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映画『リベンジ・オブ・ザ・グリーン・ドラゴン』ネタバレ感想 

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リベンジ・オブ・ザ・グリーン・ドラゴン

犯罪組織を描いた作品が好きなので、個人的にはかなり楽しめた。実話に基づいて製作されているためか、派手な演出はほとんどなく残酷な暴力の数々が描かれてて、そこはけっこうキツイんだが、そのリアルさがよかったと思う。ネタバレあり。

―2015年公開 米 93分―

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解説とあらすじ・スタッフとキャスト

解説:製作総指揮マーティン・スコセッシ(「ウルフ・オブ・ウォールストリート」)×共同監督アンドリュー・ラウ(「インファナル・アフェア」)がタッグを組んで送り出した犯罪アクション。実話を元に、ニューヨークで抗争を繰り広げる中国系ギャングの若者の姿を描く。主演は「トワイライト・サーガ」シリーズのジャスティン・チョン。(KINENOTE)

あらすじ:1983年のアメリカ、ニューヨークのクイーンズ地区。中国からの不法移民として独りでこの地に流れ着いたサニー(ジャスティン・チョン)は、移民を仕切るスネークヘッドによって、同じ年齢の少年スティーブン(ケヴィン・ウー)とその母親と一緒に生活することとなる。だが、身分保障のない彼らは、中華レストランで雑用としてこき使われ、学校では徒党を組む中国人グループに追い回され、暴力の中で毎日を過ごしていた。そんなある日、2人は地元で勢力を誇る犯罪組織“グリーン・ドラゴン”に引き抜かれる。白人の国で成り上がるためには、ギャングになるしかないと諭され、少しずつギャングの流儀を学び、銃の扱いや殺しのルールも覚えてゆく。ポール(ハリー・シャム・ジュニア)率いる“グリーン・ドラゴン”は、他の5つのギャングと抗争を繰り広げていたが、そこにはひとつのルールがあった。それは、白人を巻き込まないこと。もし白人を巻き込めば、警察どころかFBIまでもが動き出し、不法移民である自分たちの首を絞めることになるのだ。組織の中で生活し、いつしか少年から青年に成長してゆくサニーとスティーブン。そんな彼らの前に、香港から来たポールの知人テディとその娘ティナ(シューヤ・チャン)が現れる。互いに魅かれ合ってゆくサニーとティナ。しかし、ティナはある事件をきっかけに組織から命を狙われることに。彼女を守るため、サニーは裏社会を相手に危険な闘いを仕掛けてゆくが……。(KINENOTE)

監督:アンドリュー・ラウ/アンドリュー・ロー
脚本:アンドリュー・ロー
製作総指揮:マーティン・スコセッシ
出演:ジャスティン・チョン/レイ・リオッタ/シューヤ・チャン/ハリー・シャム・Jr/ケヴィン・ウー

ネタバレ感想

中国人不法移民の末路

公開当時、劇場に行こうと思ってて行けず、そのまま存在を忘れていた(笑)。ネットフリックスで見つけたので存在を思い出し、さっそく鑑賞。

意味があるのかないのかよくわからんシーンをやたらと長く映したり、単調な音楽が流れたりなど、退屈に感じる部分もあるけど、犯罪に手を染めざるを得なかった主人公の末路を描いた作品として、楽しめる内容だった。

1980~90年代NYチャイナタウンの現実

相手が身内や友達だろうが、裏切り、傷つけてでも自分たちの利益を得ようとする犯罪組織の輩たちを、美化することなく描いているため、残酷なシーンもけっこうある。でも、そうした部分を正面から描写しているところに、この映画の価値があると思った。

ともかくあの、「青龍」とかいう組織の中にいたら、どの立場の人間もろくな最後を迎えられないだろうということが鑑賞者にはわかる。安全な立場から観ている身としては、何であんなところにい続けているんだろうかと疑問に思わなくもないのだが、考えてみれば、彼らはあそこにしか居場所がないんだろう。

もちろん、どこかの時点で、別の道を進む選択肢はあったはずだ。しかし、主人公のように幼い頃に、そちらの道へ引き込まれてしまったら、容易には元には戻れない。しかも、仮に自分の意志で別の選択肢を選ぶと、あの環境に住み続ける限りは、彼らのような輩に搾取され続けることになるのである。

て、考えると、真面目に働くほうが大変だしバカらしいのもわかる。あんな輩どもに搾取されちゃうんだから。しかし、女性や老人は輩になれるほどの若さもパワーもないので、おとなしくすごすしかない。幸せに暮らしたくて命を張って海を渡ってきても、けっきょくは地獄みたいな暮らししかできない。それでもリスクを冒してアメリカに来ようとするのは、故郷で朽ちていくよりは、まだチャンスがあると思っているからだ。

一番嫌になっちゃうのは、狡賢い奴らは、考える頭があるのでいつも安全なところにいることだ。そして、自分の立場が危うくなると、他人を犠牲にして逃げちゃう。引き際できちんと決断できるのは、状況を客観視する知性があるからではあるが、やっぱむかつくわな。

アメリカのギャング映画は、アイルランド系、イタリア系などなど移民の話が切っても切れないもんだけど、本作は、それが中国系の移民(密入国者)の話ってことで、身近な感覚で観られたのもよかった。80年代に移民としてアメリカにわたった黄色人種が、白人たちからどういう扱いを受けていたのかなど、その事情が非常に伝わってくる内容であった。

ラストはフィクションか?

クライマックスでサニーがポールを追って香港に行き、対峙するシーン。サニーが死んでしまうのには驚いたが、あの展開も、本当の話なんだろうか? その辺はよくわからんが、このスッキリしないラストに不満を持つ人は多いだろうなぁ。俺は、これはこれで、犯罪者として生きる人間の末路をリアルに描いた内容としては、この終わり方でもいいと思った。

でも、サニーを撃った相手は、彼の正面から銃を撃っているはずなのに、サニーは何で気づかなかったんだろうか。どう考えてもあの角度で被弾するなら、相手はポールの肩越しからサニーを撃ったとしか思えないんだが。駐車場の結構広い場所で対峙してたんだから、視界もけっこうよかったはず。

その辺の詰めの甘さは、気になったなぁ。

でも、全体を通して振り返ると、移民や人種差別の問題の根深さを感じられる上、犯罪に手を染めて生きること、そして犯罪組織の中で生きることの虚しさを知らせてくれる、良作だと思った。

そして、イヤーオブザドラゴンを久しぶりに観たくなったのである。

犯罪は一人でやるべき↓

映画『レジェンド 狂気の美学』犯罪は一人で隠れて、孤独にやろう
トム・ハーディが双子の兄弟を一人二役で演じた映画。数ある犯罪組織ものの中で何か突出した部分があるわけではないけど、面白く見られる。今回は作品を通じて、犯罪映画がなんで面白いのかってことと、犯罪は一人でやったほうがいいのではないか、という話。

犯罪者はこうあるべき↓

映画『夜に生きる』ネタバレ感想 主人公の信条が参考になる作品
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恐ろしいギャングたち↓

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政治や宗教も絡む犯罪作品↓

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イタリア・ローマの犯罪組織と政治家、さらにカトリック教会。それぞれの思惑が絡んだ犯罪映画。この手の作品がとても好きなので鑑賞したら、期待に違わぬオモシロ作品で満足できた。ネタバレあり。 ―2017年公開 伊=仏 130分―

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