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映画 透明人間 ネタバレ感想 結末は何通りか解釈できる

透明人間
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透明人間

―2020年公開 米 126分―

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解説とあらすじ・スタッフとキャスト

解説:「ソウ」シリーズのL・ワネルが製作総指揮、監督、脚本を手掛けたサイコ・サスペンス。富豪の科学者エイドリアンに束縛された生活を送るセシリアは、彼の豪邸から脱出する。悲嘆したエイドリアンは自殺するが、セシリアは見えない何かに襲われるようになる。出演は、ドラマ『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』のエリザベス・モス。(KINENOTE)

あらすじ:富豪で天才科学者のエイドリアンによって束縛された生活を送るセシリア(エリザベス・モス)は、ある真夜中、計画的に彼の豪邸から脱出する。エイドリアンは深い悲しみから手首を切って自殺し、莫大な財産の一部を彼女に遺すが、セシリアは彼の死を疑う。偶然とは思えない不可解な出来事が重なり、セシリアの命を脅かすようになる。“見えない何か”に襲われていることを証明しようとするが、徐々に正気を失っていく……。(KINENOTE)

監督・脚本・原案:リー・ワネル
出演:エリザベス・モス/イドリス・ホッジ/ストーム・レイド

ネタバレ感想

透明人間はいるのか。セシリアの妄想か

2020年にけっこう評判良かったけど劇場に行けなかったので、レンタルで鑑賞。これは面白いです。おどろおどろしい音楽で緊迫感を出すシーンも多いので、劇場でみたほうがさらに楽しめたかもしれない。

とはいえそれは後の祭りなので、作品の感想を続けると、まず、細部について変だなぁというか、突っ込みたい部分もかなりたくさんある。その気になる点については後で言及するとして、繰り返しになるが面白い作品なので、1回は観る価値はあるだろうということだ。

まずはこの作品、旦那のエイドリアンからDVされてたらしい主人公のセシリアが彼との生活から逃げ出すところから始まり、友人の刑事の家に住まわせてもらうことになる。で、逃げたと思ったらエイドリアンの兄だか弟だか忘れたけど、トムって奴から連絡があり、エイドリアンが自殺したことを告げられ、セシリアに遺産相続の話が降ってわいてくる。

しかし、セシリアはエイドリアンが本当に死んだとは信じられない。何か、見られている気がするのだ。でも、妹や刑事はそれを信じてくれない。それは無理もないわな。ふつうなら透明人間がいるなんて思わないから。

ということで、この作品は中盤くらいまで、セシリアが透明人間になったエイドリアンに嫌がらせを受けているんだけど、それを誰にも信じてもらえないため、セシリアの頭がおかしくなっているんではないかという状況を、鑑賞者にこれでもかと刷り込んでくる。

そして、画面をあえて引きの状況で映し出すことで、その空間に透明人間の存在を示唆し続けてくるから、余計に透明人間がいるような気もしてくるので、本当に透明人間はいるのか、それともセシリアの妄想なのかーーどっちなんだよ! と思わせるスリリングなサスペンスになってる。

透明人間はいた。そして真犯人は?

そして、中盤以降、刑事の娘がいきなり何者かにぶん殴られちゃうことで、透明人間が可視化されていくようになり、物語が別の方向に動き出す。要するに、エイドリアンと思われる人間が透明人間としてセシリアに嫌がらせをしていて、その、誰からも理解してもらえない状況をセシリアがどう打開していくのかーーという話になっていくのだ。

ここからセシリアは孤立無援状態になって刑事親子からも見放されてしまうし、妹も公衆の面前で殺されてしまうし、そのせいで殺人の容疑者兼、精神異常者として病院送りになってまうのだ。では、そこをどう打開していくかというと、彼女はエイドリアンの彼女に対するストーカー的執念深い性質を利用して、自殺を図ることで透明人間を自分以外の目にも客観視できるようにするのだ。

最終的に、セシリアは透明人間スーツを自ら身にまとうことで、エイドリアンを殺害するのである。妹が殺されたときと同じようなやり方で。

俺はこのラストを見たとき、真犯人はセシリアで、一連の事件を操っていたのはこの女だったのかーーと直感した。直感したんだけど、それを裏付ける材料がラストの中にしかなくて、結局何だったんだ? と混乱してしまったのである。

ということで、後からいろいろ考えてみると、この作品の結末には大きく分けて3通りの解釈ができそうだということだ。

セシリアが真犯人

まずは俺が直感したというセシリア真犯人というもの。これは、彼女がどの時点から画策したのかわからんが、セシリアとトムも亡きものにし、愛犬も取り戻し、相続もいただいてしまおうと画策し、彼女がすべての人をコントロールしていたというものだ。

その説を採用できるか考える。この作品では、彼女が直接エイドリアンにDVを受けていたというシーンは出てこない。冒頭、彼女はいきなり屋敷を脱出するからだ。でも、本当にDVを受けていたなら、あれだけ監視カメラのある家で、彼女もそれの使い方を知っているんだから、映像に残そうと思えば残せるわけで、エイドリアンに対して法的対処をすればよかったのに、彼女はそれをせずに逃げ出したーーという風に解釈するなら、彼女の訴えは狂言だったと取れなくもない。

ないんだけど、それには無理がある。なぜなら、それだと透明人間騒動の意味がわからなくなるから。どうエイドリアンやトムをコントロールしたらそんなことができるのかもよくわからない。仮に、トムとセシリアが共同で遺産をいただくという計画だったら、うまくいったかもしれない。セシリアがトムを射殺することになったシーンも、彼女がトムをだましていたのだと考えれば合点がいくーー。いくんだけども、それだとすると、トムとセシリアが相続をあきらめてエイドリアンとの生活を再開しろという選択肢を与えるシーンの意味がわからなくなってくる。

真犯人はトム

ということで、俺の直感として思ったことは採用するにはかなり無理があるんだけど、2つ目の、真犯人トム説はどうか。この場合、エイドリアンもトムに操られていたーーということになるんだが、それはなさそうだというのが俺の感想。根拠はない。これも直感だ。単に、普通に物語を追っていて、残りの尺が30分くらいあるのに、セシリアが透明人間を射殺したときに、こいつはエイドリアンじゃないーーと思ったから。だとしたらトムだろうと思ってたら、実際にそうだった。

意外なのは、ここからは警察がトム=真犯人として事件を片付けようとするところ。エイドリアンは自宅の地下に監禁されていたからーーというのがその根拠のようだったが、俺はセシリアの言っていた、「エイドリアンはそれすら計算して動ける人間」という見方に、いかにも、と思っていたし、まさかトム真犯人説で物語が落ち着くなんて思ってなかったので、だからこそ余計にラストの展開に混乱してしまったのである。

俺個人の予想でいうと、エイドリアン真犯人説で物語が終わると勝手に思い込んでいたので、トムが真犯人とされては落ち着いて生活できないセシリアが、それを証明するために独自の動きを開始することには何の違和感もなかった。であるから、セシリアがエイドリアンを殺してしまうことの意味がわからなかったのである。

真犯人はエイドリアン

ということで、エイドリアン真犯人説を前提とすると、セシリアにとっては、自分が狂っているのかそうでないのかを証明するには、エイドリアンに真実を語らせる必要がある。ところが、ラストの展開でもエイドリアンはトムに操られていたのだという自説を曲げることはない。

セシリアとしては、刑事に会話を聞いてもらっているので、エイドリアンを「私がすべて考えてやったことだ」と言わせるような言葉を引き出させなきゃいけないし、俺はどうやってその言葉を言わせるのかと思っていたのに、彼女はトイレで気持ちを固めたのちに、エイドリアンの言葉を待たずに殺害「サプライズ」しちゃうのである。このときに俺は、混乱した。

なぜなら、エイドリアンの口から自分の計画だと証明させずに、彼を殺してしまったら、彼女にとって真の解決にはならないと思ったからだ。しかし、彼女はそれをしてしまう。そして、すがすがしい顔をして、屋敷を立ち去っていくのだ。

その表情をみたら、「こいつ、最初から全部これを狙ってやってたんじゃないか」疑らざるを得ない。実際、刑事も腑に落ちない表情をしている。まぁこの刑事も娘の学費払ってもらってるから、彼女に遺産相続してもらわないと困るんだよね。

いずれにせよ、誰が真犯人だろうと、セシリアが透明人間にみせかけてエイドリアンを殺害したことは、今となっては殺人の容疑を免れることはできないではないかというのがある。

だって、すでに透明になるスーツの存在は知られているんだから、エイドリアンを殺した以上、セシリアに容疑がかからざるをえないではないか。この点の説明がないので、セシリアの最後の行為の意味が、俺にはよくわからんのである。

ということで、真犯人が誰なのかを考えたら、さっぱりわけがわからなくなって、せっかく楽しく見られたのに、考えないほうがよかったなと思ってきたくらいだ(笑)。

突っ込みどころ

ということでこの辺で真犯人について考えるのは止めにしといて、冒頭に書いた、満載の突っ込みどころについて。まず、セシリアは最終的に犬のゼウスを連れ出すことに成功するわけだが、最初の時点から何とかしてやれよと思わなくもない。その後、最初の進入時も犬は連れて帰れるだろ。

あと、刑事の娘をなぐったことになってしまったシーン(そもそもこの殴られシーンでセシリアのせいになることの意味がよくわからんが)。なぜか刑事と娘が自分の家を出ていき、セシリアは彼の家で透明人間と対決することになるんだが、オイオイオイオイ。

と思いました。出てくべきなのはおまんだろ! 刑事も刑事で、なんでおまえが外に出ていくんだよ! しかもその後、あろうことか、透明人間の存在を知るために、人の家の床にコーヒーの粉をまき散らすとか、お前少しは遠慮しろよ。

遠慮しろと言えば、エイドリアンの家に戻ってスーツの存在を知り、それを隠すまでの一連のシーンがあるが、まずはあの時に犬を連れて行かないことの意味がわからないことは触れた。しかも、それだけではないのである、セシリアはまず、近所の通りがかりの人(?)に、この屋敷までかなり遠いといわれているのにつれていってもらっている。

しかも、家についてからも、「2分かもしれないし、20分になるかもしれないけど、ここで待ってて」とか抜かすのである。何様なんだよ。従っちゃう奴もどういう意図なのか意味がわからんけど。

とか、いろいろ考えるとセシリアって非常に厚かましい自分本位の人間なんじゃないかと思わせられるのだ。であるから、彼女が一番腹黒い奴だったっていう解釈もなかなか捨てがたいなぁなんて感じてきて、俺にとっては結局、どっちもどっちのイカれた夫婦の話だったのかもしれんなぁなんて思うのである。

まぁともかく、話の展開を単純に追うだけでも楽しめるので、おすすめです。

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