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映画『ウィッチ』ネタバレ感想 信仰心と魔女を題材にした話の結末は?

ウィッチ
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ウィッチ

キリスト教に対する信仰心や、魔女の話を題材に、直接的な恐怖描写をせず人間の内面に恐怖心を植え付けてくる内容になっているところが、この物語の面白味であったと思う。ネタバレあり。

―2017年公開 米 93分―

解説:「スプリット」のアニヤ・テイラー=ジョイ主演によるダークファンタジー・ホラー。1630年、ニューイングランド。敬虔なキリスト教徒の夫婦と5人の子供たちが、村はずれの森近くに移住してくる。だが突如生後間もない赤子が消え、家族は狂気の淵に陥っていく。監督・脚本は、本作でサンダンス映画祭監督賞を受賞した新鋭ロバート・エガース。音楽を「CUBE」のマーク・コーヴェンが務める。共演は「トゥルーナイト」のラルフ・アイネソン、「プロメテウス」のケイト・ディッキー。(KINENOTE)

あらすじ:1630年、アメリカ・ニューイングランド。街を追い出されたウィリアム(ラルフ・アイネソン)とキャサリン(ケイト・ディッキー)夫妻は、5人の子供たちと共に敬虔なキリスト教生活をおくるため、村はずれにある森の近くの荒れ地にやって来る。だが突如、赤子のサムが何者かに連れ去られ、行方不明になってしまう。連れ去ったのは森の魔女か、それとも狼か……。悲しみに暮れる家族だったが、ウィリアムは美しく成長した愛娘トマシン(アニヤ・テイラー=ジョイ)が、魔女ではないかと疑いはじめる。疑心暗鬼となった家族は、やがて狂気の淵に陥っていく……。(KINENOTE)

監督・脚本:ロバート・エガース
出演:アニヤ・テイラー=ジョイ/ラルフ・アイネソン/ケイト・ディッキー/ハービー・スクリムショウ/エリー・グレーンジャー/ルーカス・ドーソン

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適当なネタバレあらすじ

魔女とキリスト教信仰にまつわるホラー映画。信仰に対する解釈の不一致で、街を追われ、イングランドからアメリカに移住することになった6人家族。しかし、移住先では安定した生活ができず、家族内にはそれぞれの事情で苛立ちが募り、関係が悪化していく。

そんな中で、主人公であるトマシンは両親らから魔女疑惑をかけられる。それを否定する彼女だが、知らぬ間に彼女は魔女になってしまっていたのだ。

ネタバレ感想

ものすごく端折りまくったあらすじだが、要は、主人公のトマシンが魔女になっちゃう話である。物語中ではラストに彼女が魔女になることが描かれるが、赤ん坊のサムが消えたり、弟のケイレブが呪いみたいのにかかって死んじゃうことを踏まえると、ラストの描写は、時系列的には、物語の序盤で起こっていたのかもしれない。そのほうが辻褄は合わせやすい。

信仰心が篤い人間たちが、その信仰心の解釈の違いによってコミュニティを追われ、逃れついた先で安定した生活が過ごせなくなってまう。そして、逃れついた先には頼るものもなく、困窮していく暮らしの中で、家族内にも亀裂が走り始める。

この家族の中の、子どもたちの両親は、信仰によって己の贖罪を求め、信仰によってしか窮地を切り開く術を持たない。つまり、神に頼るしかできない。祈るしかできない。そんな自らの信仰心に振り回されて不幸な末路を迎える、弱い大人たちの姿が描かれる。

単純に見ればキリスト教を風刺しているようにも思えるが、それは物語の下敷きになっているだけで、この話はそれぞれの人間が自分の信ずるものに従いすぎるがために、他者とのコミュニケーション不全に陥ってしまう恐怖を描いているように感じた。

そしてもう1つ恐ろしいのは、キリスト教を信仰しているか否かに関わらず、人間は必ず、誰しも自分の中に何がしかの罪の意識を感じて生きている。それは善悪を基準に日々の生活を生きている以上、逃れられぬものではある。あるのだが、その基準にとらわれ過ぎて、知らぬ間に選択肢を狭められ、がんじがらめになって息詰まるような毎日を暮らさざるを得ない人間の不幸を描いているように観られるところだ。

てなわけで、直接的な恐怖描写をせずに、人間の内面に恐怖心を植え付けてくる内容にしているところが、この物語の面白味であったと思う。

善悪を超えた言葉を獲得するために、みんな人間であることをやめよう。

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善悪を超えた言葉を獲得するために、みんな人間であることをやめよう。

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