リプレイスメント・キラー
チャイニーズマフィアに雇われていた殺し屋が、ある依頼をきっかけに組織に背いたことで、命を狙われ出すアクション作品。ネタバレあり。
―1998年公開 米 87分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:非情な組織に背いた殺し屋の死闘をスタイリッシュなタッチで描いたアクション。「男たちの挽歌」シリーズなど香港ノワールはじめ、亜州影帝と呼ばれた香港のトップスター、チョウ・ユンファのハリウッド主演第1作。94年の「大陸英雄伝」以来4年をへて、満を持しての銀幕復帰となる。監督はMTVの俊英アントン・フークァ。脚本は新鋭のケン・サンツェル。製作総指揮はチョウ・ユンファの盟友で本作の企画実現の立役者である「フェイス/オフ」のジョン・ウーと、彼のパートナーのテレンス・チャン、クリストファー・ゴシック、マシュー・ベアーの共同。製作はブラッド・グレイとバーニー・ブリルスタイン。撮影は「バッドボーイズ」のピーター・リオンズ・コリスター。音楽はスコアをバリー・グレッグソン・ウィリアムス、音楽総指揮をラルフ・サルがそれぞれ担当。美術は「フィーリング・ミネソタ」のナオミ・ショワーン。編集は「アルビノ・アリゲーター」のジェイ・キャシディ。共演は「ミミック」のミラ・ソルヴィーノ、「シャドウビルダー」のマイケル・ルーカー、チョウ・ユンファとは「男たちの挽歌」シリーズで共演作しているケネス・ツァン、「イングリッシュ・ペイシェント」のユルゲン・プロホノフほか。(KIENNOTE)
あらすじ:殺し屋ジョン・リー(チョウ・ユンファ)は、自分の息子を手にかけた刑事ジーコフ(マイケル・ルーカー)への復讐のため、彼の息子を殺せという、チャイニーズ・マフィアのドン、ミスター・ウェイ(ケネス・ツァン)の命令に背いた。彼は人質にされている家族の身を守るため国外脱出を図り、偽造屋のメグ・コヴァーン(ミラ・ソルヴィーノ)を尋ねるが、組織がそこを急襲。逃れたジョンは脱出の唯一の切り札としてメグをつかまえ、協力を要請。はじめは協力を拒んだメグも、家族の命を守るためだけに生きようとするジョンの一徹な生きざまにひかれた。そうこうするうちにもウェイは右腕のコーガン(ユルゲン・プロホノフ)に命じて、手段を選ばぬ新手のふたり組の殺し屋リカー(チル・シュエイガー)とコリンズ(ダニー・トレオ)を繰り出し、ジョンの大切な友人の僧侶までをも惨殺してふたりの抹殺を図る。同時に組織はジーコフの息子を再度殺そうと図っていた。敵とあれば当事者だけでなく家族の命をも冷然と奪う組織と完全に訣別すべく、ジョンはジーコフと息子を救出に向かう。かくして、ジョンは組織の本拠地に乗り込み、死闘の末ウェイを倒すのだった。(KINENOTE)
監督:アントワン・フークア
エグゼクティブプロデューサー:ジョン・ウー
出演:チョウ・ユンファ/ミラ・ソルヴィーノ/マイケル・ルーカー/ケネス・ツァン
ネタバレ感想
監督がアントワン・フークアだった
チョウ・ユンファのハリウッド進出第一弾の作品。久しぶりに鑑賞したらそこそこ楽しめた。監督が今では有名なアントワン・フークアだったことに驚き。彼っぽさというよりは、製作に絡んでいるジョン・ウーのテイストが濃いのは、フークアがまだ駆け出し監督だった頃の作品だからだろうか。
でも内容はジョンウー作品
序盤、ジョン(チョウ・ユンファ)がギャングを殺すシーンなどは、ジョン・ウー監督の名作『男たちの挽歌』でチョウ・ユンファ扮するマークが、風林会館で行う銃撃シーンに似ていなくもない。そのほかにも、台車に乗って移動するアクションとか、二丁拳銃で戦うシーンとかなんかは、まさにジョン・ウー的な演出で、俺は今回久しぶりに鑑賞するまで、この作品はジョン・ウーが監督したものだと思っていたくらいだ。
ジョンとお姉ちゃんの間に濃厚なロマンスはない
てなことで、組織の命令に背いたジョンが、ジーコフ刑事に代わって組織のボスの討伐を身代わりするお話--だからこういうタイトルがついているんだと思われる。
最初は中国に残した家族を助けるために早く帰りたがっているジョンだが、偽造屋のおねぇちゃん巻き込んじゃうし、助けてくれてた仲間や坊さんが殺されちゃうし、早く故郷に帰らないと家族が危ういのわかってるんだけども、ボスを殺しちゃったほうが早いんじゃないかと思ったのか、成り行きでなのか、ともかく、ジョンは偽造屋のお姉ちゃんの力を借りつつ、組織そのものを壊滅させる流れになっていく。
その合間にジョンとお姉ちゃんのロマンスを入れるのかなと思いきや、つかず離れずで、さほど濃密な関係になるわけでもない。この辺が中途半端である。ラストも普通に別れちゃってるし。ジョンが妻帯者であるから仕方ないんだけども、普通のハリウッドアクションだったらこの2人は男女の仲になるはず。
前にもなんかの記事で書いたけど、アジア人と白人の異性同士が一蓮托生するアクション作品だと、二人はキスすらしないのである。何でなんですかね。差別かしら。
ダニートレホも出てるよ!
ちなみに、組織のボスであるウェン(ケネス・ツァン)がジョンを抹殺するために雇った殺し屋の一人を演じていたのは、ダニー・トレホであった。何度か鑑賞したことあるのに、今回初めて気が付いた。
ついでだけど、チョウ・ユンファってハリウッドでどんくらい活躍したのだろうかって考えてみたけど、たぶんイマイチだったんだろうなと思われる。『アンナと王様』とかいう作品でジョディ・フォスターと共演しているみたいだが、俺は未見。彼をハリウッド映画で見かけたのは、糞映画の『バレットモンク』くらいかな。あと、『パイレーツオブカリビアン』の3作目くらいに出ていた。他はよく知らん。
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