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映画『潜入者』ネタバレ感想 潜入捜査官に、家族はいらない

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潜入者

実話に基づいた物語ってことで、なかなか面白く観た。潜入捜査を行うメイザ―氏がどんな思いで潜入捜査を進めていて、彼を取り巻く人々との間の葛藤もセリフを多用せずに描かれているところがよい。ネタバレなし

―2017年公開 英 127分―

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解説とあらすじ・スタッフとキャスト

解説:麻薬王パブロ・エスコバルの組織に約5年間潜入捜査をしたロバート・メイザーの回顧録をベースにした犯罪サスペンス。1980 年代、エスコバルの巨大麻薬カルテルを内部から崩壊させるために、ベテラン捜査官ロバート・メイザーは架空の大富豪を装い近づく。監督は「リンカーン弁護士」のブラッド・ファーマン。「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男」のブライアン・クランストンが、大胆不敵な計画を実行するベテラン捜査官を演じる。(KINENOTE)

あらすじ:1980 年代、コロンビアの麻薬王パブロ・エスコバルは史上最大級の犯罪帝国を築き、アメリカに流入するドラッグの大半が彼の組織を経由したものと言われていた。アメリカ政府はこの事態を憂慮し、大規模な潜入捜査作戦を計画。ベテラン捜査官ロバート・メイザーを架空の大富豪に仕立てあげ、財力で組織に取り入り、内部から組織を崩壊させようとする。(KINENOTE)

監督:ブラッド・ファーマン
出演:ブライアン・クランストン/ダイアン・クルーガー/ジョン・レグイザモ/エイミー・ライアン

感想

引退したいけどしたくない

この主人公は、この捜査に着手する前に、引退するチャンスがあった。だけど、彼はしない。しなかったからこそ、またしても仕事を通じて苦悩し、家族崩壊の危機にもさらされるわけだが、どうしても仕事から抜けられなかったようだ。

それは犯罪撲滅に向けた使命感なのか、単に仕事そのものを愛しているからなのか、それについて言及はされないものの、俺は後者の気持ちのほうが強かったのではないかと推測する。

潜入捜査が生きがい

ジョン・レグイザモ扮する相棒は「これが俺の天職だ」と潜入捜査の仕事について言っていた。あんな精神削る仕事を天職と言い切れるのはかなりぶっ飛んだ人間であるわけだが、そもそも、どっか頭のネジがぶっ飛んだやつじゃないとあんな仕事はできない。それは主人公のメイザ―氏も同じなのである。

つまり彼らは、架空の人物をつくり上げ、その人間になり切って、期限付きで別の人間の人生を送ることのおもしろさにとりつかれているのだろう。恐らくそれは役者の仕事に近いのかと。ただ、潜入先に素性がバレたら命を落とす可能性があるわけだから、その危険さは役者の仕事とは比較にならない。しかし、そこがこの仕事のやりがいなのである。

死と隣り合わせの日々の中で、自分たちのつくり上げたシナリオを遂行し、それを達成する。その過程の中にあるスリルと、その中で自分とは違う人間、しかも犯罪者になり切ることで悪の行為を享受する快感を得られるのである。リスクが大きい仕事だけに、そこから得られる満足感もかなりのものなんでしょうな。

バリー・シールの末路が(笑)

作中で、バリー・シールなる人物に言及される場面がある。近々トム・クルーズ主演の『バリー・シール』を鑑賞しようと思ってたので、この作品において彼の行く末を知ってしまって残念な気分。まさか別の作品でネタバレがあるとは(笑)。

コロンビアの麻薬王、エスコバルのカルテル撲滅を狙う作品なんだから、バリー・シールの話も出てくるかもしれないなぁと思ってたものの、まさか彼がどういう末路をたどるのかを知ってしまえるとは思わなかったのである。まぁそれは、実話を基にしているんだから仕方ない。

鑑賞しました↓

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犯罪組織と戦うためには、家族はいらない

個人的に、犯罪者として天寿をまっとうする人生を送りたいなら、組織をつくらず、家族を持たず、一人で人生を過ごすべきであると考えている。その話は別記事でしたのでそれはいいとして、本作を観て感じたのは、組織犯罪を根絶するために戦う側の人間も、家族を持たずに仕事をしたほうがいいのではないかということだ。普通ではない集団と戦うには、戦う側も普通の生き方はできないということである。

クライマックスで、メイザ―が摘発すべき奴の一人が、メイザーの結婚式に出席する。彼は捕まる危険を冒してまで、友人のメイザ―のために結婚式にやってくるのだ。そして、メイザ―に「友や家族がいない世界なんて生きる価値がない」みたいなことを言う。

それを聞いてなんとも言えぬ複雑な表情になるメイザ―。ここはいいシーンでいいセリフなんだけど、俺の個人的な意見で言うなら、「友や家族と楽しく生きていたいなら、犯罪なんかやるなよ」と言いたくなるのである。

犯罪は一人でやるべき↓

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潜入捜査ものの映画の面白さは、潜入した側の人間のアイデンティティに揺らぎが生じ始め、そこに葛藤するところや、潜入先の摘発すべき人間たちに対して、倒すべき相手とわかりつつも、関わりの中で感情移入をしてしまい、本来なすべきことを全うできなくなりそうになってしまう潜入側の葛藤が描かれるところだ。

こうした描写に鑑賞者は、作品中の人間たちの人間臭さに共感しつつ、彼らの行く末に興味を持って結末に至るまでの物語にのめりこむのである。

アメリカ政府の糞っぷりなども感じられる、面白い映画でした。

エスコバルの家族を描いた作品↓

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犯罪者はこうあるべき↓

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