フライト・クルー
主要人物たちがそれぞれ、お互いを認め合えずに反目しちゃっている感じなんだけども、危機的状況を脱するために力を合わせたことで、絆を強めつつ、それぞれが人間的に成長していく姿を描きたかったんだろうと思われた。恐らく。ネタバレあり
―2017年公開 露 123分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:2016年ロシアで興行成績1位のパニック・アクション。大噴火が起こった火山島に救助に向かったベテラン機長ジェチェンコと訓練生操縦士アレクセイ。2人は2機に分かれて乗客を避難させるが、離陸時にジェチェンコの機が損傷し、墜落は時間の問題だった。出演は、「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」のウラジミール・マシコフ、「ハードコア」のダニラ・コズロフスキー。製作は、「太陽に灼かれて」でアカデミー賞外国語映画賞、カンヌ映画祭審査賞を受賞した巨匠ニキータ・ミハルコフ。VFXは、「ナイト・ウォッチ/NOCHNOI DOZOR」「デイ・ウォッチ」のティムール・ベクマンベトフ率いるVFXチームが担当。未体験ゾーンの映画たち 2017で上映。(KINENOTE)
あらすじ:非常通報を受けたベテラン機長ジェチェンコ(ウラジミール・マシコフ)と訓練生の操縦士アレクセイ(ダニラ・コズロフスキー)の操縦する航空機は、被災した火山島へ乗客の救助へと向かう。着陸した島では大噴火が起こり、被災者たちはパニックとなっていた。噴火で溶岩流の波が滑走路にまで押し寄せ、航空機を飲み込んでいく。ジェチェンコとアレクセイは残った2機に分かれて離陸する。先行のジェチェンコの機は離陸時の衝撃で損傷を受けており、墜落は時間の問題となった。そこで2機は、荒れ狂う上空でワイヤーをつなぎ、搭乗者を移動避難させるという最後の賭けに出る。乗客、搭乗員たちの運命は、アレクセイの操縦に託される……。(KINENOTE)
監督:ニコレイ・レベデフ 出演:ウラジミール・マシコフ/ダニラ・コズロフスキー/アグネ・グルダイト/カテリーナ・シェピツァ/セルゲイ・カザロフ
なかなか楽しめるけど、もの足りなさもある
ロシア映画なんて久しぶり。本国ではなかなか売れた作品みたい。確かに、娯楽作品として楽しめる内容でした。航空パニックものではあるんだが、序盤はそういう雰囲気でもなくて、操縦士ドラマなんかなと思わせておきながら、やっぱり航空パニック系の内容になる。
最後まで飽きることなく観られるんだけど、今一つもの足りない感じもした。なんでだろうか。たぶん、この作品は主要人物が誰一人として死なないところに問題があるのかも。脇役的な人たちはそれなりに犠牲になるんだけども、主要人物たちは危機的状況に陥りはするものの、なんかそれほど緊迫したシーンがないままにラストを迎えるのである。
ラストまで犠牲者はモブキャラだけ
別に死ねばいいってもんじゃないんだけど、その点が、作品全体の悲壮感みたいのが漂わない原因ではあるまいか。脇役的立場の人たちにも、それなりの背景があって、申し訳程度には、人物的葛藤が描かれるんだけども、いかんせん、申し訳程度なので、あってもなくてもいいように感じた。そういう人たちも、別に犠牲になるわけではないし。
ということで、この作品で犠牲になるのは、まったく感情移入する余地もないモブキャラだけなのである。と考えると、この作品は主要人物たちがそれぞれ、お互いを認め合えずに反目しちゃっている感じなんだけども、危機的状況を脱するために力を合わせたことで、絆を強めつつ、それぞれが人間的に成長していく姿を描きたかったんだろう。恐らく。
にしても、飛んでいる飛行機同士の間で移動とか、マジでできるんだろうか。作中では「理論的には可能だ」ってことになってたけど。
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