デス・オブ・ミー
タイの離島に出かけた夫婦が、調子づいて飲み過ぎたら翌日に記憶が飛んでいて、何をしてたのか記憶を取り戻そうとしてたら、島の奇妙な風習に取り込まれていくスリラー。不可解なできごとが次々に起こって謎めいた展開が続くが、冒頭以降は尻すぼみ感のあるヘンテコ作品。ネタバレあり。
―2020年製作 米 94分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:「ソウ」シリーズの監督が放つサスペンスホラー。タイの離島を訪れたカップル。泥酔から目覚めたふたりは、携帯に残された衝撃的な映像を見て驚愕する。巨大な台風が近付く中、島の祝祭が始まり、妻の身には次々と不可解な現象が起こり始め…。(KINENOTE)
あらすじ:私は“島”に選ばれ二度、死ぬ-タイの離島を訪れた一組のカップル。泥酔から目覚めると夫の携帯に昨夜の様子を記録した衝撃的な映像が。それは、自分の首を絞めて殺し地面に埋める夫の姿であった。巨大な台風が近づき島に封じ込まれる二人。島に根付く祝祭が進む中、彼女の身には次々に不可解な現象が起きる。その鍵を握るのは祭りと島民から渡されたペンダント。「この島の人たちは何かを隠している・・・。」二人につきまとう死の影。これは幻覚なのか、それとも現実なのか?“島”に選ばれた彼女が辿る運命とは・・・!(Amazon)
監督:ダーレン・リン・バウズマン
出演:マギー・Q/ルーク・ヘムズワース/アレックス・エッソー
ネタバレ感想
アマゾンプライムで見つけて鑑賞。冒頭っから謎めいた感じで、そのまま謎めいた展開がずっと続いてラストを迎える。
旅行記者の夫についてタイの離島にやってきたマギーQ。目覚めたら前夜の記憶がまったくない。どうやら、前夜に現地の酒場みたいなところで調子に乗って飲みまくってたら、よくわからん女にヘンテコな薬の入った酒を飲まされて、酩酊したのが原因らしい。夫はその現場を動画で写していたので、二人で鑑賞してみたらなんと、夫がマギーQの首を絞めて殺害し、埋葬していたのだ!
じゃあ、今生きてる私って何なん? 動揺するマギーQ。そこで『デスオブミー』とタイトルが出るこの冒頭の流れは先の展開を期待させるワクワク感があって、これは思わぬ掘り出し物かもーーと思ったらまったくそんなことはなく、その後の展開はマギーQが幻覚なのか何なのかわからぬ体験を繰り返し繰り返しするだけで、結局何が現実でどこが幻覚だったのか、ようわからぬままにラストを迎える。
どうやら物語の舞台の離島の人々は、ある宗教的な儀式を伝統的にやっていて、その儀式で生贄をささげることで、島から天災を避けたり、島民たちを病から救う効果があるらしい。んで、その生贄として標的にされたのがマギーQで、彼女と夫に関わってくる島民のほぼすべてが二人を陥れようとしていたっぽい。
んで、病を抱えた息子を持つ女性だけが、二人を救う人物だったかもしれないが、その人も殺害されてしまったために、二人は島から逃れることができずに儀式の犠牲になっていく。一応、ラストの描写を観るに、マギーQは亡き夫の呼びかけによって目覚めて、儀式の犠牲になることを免れるが、島民もろとも台風による被害で死んじまったようだ。
まぁ大筋はそれでいいんだけども、そこに至るまでの展開について大した説明がされてなくて、何とも消化不良感が残っちゃう内容だった。マギーQを助けようとした女性の話によれば、マギーQはすでに殺されているために、死者と現実世界のはざまみたいなところにいるらしく、現地人に進呈された首飾りによって、生者の世界に生かされているらしい。
半分死人なんであるから、ヘンテコな幻覚みたいのを見て、何が現実なのかわからなくなっているのはいいとして、旦那の視点から物事が描かれないために、彼の割腹自殺はリアルだったのか、または別の死に方をしたのかなどがようわからんし、まぁともかくようわからんことばっかり。
劇中で旦那が『ウィッカーマン』について言及するシーンがあるが、確かにそれと似たような話ではあったかな。だからといってその演出が功を奏しているとは思えず。面白くはないでありました。
ラスト近くで、マギーQが自分の泊まってる民宿の白人女性をぶっ殺すシーンがあるんだけども、あそこだけが唯一見所で、どうせ暴れるならあのインチキ医者とか、薬を飲ませた女とか、どいつもこいつも大虐殺しちゃう展開にすればよかったのに。どうせみんな台風で死んじまうんだから、結果は同じなわけだし。
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