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映画『タイム・オブ・ザ・ウルフ』世界を救うのは誰か ネタバレあり

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『タイム・オブ・ザ・ウルフ』

ミヒャエル・ハネケ監督の作品を久しぶりに見た。静かであまり激しい動きのない作品の中で、ハネケ監督は人の倫理観を揺さぶる、熱い挑発をかましてくる。ネタバレあります。 ―2003年 仏 独 墺 109分―

解説:『隠された記憶』の奇才、ミヒャエル・ハネケ監督が手掛けた初期作品集のシリーズ第6弾。危機的な災害が起き、ヨーロッパ中が水と食料不足に陥る。ジョルジュとアンナ夫婦は、わずかな貯えを持ち、子供を守るために田舎の別荘へと向かうのだが…。

監督・脚本:ミヒャエル・ハネケ
出演:イザベル・ユペール/ベアトリス・ダル

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ミヒャエル・ハネケはわからない

この監督の作品見たの、三作目。『隠された記憶』と『白いリボン』を見たことがある。前者はDVDを購入して鑑賞。わけがわからなかった(笑)。後者は劇場で鑑賞。映画館で初めて寝た(笑)。なので、さっぱり内容を覚えてない(ちなみにパンフレットは購入)。

ハネケ作品はレンタルだとなかなか見つからないので、全然見る機会がなかったけど、この作品に関しては、ようやく置いているところがあって借りたという。でもねー、どうしても見たかったかって聞かれると、そうでもないんです。だって、本当に見たいなら入手やレンタルする方法はいくらでもあるから。つまり、どうしても見たくはないけど、機会があれば見たいというような・・・。

ハネケは退屈です

以前見たののあやふやな記憶も踏まえて言うと、少なくとも俺が見たことのあるハネケ作品では、いつも子供が重要な役割を果たしているよね。そして、見た人の道徳心とか倫理観みたいのをえぐってきやがる感じがする。

でも、ハネケ作品はともかくわかりづらい。じっくり見てなきゃと思って構えていても、動的というよりは静的な内容だし、説明が少ないのに意味ありげなシーンは多い。そんな感じで俺の場合は、なかなか作品に没入できない。眠くなる。要は退屈なんです。あくまで俺の感想ですが、退屈です。

ハネケの作品は困る

こういう作品って本当に困るよね。見て意味がわかると、なんだか自分が頭よくなったような気がしてくるんだが、意味がわからないと腹が立ってくる(自分に対しても)。自分がバカ発見器にかけられているような感じがする。じゃあ何でもわかりやすくして、簡単に内容が理解できる作品だけがあればいいのかっていうと、そうも思わないわけで。

いずれにしても人の性格とか好みによって、対象となる作品を理解したり解釈したりする深度って変わるだろうから、そういう意味では、作品とその人との相性の問題ではあると思う。で、俺の場合はハネケ作品を見ると、わけわかりませんて感じで劇終を迎えるのだが、たまには気を張って構えながら映画を見るのも悪くないと思うのである。なんか、このブログで「気楽に見れるいい作品です」とか書いてることが何度かあったと思うけど、気楽に見れない作品にだって、いいものはたくさんあるのだ。

と、なんだかよくわからない言い訳みたいなことを延々書いてますので、そろそろ内容に触れます。

 

 

冒頭からショッキング、そりゃ反吐も出るわ

 

この作品、描かれる世界に何が起こり、どういう状況にあるかのか、詳細な説明はありません。でも、食糧や燃料が不足している状況なのはわかる。だから、世界の秩序が乱れ、人心も荒廃してきている。そういう世界で生きなければならなくなった、母と娘と息子の親子を描いています。

ともかく冒頭からショッキング。いきなりつらい場面で始まり、ラストまで些細なことも含めて、主人公たちの身の回りで嫌なことがたくさん起こります。

ハネケは静かに熱く挑発してくる

それにしても、ハネケは鑑賞者の倫理観や道徳心を煽ってきやがりますね。人間のクズっぷりをこれでもかってくらい見せてくれます。ありがとうございます。そして、「お前らも所詮、この程度の人間だろう?」と見るものを挑発してきます。静かな作品なのに、熱い挑発をかましてきます。

しかもこの作品では、子どもがだね、親も含めた大人たちのクズっぷりを目の当たりにせざるを得ないような状況に置かれているんですな。それなのに、大人たちは自分の子どもたちを守れない。酷い場合は、自分のことばっかりで子どもは放置しているんである。

大人を子どもが救う話

子どもたちはどうするか? 守ってくれない。頼りにできない。話すこともできない。そういう大人たちを前にして、どんどん内省的になるわけですな。でも、そんな子どもの中の1人が、自分の命と引き換えに、みんなを救おうとするんである。本当に救われるかどうかは別として、大真面目に救おうとするのである。

それを1人の大人が見つける。そんなことをしなくていいと止める。この大人は子どもにとっては見ず知らずの人なんだけど、なぜか子どものやろうとした行為の意味を、全て理解しているのだ。だから、ああいう言葉を子どもに言ってやれるのである。

母親にその役目をさせないところが、ハネケの恐ろしさであるような。でも、ここまで来たら、子どもを止めないラストもあっていいと思うんだが。自分の見た中では、まだ見やすい作品でした。それでもやっぱ、わけわからんわ(笑)。

てなことで、いずれは『セブンス・コンチネント』あたりを見たい。

最近の邦画は、倫理観煽ってくれちゃうやつ多いよね。例えば下の作品

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