グッド・タイム
冒頭から行き当たりばったり。その場しのぎの対策を立てて何とか弟を助けようとする兄貴が、最後までジタバタし続ける。そんな兄貴にグッドなタイムはあったのか。ネタバレ感想。
―2017年公開 米 100分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:「神様なんてくそくらえ」で東京国際映画祭グランプリと監督賞の二冠に輝いたベニー・サフディとジョシュア・サフディが手掛けた犯罪サスペンス。ニューヨークの最下層で生きる兄弟が銀行強盗を計画するが、弟が警察に逮捕され、兄は奪回を試みる……。出演は「ディーン、君がいた瞬間」のロバート・パティンソン。(KINENOTE)
あらすじ:ニューヨークの最下層で生きるコニー(ロバート・パティンソン)とニック(ベニー・サフディ)の兄弟。2人は銀行強盗を計画するが、途中でニックが警察に捕まってしまう。刑務所に送られたニックは獄中で苛めに遭い、暴れて病院へ送られることに。それを聞いたコニーは病院へ忍び込み、なんとか弟を取り戻そうとするが……。(KINENOTE)
監督:ジョシュ・サフディ/ベニー・サフディ
出演:ロバート・パティンソン/ベニー・サフディ/ジェニファー・ジェイソン・リー
適当なネタバレあらすじ
知的障害を持つ弟と一緒に銀行強盗を働いた兄貴。あまり用意周到な準備をしてなかったようで、警察から追われる羽目に。逃亡中、弟がつかまってまう。兄貴は奪った金を使ってある男に弟の釈放を頼みこむ。しかし、金が足りない。そこで、恋人に金を無心するものの、それもいろいろあって上手くいかない。
ジタバタしている中で、弟が獄中で囚人たちにボコられて、一時的に病院で療養していることを知る。そこで病院に忍び込み、監視の目を盗んで弟を奪取することに成功。…したと思ったら、これが別人(笑)。
で、この男がドラッグを遊園地に隠し持っていることを知り、2人でそのドラッグを回収し、そいつを金にして山分けすることで合意。なんとかドラッグを回収したものの、兄貴は警察に捕まり、ドラッグの持ち主は逃げる途中で高いビルの上から転落死。
いっぽうの弟は、障害者の施設で暮らすことになり、劇終である。
ネタバレ感想
冒頭から行き当たりばったりでその場しのぎの対策を立てて何とか弟を助けようとする兄貴が、最後までジタバタし続ける。そしてうまくいかずにお縄をちょうだいするボンクラクライムムービー。
兄貴が弟思いなのは分かるし、最後までその愛情でもって頑張るところはなかなか悲壮感があってよい。よいけども、最初から知的障害のある弟を犯罪に巻き込むなよって思っちゃって、どうにも感情移入ができないのであった。
というか、この兄貴に好感を持てるのは弟思いであることだけで、他はすがすがしいほどのクズキャラである。で、上述したように、その弟思いなところも、強盗に付き合わせちゃうところなんかもあるから、それって本当に弟のこと考えてるのか? と思わせるだけで、よく考えたら単なる自己中、自己満足野郎なんである。
この物語に出てくる人たちは、みんな社会の底辺で生きているような人たちで、そういう人たちの辛い生活を描き、そこから抜け出ることができないという悲哀を見せてくれるという意味では、とてもいいと思うんだけど、兄貴も、それと行動を共にすることになる男も、背景を深掘りしていないので、何を考えているのかよくわからない。
鑑賞者の感情移入を排するようなつくりにしているのは、何かの意図があるんだと思う。俺がよく観ている糞映画とは異なって、意図的にやっているんだろうと思った。もちろん想像だが。しかし、個人的にはそこを描いてくれたほうが、もっと楽しめたんではないかと感じる。
ラストが非常に印象的ではあったけど、全体を通して考えるとあまり楽しめない映画であった。嫌いな内容ではないんだけど。なぜなのかは、よくわからない。
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