マリグナント 狂暴な悪夢
―2021年公開 米 111分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:「ソウ」「死霊館」シリーズのジェームズ・ワンが贈る完全オリジナルストーリーのホラー。漆黒の殺人鬼による“悪夢体験”に苛まれるマディソン。その夢の中の殺人が現実世界でも発生し、やがてマディソンは自分の秘められた過去に導かれていくが……。出演は「コンティニュー」「アナベル 死霊館の人形」のアナベル・ウォーリス。(KINENOTE)
あらすじ:マディソン(アナベル・ウォーリス)はある日を境に、目の前で恐ろしい殺人を目撃する“悪夢体験”に苛まれ始める。予測不能な素早い動きと超人的能力で人々を殺害していく漆黒の殺人鬼。しかも、彼女が夢の中で見た殺人の数々は、現実世界でも発生。殺人が起きる度、リアルな幻覚のように殺人現場を疑似体験し、少しずつ自身の秘められた過去に導かれていくマディソン。そして、ついにその邪悪な手が彼女に伸びる時、その“狂暴な悪夢”の正体=Gが明らかに……。(KINENOTE)
監督:ジェームズ・ワン
出演:アナベル・ウォーリス/マディー・ハッソン/ジョージ・ヤング/マイコール・ブリアナ・ホワイト
ネタバレ感想
ジェームズワン監督作
2021年になかなか評価が高かったホラー映画。劇場にはいかなかったのでレンタルで鑑賞。ジェームズワン監督ってけっこう人気な人だが、俺が見たことある彼のホラー作品は『ソウ』の一作目と『死霊館エンフィールド事件』くらい。
後者は劇場で鑑賞してかなり面白かった思い出がある。ーーがその他はそんなに観たことなかったんで、今作は彼のホラーとしては3本目。
で、率直な感想としていうと、突っ込みどころはありつつ楽しめた。そういう意味ではB級ホラーとしていい作品だなと思う。昔だったら地上波で何回も放映されそう。
ガブリエルがグロキモい。そして強い
まず、作中の大仰な音楽がいい。あとはホラーでありながらところどころクスっとさせてくれるシーンがあるのもよいね。例えば、ガブリエルに警察署が襲われるんだが、そこの鑑識かなんかの女の子が警察が襲われてるのに警察に電話しちゃうところとかね。
で、このガブリエルってのが今作の怪物なんだけども、心霊とも思わせるし、実体を持つ悪魔とも思わせるし、電気の化け物とも思わせておきながら、主人公のマディソンに寄生している双生児の成れの果てだったという。その姿はグロキモい。
ガブリエルはマディソンの背中側に寄生してて、彼女と脳みそを共有してたんだが、冒頭の博士の手術により悪性腫瘍あつかいされて、体を切り離され、脳みそはマディソンの頭蓋に埋め込まれて封じ込められちゃうという。
ところが、マディソンのDV夫が彼女に乱暴して頭にけがをさせたことで、よみがえっちゃうのである。なんとも手術が適当な感じで、そんなことあるかよと思わせるんだが、まぁその辺の荒唐無稽さは不問にしておくしかない(笑)。
ついでに言えば、ガブリエルは結構な格闘術の持ち主で、終盤に警察署で孤軍奮闘の大殺戮をするのであるが、ここはホラーでなくて、もはやアクション。それにしても、なんであんな強いんだろうね。格闘術もすごいし、銃撃たれてるのによけちゃうし、なんであんなに怪力なのか。
それなのに、中盤くらいで刑事と戦うときは、刑事のほうがそこそこ戦えちゃうってのはどうなんだろうか。
それにしても、あの警察署のシーンは『ターミネーター』を思わせる無双ぶでなかなかおもしろい。電気使えるくせに、それを利用した技を駆使しないのはなんでなのかようわからんが。
しかし、警察はかなり無能でありますな、この作品。だって、結局殺しをしてる肉体はマディソンなわけなんで、裏表逆になってたって、殺害現場に彼女の証拠はそれなりに残りそうなもんだから。
あと、マディソンの義理の妹が序盤の病院施設に訪れて過去の記録を調べるんだけども、あれって警察がするべき仕事じゃないかね。
まぁでも、続編が出そうな感じもした終わり方であったが、続編にしたらどういう作品になるだろうか。あと、マディソンは自分がやったことではないとはいえ、けっこうな人を殺しちゃってるわけで、その後、どうなっちゃうんだろうか。ハッピーな日々は送れなそうだが。
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