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映画『バッド・デイズ』ネタバレ感想 結末まで全てハードボイルドである

バッドデイズ
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バッド・デイズ

あまり知られていない作品だと思うが、この映画は良作だと思う。決して傑作とは言えない。だが良作である。なぜそうなのかというと、ハーヴェイ・カイテル演じるロイが渋いのだ。ハードボイルドである。ネタバレあり

―1997年 米 98分―

解説:ロサンゼルスを巻き込だ新旧のギャングたちの抗争を描いた本格的なフィルム・ノワール。ジャン=ピエール・メルビル監督の55年作品「賭博師ボブ」を現代風にアレンジした。監督は「湖畔のひと月」のジョン・アーヴィン。製作は「ストーリービル」のエヴゼン・コーラー。脚本はTVシリーズの脚本家として知られるケン・ソラーツ(製作も)。製作総指揮はバー・ポッター。撮影は「トイ・ソルジャー」のトーマス・バースティン。音楽は「ハーモニー」のスティーヴン・エンデルマン、美術はマイケル・ノヴォトニー。編集はマーク・コンテ。衣裳はエデュアルド・カストロ。主演は「レザボアドッグス」「真夏の出来事」のハーヴェイ・カイテル。共演は「スペース・トラッカー」のスティーヴン・ドーフ、「ビューティフル・ガールズ」のティモシー・ハットン、『ロード・オブ・イリュージョン』(V)のファムケ・ヤンセンほか。なお、エリオット・グールドがノンクレジットで出演している。(KINENOTE)

あらすじ:引退を考えているロサンゼルスの三流ギャング、リー・イーガン(ティモシー・ハットン)は最後の仕事に宝石強盗を計画した。リーは兄のロイ(ハーヴェイ・カイテル)に助太刀を頼んだ。ロイはその筋で知られたプロのギャングだ。その他、妻子持ちのホーレイ(ウェイド・ドミンゲス)とスキップ(スティーブン・ドーフ)という二人の若者が集められた。周到な計画で襲撃は成功し、2300万ドル相当の宝石を手に入れたが、独り占めを目論んだスキップはリーとホーレイを射殺した。スキップはチャイニーズマフィアや黒人ギャングを結託してロイの抹殺を画策する。チャイニーズマフィアに襲われたロイは虫の息でホーレイの未亡人レイチェル(ファムケ・ヤンセン)の家に転がり込んだ。奇蹟的に回復したロイはレイチェルの協力でスキップに渡すはずの宝石の代金を巻上げるが、スキップにレイチェルを拉致される。ロイはスキップを射殺し、レイチェルを救い出すが、そのまま息を引き取るのだった。(KINENOTE)

監督:ジョン・アーヴィン
出演:ハーヴェイ・カイテル/スティーブン・ドーフ/ティモシー・ハットン/ファムケ・ヤンセン

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隠れた良作!

かなりの昔、地上波で深夜にやっていたのを見ていい作品だと思ったものの、DVD化されていないようだったのでレンタル落ちのVHSを発掘して再鑑賞。その後、ビデオを観られる環境を失くしていたが、知らぬ間にDVDになっていたようで最近購入した。

この映画、ハーヴェイ・カイテル演じるロイが渋いのだ。カッコイイのである。ハードボイルドだ。この男は群れない。弟に声をかけられて宝石強盗をするわけだが、成功後、祝杯をあげようとしている弟たちの誘いには乗らない。

そもそも、この宝石強盗すらも弟に請われて参加はしたが、実はそんなに気が進んでなかったのが見て取れる。でも、弟のために一肌脱ぐ。弟のためにやったことなので、ヤマが成功したらその場をすぐ去ろうとするのである。

なぜそういう行動を取るのか。それは、犯罪者としてできるだけ安全に生活していくには、人との関わりを極力避けねばならないことを、彼は知っているからだ。恐らく過去に、いろいろと苦労をしたのかもしれない。だからこその一匹狼。

そして、弟を射殺したスキップにはきちんと落とし前をつける。冷たいようでいて、実は弟思い。殺されればもちろん、怒りに燃える。とは言え、彼は群れないので仲間はいない。だから、一人であだ討ちを決行する。侠気がなければできないことだ。ハードボイルドなのである。

犯罪は隠れて一人でするべきと述べた記事↓

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レイチェル(ファムケ・ヤンセン)もいい

ラストのほう、レイチェル(ファムケ・ヤンセン)と曖昧な関係が描かれる。男女の関係にはならない。だから、中途半端に感じるかもしれない。でも、あれはあれでいいのだ。ロイは常に一人、誰とも深く関わらないが、恩をあだで返すようなことはしない。レイチェルと息子たちのために金だけを残し、風のように去っていくのである。

しかしまぁ、レイチェルは作中でロイに評されるように、本当にできた奥さんでありますなぁ。美人だし。今作よりも美人なファムケヤンセンを見たい人には、ザ・グリードか、パラサイトをおススメしたい。どちらも面白い映画です。

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面白い作品です。というのも、人間にとってのユートピアとはどんな世界なのかと示唆している描写があって、主人公はそれを否定して現実に生きようとする映画だから。要するにそれは、今ある世の中と向き合って「戦え、肯定しろ」っていうメッセージにも感じるんですなあ。そこがこの作品のよいところと思います。

KINENOTEのあらすじってまれにおかしくない?

で、この映画はあんまり見た人がいないようで、ネタバレ的なのもほとんど見かけないんだけども、冒頭のKINENOTEの引用を見て、初めて知った情報がいくつかあった。

引退を考えているロサンゼルスの三流ギャング、リー・イーガン(ティモシー・ハットン)は最後の仕事に宝石強盗を計画した。リーは兄のロイ(ハーヴェイ・カイテル)に助太刀を頼んだ。ロイはその筋で知られたプロのギャングだ。

え!? 弟は引退を考えてたの? 彼は三流なの? なんで? どのへんが? そして、ロイってギャングなの? ちがくね? だって、彼はいつも一人じゃん。ギャングって組織のことでしょ? おかしくないか? どちらもそんなセリフや描写あったか? 字幕で出てないだけ? そして気付かない俺の目が節穴なのか?

さらにだ、さらにおかしいと思うのはこれだ!

ロイはスキップを射殺し、レイチェルを救い出すが、そのまま息を引き取るのだった。

おいおいおいおい

そのまま息は引き取ってないでしょ。何を言ってるんですか。そのままって、どこにそんな描写があった? 「彼はレイチェルを救って、そのまま去っていった」ならわかる。息は引き取っていません。少なくとも、どっちだかわかりません。

ラストのラスト、レイチェルの引っ越し先にアクセサリーみたいなものが届く。中身を見たレイチェルが微笑む。あれは、ロイからの贈り物なんじゃないのか? アクセサリーが届いたから、彼がどこかで生きていることを知って、レイチェルは微笑んでいるんじゃないの?

そう思うんだけど、違うかね?

KINENOTEのあらすじってたまに頓珍漢な内容があるんだけど、どういうふうに作成されているんだろうか。ていうか、気に入らないなら引用するなってことなんだけど、しばらくは使わせてもらう(笑)。

犯罪者はこうあるべき↓

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