ザ・リチュアル いけにえの儀式
序盤から中盤にかけては、なかなか不穏な感じが漂っていて楽しめる。小屋に入ってからの悪夢や人形とか、それらの謎が、どのように説明されるのかも気になるのでワクワクした。だが、細部の設定はあまり説明しきらずに、物語は終息してまう。そこが残念。ネタバレあり。
―2018年製作 ネットフリックス 94分―
あらすじとスタッフ・キャスト
長年の友である4人の男達が、スウェーデンの森を抜けるハイキングの旅にでかける。数ヶ月前の悲劇を胸に歩みを進める彼らを、想像を絶する恐怖が待ちうける。(NETFLIX)
監督:デヴィット・ブルックナー
出演:レイフ・スポール/アーシャー・アリ/ロブ・ジェームズ=コリアー/サム・トラウトン
適当なあらすじ
主人公だけ浮いてる
昔なじみの友人5人が、バーみたいなところで旅行の計画を立てている。それぞれに意見があって、まとまってないようだ。主人公と思われる男は、イライラしている。話がまとまらんこともそうだが、旧友らをバカにしているような態度に見える。彼だけがなんか、浮いている感じなのだ。
主人公は友人を見捨てた
帰り道、主人公と旧友のうち一人が、ビールを買うためにコンビニに入る。すると、店には強盗が! とっさに隠れる主人公。一緒に店に入った友人は、強盗に暴力ふるわれて、殺されてまう。助けることもできず、主人公は物陰に隠れてやり過ごすのであった。
楽しいハイキングが悪夢の展開に
で、その友人の死を悼みながら、4人はスウェーデンへ。ハイキングをしている最中、メンバーの1人、ドム(ごめん、コイツ以外のメンバーの名前忘れた)が足を痛める。それで、通常ルートだと時間がかかるので、登山経験豊富ぽい男が、ルートにはない森を抜けて近道しようと提案。
4人は霧の立ち込める森の中に入っていく。彼らはその森の中で悪夢のような出来事に見舞われるのであった。
物語が展開し始めるのは、森に入って小屋に泊まるところから。彼らはここで、各々が凄まじい悪夢を見る。中には小便もらしてまう奴もいたくらいだ。
その小屋には、案山子みたいな感じの人形があって、何かの儀式が行われていたらしいが4人にはそれが、何なのかわからない。いずれにしても恐ろしすぎるので、何とか森を出ようとするのだが、どこまで行っても森からは出られない。やがて彼らは疲弊してきて、イライラしてきて、仲違いをするように。
てな感じで、4人は助け合いつつ、疑心暗鬼みたいな感じにもなりながら、森をうろちょろし続ける。そして、一人、また一人と謎の化け物に襲われはじめるのだ。
――というのが適当なあらすじ。
その後のネタバレ展開
その後の展開について一応、分かる範囲のネタバレをすると、終盤、生き残った主人公とドムは、森の中に怪しげな集落があり、そこに住む奴らが、彼らを襲ってきた化け物を崇拝していることを知る。その住人たちは、森で迷っている奴らを捕まえて、化け物に生贄としてささげているらしい。
ところが、化け物に傷をつけられた主人公に対しては、集落に残って住人の一人になるように命令というか勧誘というか、そういう運命なのだと説明しているように見えた。どうしてそうなるのかわからないが、化け物に選ばれた者という意味なんかもしらぬ。
で、最終的に、ドムは化け物のお供え物になって死亡。主人公はいろいろ抵抗して、集落の人を何人か射殺。化け物はしとめることができなかったものの、何とか一人、森から脱出することに成功して劇終である。
ネタバレ感想
この話、無理やりこじつけるなら、主人公の成長物語として見られなくはない。強盗に襲われる友を助けられず亡くしてしまい、過去に負い目みたいのを感じている彼が、化け物に襲われてからは、仲間を助けようといろいろと頑張るからだ。けっきょくその頑張りは報われないものの、過去の思い出を振り切ろうとする意気込みは感じられた。
しかし、そうだとしては、人物たちの絡みが中途半端だ。なぜ主人公が序盤、仲間たちに苛立ちを見せていたのかの真意も説明されない。そして、どうして4人そろって悪夢を見てしまうのかとか、そもそもあの集落の人たちは何なのかとか、ようわからん部分が多い。てなことで、やっぱり残念な作品である。
この作品を鑑賞したことで、なぜかニコラス・ケイジ主演のリメイク版『ウィッカーマン』というホラーを思い出した。ちなみに、オリジナルは観たことない。
ザ・リチュアルは、ネットフリックスで鑑賞できます。
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