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映画『アイスブレイカー 超巨大氷山崩落』ネタバレ感想 

アイスブレイカー
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アイスブレイカー 超巨大氷山崩落

実話をもとにした作品だそうです。1980年代、ソヴィエトの砕氷船が巨大氷山にぶつかっちまって、氷に閉ざされた海上で漂流することになった船の乗組員たちを描いた話。物語の歴史的背景に関する大した知識もないんだけど、この話がどういう内容だったのかということを紹介します。ネタバレあり。

―2016年製作 露 124分―

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解説とあらすじ・スタッフとキャスト

解説:『ウォンテッド』の製作陣によるディザスターパニック。。【スタッフ&キャスト】監督:ニコライ・コメリキ 製作:セルゲイ・コズロフ 撮影:フェダー・ライアス VFX:アンドレイ・エメリアノフ 出演:ピョートル・フョードロフ/セルゲイ・パスケパリス/アレクサンドル・ヤツェンコ/オルガ・スミノヴァ(KINENOTE)

あらすじ:1985年3月、南極。砕氷船が巨大な氷山を避けられずに船体を損傷、70人の乗組員は極寒の最果てに残される。133日間救助がないまま、食糧と燃料は尽きていく中、乗員たちは脱出方法を探すが…。(KINENOTE)

監督:ニコライ・コメリキ 出演:ピョートル・フョードロフ/セルゲイ・パスケパリス/アレクサンドル・ヤツェンコ/オルガ・スミノヴァ

感想

実話をベースにした海難ドラマ

ツタヤで酔っぱらって新作のB級コーナーをあさり、パッケージで内容確認もほとんどしないまま借りて鑑賞。勝手にディザスター系の糞映画だと思って観たら、至って地味な海難生還映画であった。面白いかどうかと言われると…普通です。

適当なあらすじ

旧ソ連時代、社会主義国家における当局の杜撰な事故対応力に、とばっちりを受けた船員たちの行く末を描いた内容てことでええんだろか。船長交代劇とか、旧船長の代わりにヘリコで派遣されてくる頑固な船長と船員の関わりとかの人間ドラマが繰り広げられる。最終的には犠牲者少なめで船員たちは生還できて、大団円って内容である。

当局の怠慢だが旧船長は責任を感じている

この作品には、KGBのオッサンが出てくる。彼の役目はどうやら、旧船長の奥さんを使って、当局(どこの当局なんだかよくわからん)の怠慢によって起きた事故を旧船長のせいにすることのようだ。つまり、旧船長のせいにすることで、当局は非難を免れると。

そのために奥さんにいい生活を提供することをちらつかせて、夫に罪を認めさせようとするんである。でも、夫たる旧船長は、そもそもその当局の責任を知っていながらも、それを船員には告げずに、漂流に至ったことは船長だった頃の自分の過失にあると思っている責任感の強い人なのだ。

コミュニケーションは大事ですね

で、彼が更迭されたことによって(更迭のきっかけとなる部下2人、奴らの適当な判断もムカつくが)あらたに派遣された船長は、お上の命令に従うタイプぽい。船員目線で一緒に働いていた旧船長とは異なり、船長としての威厳を前面に出してくるため高圧的で、力で船員を統率するものの、大局を動かす役目は担わず、自分で最終判断を下さずに当局の指示待ちをするだけなので、ただいたずらに漂流を続ける。それで船員らの反逆に合う。でもその頑固さを捨てずに職務を遂行するうちに、旧船長と協力して事にあたらざるを得なくなり、その結果、乗組員は窮地を逃れることになる。

部下たちは現状に対する不満やら不安やらでいろいろ策を考えてはいたものの、いきあたりばったりで、さほどいい策でもなかったみたい。だから、それらを実行しないでいた新船長にはそれなりの理由があったことがわかるし、この船長は部下たちとの関わり方がまずいのだと思わされる。

頑なになりすぎずに、みんなで協力して危機を脱する方法をはやく考えられていたら、この映画ももう少しはやく、劇終を迎えられただろう(笑)。

ボスだけでなく、二番手の能力も重要

あと、重要なのはボスを支える2番手だなぁと思わされた。この映画ではそれにあたるのは航海長。この人、新旧のいずれのボスに対しても反旗を企てるんだけども、自分が物事を判断する位置につくと、ろくなことができないボンクラであった。お前がもう少しボスに協力的ならよかったんではないかね。あと、こいつの相談に乗る、コーヒー? に砂糖入れすぎなハゲデブ。こいつも日和見野郎でぜんぜんダメ。

体制の移り変わりを描いた?

てなことで、最終的には南国チックな音楽がBGMで流れるハッピーエンド。新聞にゴルバチョフ書記長に触れた描写を見るに、時代が変わりつつあることを告げる内容のラストであった。なるほど、つまり船長が新旧2名登場するのには、そういう時代の変遷を比喩的に描いていたのかもしれんですね。

突っ込みどころ

超巨大氷山て…

にしても、超巨大氷山てほどデカイ氷山ではないし、崩落はするけども、ラストに申し訳程度にそういう描写があるだけ。もう少し、氷山が怖いものだってことを説明というか、鑑賞者にわかるように見せられなかったんだろうか。氷山は動くし、後からついてくるーーなんてことを大した解説もされずに描写されても、「ホラーかよ」と思っちゃいますよ。

船長の妻の描写いるのかな?

旧船長の妻は旧船長との離婚を考えていたらしい。で、冒頭のほうで仕事先の上司となんやかや意味ありげな言葉を交わしたり、KGBが現れてからは記者の仕事をしているらしいことがわかるけど、なんかよくわからん人でした。

いっぽう、新船長のほうは40過ぎて出産を控えた奥さんがいる。手術によって無事赤ちゃんは生まれるんだけども、このエピソードもわざわざ撮影してまで挿入する意味ってあったのだろうか。

どちらも無駄に謎めかせるような描写をしているように見えて、途中まで2人の女性が何を考えてて、何者なのかよくわからんかった。これらのシーンも省略しちまえば、もう少しはやく劇終を迎えられたのに(笑)。

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