ガスとアーチャーもそれについていくことに。
カジノ遊びをして、ナンパをしてホテルに女たちを連れ込んだ3人は、それぞれが女と関わる中でガスとアーチャーは帰国することを選び、ハリーはロンドンに残った――というのが超適当なあらすじ。
不愉快な3人組
UーNextで見つけて鑑賞。ジョン・カサヴェテス監督ってそれなりに知られた人らしいが、作品を観た印象がなかったので鑑賞してみた。
かなり評価の高い作品ぽいんだが、何というか、不愉快なシーンが多かったなぁ。しかも、その一つひとつのシーンが長い。まず、3人組がうるさいんだよね、それなりの社会的地位にある仕事をしてるっぽいが、話してることに知性を感じないし、やってることもアホな学生のノリ。
要するにこいつらが集まると、学生の頃のノリでいることしかできないのだ。大人のツラした子どもみたいな奴らなのだ。中年の俺から観ると、そういう仲間がいることってイイことで羨ましいことでもあるが、こいつらのバカ騒ぎを客観的に観ていると、実に不愉快なのである。節操がない。そして、自分たち以外の人間に対する敬意がないように見えちゃう。
大の大人が泥酔して人目も気にせずバカ騒ぎしてるし、酒の場で女性に対してハラスメントしまくってるし、ロンドンに行ってもカジノで大声で騒ぎ立ててるし、まぁともかく不快でしかない。
で、こんな奴らが何でナンパに成功したのか謎なのだが、それぞれが女性たちといい雰囲気になる。でもまぁ、その関りの中でガスとアーチャーは家に帰ることにするのだ。そうだな、帰ればいいよ。んでラスト、子どもたちに渡す土産を抱えて帰宅したガスが子どもと再会して物語は終わり。このラストがいいシーンと感じる人は多いらしいね。俺には何も感じるところがなかったが。
アメリカ人の白人男性を揶揄してるのかと言えばそのようにも感じるし、仕事をして家庭を持ち、それを維持し続けることの息苦しさから逃げたくなる気持ちはわかるんだけどねぇ。コメディとしても笑えるというよりは、観ていて引いちゃうシーンが多くて、要は自分とは相性が合わない作品だったってことだな。
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