ディパーテッド
香港映画の傑作、『インファナル・アフェア』のリメイク作品。大筋は変わらないものの、細部はいろいろと変更されている。香港とボストンでは犯罪組織のあり方も違うだろうから、変更は当たり前なんだけど。ネタバレあり。
―2007年公開 米 152分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:香港映画「インファナル・アフェア」をハリウッドでリメイクした犯罪ドラマ。警察に潜入したマフィアと、マフィアに潜入した覆面捜査官、対照的な立場にある2人の男の運命を描く。出演は「アビエイター」のレオナルド・ディカプリオと「ボーン・スプレマシー」のマット・デイモン。2006年アカデミー賞で作品賞、監督賞、脚色賞、編集賞の4部門を受賞。(KINNOETE)
あらすじ:貧困と犯罪が渦巻く都市ボストン。犯罪者の一族に生まれ、自らの生い立ちと訣別するために警察官を志したビリー・コスティガン(レオナルド・ディカプリオ)。ボストン南部一帯を牛耳るマフィアのボス、コステロ(ジャック・ニコルソン)に育てられ、“内通者”として警察に送り込まれたコリン・サリバン(マット・デイモン)。同じ警察学校に学び優秀な成績を収めた二人は、お互いの存在を知らないまま、それぞれの道を歩き出す。コリンが配属されたのは、エラービー警部率いるエリート集団「SIU」。マフィア撲滅の最前線に立ち、有能な警察官を装いながら警察の動きをコステロに逐一知らせるコリン。一方、ビリーに命じられたのはマフィアへの極秘潜入捜査だった。その任務を知る者は、クイーナン警部(マーティン・シーン)とディグナム刑事(マーク・ウォールバーグ)のみ。コステロのもとへ身を寄せたビリーは危険と背中合わせの日々で、カウンセリングで出会った精神科医のマドリンといる時だけ、心が安らぐ。しかし彼女は、コリンの恋人だった。やがてマフィアと警察の双方でスパイ探しが始まり、二人は次第に窮地に追いつめられる。クイーナン警部がコステロの部下に殺され、遺された携帯電話からコリンはビリーに接触。協力してコステロ一味を壊滅するが、ビリーはコリンこそがマフィアの内通者であったことを知る。自分の正体がビリーにばれたことを悟ったコリンは、警察のコンピュータからビリーのデータを抹消。だがビリーは、コステロがコリンとの会話を録音していたCDを使ってコリンを呼び出し、自分の身分を回復するよう迫る。観念したコリンだが、そこへもう一人のマフィアから警察への潜入者だった同僚が現れ、ビリーを射殺。コリンはその潜入者も殺し、自由の身となる。しかしコリンの正体を知ったマドリンは彼の元を離れ、やはりコリンがスパイと気づいたディグナムは帰宅した彼を待ち構え、射殺するのだった。(KINENOTE)
監督:マーティン・スコセッシ
出演:レオナルド・ディカプリオ/マット・デイモン/ジャック・ニコルソン/マーク・ウォルバーグ/マーティン・シーン/アレック・ボールドウィン
ネタバレ感想
今作を鑑賞をしたのはオリジナルのシリーズを3作一気に鑑賞した勢いで、せっかくだからリメイク作品も改めて見直したいと思ったから。オリジナルは何度も繰り返して観ていた反面、本作は一回観ただけだったので、実はぜんぜん内容覚えてなかったんだけども、「さすが、マーティン・スコセッシ監督」と思える内容に仕上がっている。
個人的にはディカプリオの演技がもっとも良いと思った。彼の役どころは潜入捜査官で、自分が警官だとバレたら殺されちまうから、ともかく必死。その演技が鬼気迫っててよかった。一方のマット・デイモンはイマイチだったかな。
オリジナルには出てこない登場人物は、マークウォルバーグ扮する刑事だ。悪態ついているだけで何の役にも立たんやつだと思っていたら、最後の最後でマット・デイモン(サリバン)がスパイであることを見抜き、上司と部下の仇討ちという思いもあってか、問答無用でサリバンを射殺してのける。このラストを全く覚えてなかったので、こんな劇終の仕方だったのかと驚いてもうた。
オリジナルではサリバンの役どころが3作目にも出てくるのに、本作では彼が死んじまったわけだから当然続編なんてない。だけど、しっかり納得できる内容で完結させた点はやっぱり監督の手腕か。ちなみにオリジナルの3作目は蛇足感あるけども、1と、その前日譚を描いた2はかなりの名作である。俺は特に、2が素晴らしいと思っている。もちろん1があってこその2なんだけど。このリメイク版以上に、俺はオリジナルのほうが好きだ。
なんかオリジナルのほうが知名度が低いみたいで、中には台湾映画と間違っている人もいるところがなかなか悔しいが、本作を楽しんだ方でオリジナル未見の方には、ぜひ鑑賞をおすすめしたい。ちなみに、日本では香川照幸主演のドラマとしてリメイクされているそうだけど、それは未見です。
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