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映画 モンガに散る ネタバレ感想 台北の青春友情ヤクザバイオレンス作品

モンガに散る
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モンガに散る

―2010年公開 台 141分―

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解説とあらすじ・スタッフとキャスト

解説:1980年代、黒社会の抗争が絶えない台北一の繁華街モンガを舞台に、極道の世界に染まっていく若者たちの友情と絆を描く人間ドラマ。監督は「ビバ!監督人生!!」のニウ・チェンザー。出演は「ウエスト・ゲートNo.6」のイーサン・ルアン、「九月に降る風」のリディアン・ヴォーンなど。(KINENOTE)

あらすじ:1986年。台北一の繁華街モンガは商業地区として繁栄していたが、その裏では多くの極道組織が縄張り争いを繰り広げ、抗争の絶えない街であった。そんなある日、モンガに引っ越してきた高校生のモスキート(マーク・チャオ)は、転校初日に些細なことからクラスの不良グループに因縁をつけられる。放課後、モスキートは待ち伏せしていた不良グループに追いかけられるが、その様子を偶然、校内勢力を仕切っているドラゴン(リディアン・ヴォーン)が目撃、たった一人で不良グループに対峙するモスキートを気に入ったドラゴンは、彼を仲間に迎え入れる。ドラゴンは、モンガでいちばんの権力を握る極道組織の親分の一人息子であった。そんな極道の世界に戸惑いつつも、モスキートは生まれて初めて出来た友達とモンガの街で喧嘩に明け暮れる。幼い頃から一目置かれるドラゴンと、彼の幼馴染で頭の切れる影のリーダー、モンク(イーサン・ルアン)、お調子者のアペイ、腕っ節の強い白ザル、そしてモスキートの5人はいつしか義兄弟の契りを交わし、固い絆で結ばれていった。そんな中、街の利権を狙う新たな勢力がモンガに乗り込んでくる。それをきっかけに、激しい抗争と陰謀に巻き込まれたモスキートたち5人は、それぞれの想いを抱えながら、モンガの街を守ろうと戦いを続けるが……。(KINENOTE)

監督:ニウ・チェンザー
出演:イーサン・ルアン/マーク・チャオ/マー・ルーロン/リディアン・ボーン/クー・ジャーヤン

ネタバレ感想

この映画はかなり好きで、公開当時に劇場で観てパンフレットも購入。その後もこうやって年に1度は鑑賞している。

80年代の台湾で暮らす若者たちの青春友情ドラマ的内容。彼らはみんな出自にいろいろの事情があって、不良となり、ヤクザ者として暮らすことになる。なるべくしてなったという感もあるが、その人生が輝いているのはわずかな間で、若くして血みどろの闘争の渦中に入っていき、それぞれが幸福とは言えぬ結末を迎える。

というハードな内容なんだけど、そうであるだけに、前半、モスキートがドラゴンとモンク、白ザル、アペイと友人となり青春を謳歌するくだりがとてもいいのだ。その短い幸福な時期を経て、学校を卒業した彼らは山にこもり、ヤクザ修業を終えて直後からは、そのキラキラした人生に暗雲が立ち込めてくる。

台北のヤクザ組織の大きな派閥であるドラゴンの親父、ゲタ親分の組織と、ゲタの兄弟分であるマサ親分の両組織は、中国大陸の巨大組織に目を付けられ、その組織から派遣されてきたウルフと会談を設けることになる。

縄張りであるモンガの繁華街で古臭いヤクザ稼業を続けようとするゲタ親分であるが、大陸の組織は新しい時代の金儲け術をモンガに持ち込みたい。それを拒否することによってゲタ親分はいろいろあって命を落とすことになる。

その暗殺事件に絡んでいるのがモンク。この物語の主人公はモスキートというよりはモンクではないかと思われるほどに、彼はその出自と現状に複雑なものを抱えており、その葛藤も手に取るようによくわかる。

彼は、ゲタ親父のせいで片手を失い、ヤクザ稼業からドロップアウトすることになった自分の父親が被った不条理に憤っており、加えて、ドラゴンの失態をかばったときに、自身もゲタ親分から死ぬほどボコられていることもあるので、ゲタ親分を殺したい気持ちがあるのだ。

いっぽうで、彼は幼馴染のドラゴンと親友であり、義兄弟の契りも交わしているので、彼の親父であるゲタを殺すことに後ろめたさがないわけではない。しかし、マサ親分の部下で、ウルフと知り合いの、かつ自身の従兄でもあるブンケアンにモンガのヤクザが生き残るための展望を聞かされて、気持ちが傾く。

なぜなら、彼はモンガを守りたいからだ。そして、彼にとってモンガを守るというのは、ドラゴンを守るということなのである。ゲタ親分の旧態依然としたヤクザ稼業では、ドラゴンが跡目を継いだ時に、苦労するだろう。モンクにとって大事なのはまずはゲタ親分ではなくドラゴン。だからこそ、ゲタ親分殺しなのである。

てなことで、この作品は、後半以降はモンクが愛するドラゴンのために奔走するものの、その行為が誰にも理解されず、モスキートはおろか、ドラゴンからも見放されることになり、しかもしかも、愛するドラゴンに刺殺されてまうという青春ヤクザ・ゲイ物語になっていくのである。モンクはドラゴンにキュンキュンでメロメロなのである。

モンクはドラゴンの彼女に嫉妬しているし、そもそも女性に興味がない。なぜなら、幼馴染のドラゴンが好きだからだ。モンクは彼のためなら何でもできるのだ。であるから、ドラゴンの手を汚さないように、自分が代わりにドッグを拷問するし、図らずも殺してしまうことになる。その件が明るみになってゲタ親分にドラゴンらとともに叱責を受けた際には、ドラゴンをかばってみせる。んで、重症を負う。

ドラ息子で親の七光りとしての力しかもたないドラゴンには、モンクのそうした行為が理解できない。であるから彼が自分の親父殺しの犯人であったことを知り、単なる恨みの対象になるのである。

それにしても、ドラゴンの初登場時の貫禄から言うと、ラストのほうの彼にはガッカリせざるを得ない。あまりにもヘタレすぎて、単なるボンボン。マジで、単なる親の七光り野郎でしかない。

主人公であるモスキートは、モンクらに誘われて友だちになったことで、極道者の世界に足を踏みいれることになり、おそらくラストでは死んだのではないかと思われる。しかし、彼は単に友だちが欲しかったのであり、ヤクザ者に憧れていたわけではない。最初の出会いから5人で壁を越えるシーン。あの瞬間にモスキートは一度、壁の後ろの世界を振り返る。おそらく、多少の後ろ髪をひかれる思いがあったのだろう。

モスキートは単に、友情に熱く、親父のように慕っていたゲタのために動きたい人間なのだ。そういう意味では、漫画の主人公的な単純さ。わかりやすい人間であり、であるからこそ、ある意味ヤクザの鉄砲玉的存在だ。

アペイはどこにでもいそうな世渡りのうまいタイプと言えるだろう。本作の後も、普通に生き残り続けると思われる。

一番悲惨なのが、白ザルである。彼はゲタ親分殺しの濡れ衣を着せられ、しかも再起不能である。覚悟を持って行動したのに、一瞬で返り討ちにあってるし、本当に気の毒。

いずれにしても、若者の青春の輝きとその陰りをうまく表現した名作。以前、台北を旅行したときに、ゲタ親分の家がロケ地として開放されてて、観に行ったことがある。別に何の感慨もわかなかったのは、俺が作品の聖地巡礼にさほど興味がないからではあるが、それでも見ておいてよかったな。

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