インフィニット 無限の記憶
マークウォルバーグ主演のSFアクション。前世の記憶を持って転生を繰り返す人類がいて、世界を滅ぼしたい側と救いたい側に分かれて戦いを繰り広げるという、設定などは面白いけどなんか物足りないアントワーン・フークア監督作品。ネタバレあり。
―2021年配信 米 106分―
あらすじ・スタッフとキャスト
あらすじ:エヴァン・マッコーリーは学んだことのないスキルや訪れたことのない場所の記憶を持っていた。自己流で服薬しノイローゼ気味になったエヴァンの前に“インフィニット”と名乗る秘密組織が現れ、彼の記憶は本物だと明かす。(amazon)
監督:アントワーン フークア
出演:マーク ウォールバーグ/キウェテル イジョフォー/ソフィー クックソン/トビー ジョーンズ
ネタバレ感想
適当すぎるあらすじ
人類の中には前世の記憶を引き継いで姿を変えつつも生き続けている特別な奴らがいて、そいつらの中の一人、バサーストが、永遠に死なない自分が嫌になって自分も含め人類を滅ぼしちゃおうとする(多分)。
んで、バサースト率いる悪の集団に対抗する組織があって、その中の一人であるトレッドウェイが、バサーストの開発した人類滅ぼし装置の起動部分(エッグ)を奪取するものの死亡。転生したのちにエヴァンと名乗る男になっていた(マークウォルバーグ)。
トレッドウェイの仲間だった組織の奴らはエヴァンを見つけ出し、彼の記憶を呼び戻す。そして、バサーストたちと人類存亡をかけて、エッグの争奪戦を繰り広げるのであったーーというのが適当すぎるあらすじ。
アクションは悪くない
アマゾンプライムで見つけて鑑賞。2020年にアメリカで公開予定だったそうだが、コロナのせいで公開が延期され、最終的には配信のみに落ち着いちゃった不遇な作品みたい。
ド派手なカーアクションや戦闘描写があるので、劇場で観てればもう少し印象も違ったかなと思わぬでもないが、ストーリー的には物足りない感じ。
冒頭のカーアクションや前世の記憶にまつわる謎めいた展開、それに振り回されるエヴァンなど、序盤はけっこう期待を持たせてくれる。でも、エヴァンがトレッドウェイの記憶を取り戻してからは、単なるアクション作品になってしまっている。それなりに楽しめはするんだが。
もう少し、前世の記憶にからめて、バサーストたちとの因縁を深く描いてくれたほうが面白かったように思うんだけど、尺の問題だろうか。
日本刀が強い武器として出てきたり、なぜか日本語のセリフがあったりするんだけども、エヴァンの生まれ変わる先はインドネシアで、その土地になぜか真剣で戦う格闘技みたいなのがあるのはなぜなのか。
アンコールワットはいいです
あと、エヴァンをサポートしてた女性とその恋人が、来世で出会う場所がなぜアンコールワットなのか。アンコールワットが建造された当初は、ヒンドゥー教の寺院であったことに絡めたってことかな? 仮にそうだとしたら、なんでこの2人だけにとっての原点の場所なのか。そこは説明がない。
全然関係ないけど、俺はカンボジアのシェムリアップという街を拠点に、アンコールワット周辺を何泊か使って観光したことがある。見学するにはとても楽しい遺跡だし、ついでにシェムリアップもご飯がおいしいし、キレイででっかいホテルに安く泊まれたので、非常にいい思い出。
細部が適当に感じる
閑話休題。そのほかにも適当さを感じるところはある。例えばバサーストは自分が輪廻を繰り返すのが嫌なのはいいとして、なんで人類を滅ぼす必要があるんかね。自分だけ滅ぼせばいいじゃん。
なんか、物語の途中で彼が、人類の糞さ加減について愚痴を言うところがあるので、あれが理由の一つなんだろうけど、それよりも自分の存在が消えることのほうを強く望んでいたように感じちゃったなぁ。エヴァンの仲間たちの魂をチップに閉じ込めてたけども、あれを自分にやっちゃえば死んだも同然なわけなんだから、自分もその状態になれば万事オーケーなんではなかろうか。
などなど、いろいろな部分で細部が気になっちゃうし、物語としても尻すぼみに感じる作品でした。アクション部分はフークア監督だからか、悪くないんだけどな。
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