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映画『プロテージ 偽りの絆』ネタバレ感想 ドラッグの恐ろしさが分かる良作

プロテージ
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プロテージ 偽りの絆

潜入捜査もの、麻薬がらみの犯罪ものが好きな人にはオススメしたい良作です。香港映画がすごく好きな人は当然知っている作品なんだろうが、そうではない人も観る価値のある映画と思う。ネタバレ少し。

―2007年製作 米 109分―

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解説とあらすじ・スタッフとキャスト

解説:『ウォーロード 男たちの誓い』のアンディ・ラウ主演で香港にはびこる麻薬売買の実態を描いたアクション。麻薬市場の半分を牛耳るクァンは、身重の妻や病気がちな娘を思案し手下のニックを後継者に育てようとする。しかし、ニックは潜入捜査官で(KINENOTE)

あらすじ:香港の麻薬市場の半分を牛耳るクァン(アンディ・ラウ)の元で、7年間潜入捜査を続けるニック(ダニエル・ウー)。病にかかっているクァンは、身重の妻(アニタ・ユン)や病気がちな娘のことを思案し、ニックを後継者に育てようとしていた。ニックの部屋の前に住む、フェン(チャン・チンチュー)とその娘ジンジンは頼れる人が全くいない。そんな2人を見兼ねたニックは、親娘を気遣い食事を幇助し、徐々に距離を縮めていく。そんなフェンの腕に醜い注射痕が。麻薬をやめさせようと尽力するニックの前に、フェンの前夫(ルイス・クー)が現れる。麻薬から足を洗おうとするフェンに、麻薬漬けの日々に舞い戻らせようとつきまとう前夫。そんな中、少しずつ麻薬密売の真相に近づいていくにつれ、クァンの絶対的信頼に対する自分の裏切りや、麻薬を取り巻く真実に、少しずつ分からなくなっていくニック。麻薬の真実が今暴かれるAmazon

監督・脚本:イー・トンシン出演:アンディ・ラウ/ダニエル・ウー/チャン・チンチュー/アニタ・ユン/ルイス・クー

感想(ネタバレ少し)

イー・トンシン監督作

全く存在を知らない映画だったんだけども、ネットフリックスで見つけて鑑賞。監督がイー・トンシンで主演がダニエル・ウーときたら、『ワンナイト・イン・モンコック』が思い出される。あの作品も内容は結構シリアスだったけど、本作もそんな感じで、潜入捜査ものの娯楽作品というよりは、ドラッグの恐ろしさを強調したような作風だと思った。

ちなみに、イー・トンシンと言えば、ジャッキー・チェンが主演している『新宿インシデント』も印象深い。この監督は香港の中では社会派っぽい内容を作品に込めるのが特徴なんかね。

ドラッグ依存の恐ろしさが分かる

麻薬の恐ろしさを描いた作品と言えば、『レクイエム・フォー・ドリーム』がすぐに思いだされるけども、本作も麻薬に依存しちゃってるフェンという女性の行く末が物語の軸になっていて、彼女が美人で子どもも可愛いこともあってか、最後のほうで死体になっちゃっているシーンは気の毒だしなかなかグロい。美人も死んじまったら意味がない。

フェンの元夫役を演じているのがルイス・クー。この人は日本で観られる香港映画だけでもかなりお目にかかることが多い人で、俺はさほど好きではないんだけども、こういうクズ役やらせるといいなぁと思った。俺が大好きなジョニー・トー監督の『ドラッグ・ウォー 毒戦』でもクズ役を演じてたけど、あれもよかったからね。

アンディ・ラウが安定のカッコよさ

さらにアンディ・ラウが相変わらずかっこいい。最初は小物な麻薬の仲介人なんかなぁと思ってたら、仲介業者として用意周到に組織を運営しているボスだったことがわかる。ダニエル・ウー演じるニックに自分の後を継がせるべく、ゴールデントライアングルに連れて行ってそのエリアの重要人物らにニックを紹介するわけだが、像に乗って移動するシーンなんかは、さすがにキングの風格。どんな役をでもカッコいいオッサンだ。

余談だが、俺は彼が裏社会のボスで、その右腕役としてジャッキー・チュン(チェンじゃないよ)が出てくる『ベルベット・レイン』がけっこう好き。内容は大したことないんだけど、この2人の役者がとてもいいのである。

映画 ベルベットレイン ネタバレ感想 アンディラウVSジャッキーチュン
映画 ベルベットレイン ネタバレ感想 アンディラウVSジャッキーチュン 香港黒社会の大ボス暗殺計画を軸に、大ボスとその弟分、ヒットマンの若者2人組それぞれのドラマを交錯させて描く香港ノワール。 ホンとレフティの会食シーンが良い。あと、ジャッキーチュンの演技がかっこいい。
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依存症は本人の意志だけでは治せない?

てなことで、作品と全然関係ない話ばかりだけども、潜入捜査物かつ、麻薬がらみの犯罪ものが好きな人にはぜひオススメしたい良作です。香港映画がすごく好きな人は当然知っている作品なんだろうが、そうではない人も観る価値のある映画である。

蛇足ついでに紹介すると、俺の好きな哲学者の一人に國分功一郎という人がいる。まだ読み途中なんだが、彼の著作『中動態の世界』の冒頭で、「薬物やアルコール依存は、本人の意志だけではどうにもならないもの」みたいな紹介をされる箇所がある。

この映画に登場するフェンとその元旦那は完全に依存症で、ニックはフェンに対して「自分の意志で抜け出せ」と説得する。俺もそうするべきと思ったけど、受動でも能動でもない中動態という概念を知ると、意志だけではどうにもならない何かがあるようだ。

もちろん國分氏の著作は依存症のことを解説した読みモノではないんだけど、本作を鑑賞して、早く続きが読みたくなったのである。

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