瀑布
コロナ禍をきっかけに生活が一変した母娘の姿を描いたヒューマンドラマ。監督は『ひとつの太陽』のチョン・モンホン。ネタバレあり。
―2022年配信 台 129分―
あらすじ・スタッフとキャスト
あらすじ:COVID-19によるパンデミックが始まった直後の台北を舞台に、自宅隔離をきっかけにして大きな荒波に晒される母娘関係を描く。(シネマカフェ)
監督:チョン・モンホン
主演:アリッサ・チア/ワン・ジン/リー・リーレン
ネタバレ感想
ネットフリックスで配信されてたので鑑賞。娘の同級生がコロナで陽性になったため、自宅待機を余儀なくされることになった母娘。母はその自宅待機をきっかけに精神を病みはじめ、仕事を辞めることになってまう。
そもそも親子の関係がよろしくなく、母は愛人をつくって逃げた旦那にまだ未練があり、さらに仕事がなくなるわ、家賃を滞納してたりして、追い詰められていた。そうした日々の中で母は心を病んでいき、一時的に病院送りになって療養をすることに。
娘は家庭の危機に直面することで、母を献身的に支え、退院後も彼女の心の回復を支援する。その甲斐あってか母親は転職先のスーパーで新しい恋人になりそうな人と出会ったりするほか、生活レベルを落とすなどして暮らすことで、少しずつ安定していき、母娘の関係性も良好になっていくのであった。
台湾ではけっこう効果的にコロナを封じ込められてるように見えてたが、この作品を見ると、現地の人たちはそれなりに煽りを食って苦労している姿が見て取れる。後半のほうでマスクをしてるシーンがなくなっていくのは、それだけコロナの脅威が少なくなったからなのか、単に作品的にそういう描写をなくしたのかは、わからん。
まぁでも、この作品の大筋において、コロナは母が失職するきっかけとしての出来事という要素が強く、それ以上にこの母娘に大きな影響は与えてないように観えるので、コロナを話に絡めなくても成立したんじゃないかと思わなくもない。
それにしても、母娘がお互いに成長をしてそれなりに希望のあるラストを迎えるのかと思いきや、もう一難、川遊びに出かけた娘が、ダムの放流ミスによって流されていっちゃう展開には驚いた。一応、ラストでは彼女が助かったような描写があるんだけども、あの一連のシーンがこの物語にどのように意味を加えてるのかが、俺には読み取れんかった。
どっちかというと前作の『ひとつの太陽』のほうが重みを感じて個人的には好きだな。
この作品は、ネットフリックスで鑑賞できます。
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