インファナル・アフェア
―2003年公開 香 102分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:警察とマフィア、それぞれのスパイとして敵側に潜入している二人の男を描いたサスペンス・ドラマ。監督・製作・撮影は「拳神 KENSHIN」のアンドリュー・ラウ。共同監督・共同脚本は「ファイナル・ロマンス」のアラン・マック。出演は「Needing You」のアンディ・ラウ、「HERO」のトニー・レオン、「ドリフト」のアンソニー・ウォン、「アクシデンタル・スパイ」のエリック・ツァン、「冷静と情熱のあいだ」のケリー・チャン、「Needing You」のサミー・チェン、「ファイナル・ロマンス」のエディソン・チャン、これが日本初登場となるショーン・ユー、歌手のエルヴァ・シャオほか。第22回香港フィルム・アワード主要7部門受賞。(KINENOTE)
あらすじ:マフィアの組員ラウ(アンディ・ラウ)は、ボスであるサム(エリック・ツァン)の指示で香港警察に潜り込み、10年で内部調査課の課長に昇進。ベストセラー作家メリー(サミー・チェン)との結婚も内定していた。一方、ラウと同じ警察学校に通っていたヤン(トニー・レオン)は、組織犯罪課のウォン警視(アンソニー・ウォン)の指示で、サム率いるマフィアに潜入。今では麻薬取引を任されるまでになっていた。しかしヤンは長年に渡る内通捜査で自分を見失い、精神科医リー(ケリー・チャン)のもとに通院。いつしかヤンはリーを愛し始めていた。ある夜、ヤンから大きな麻薬取引を行うとの情報を得たウォン警視は、水面下で調査を始めるが、同時に警察の動きがラウからサムに伝わり、検挙も取引も失敗に終わる。双方にスパイがいることが明らかになった。ラウとヤンは、それぞれ裏切り者を探すよう命じられる。やがて争いの中で、サムの手下にウォン警視が殺される。サムの残忍さに嫌気がさしたラウは、サムを射殺。そしてヤンは、ラウがマフィアのスパイであることに気づくが、やはりサムの手下にヤンも殺される。残されたラウは、ヤンの分まで警官として生きていくことを決意するのだった。(KINENOTE)
監督:アンドリュー・ラウ/アラン・マック
出演:アンディ・ラウ/トニー・レオン/アンソニー・ウォン/エリック・ツァン/ケリー・チャン/サミー・チェン/エディソン・チャン/ショーン・ユー/エルヴァ・シャオ/チャップマン・トウ/ラム・カートン
ネタバレ感想
この映画はかなり好きで、シリーズ通して何回鑑賞したか知れない。3部作でいうと、2、1、3の順番で好きかな。3はちょっと蛇足感があるけども、まぁ悪くないという感じ。
出ている役者たちもトニーレオンとアンディラウは当然として、アンソニーウォンがいて、エリックツァンがいて、ケリーチャンがいて、ラムカートンがいて…。役者たちが豪華だ。そして、トニーとアンディは安定の格好良さ。
トニーレオンは最近姿を見ないんだが、何してるんだろうか。アンディはそれなりに日本でも公開されてる作品に出ている。彼は本当に老けない。この作品はもう20年くらい前のものなのに、最近鑑賞した『追龍』の彼はこの作品の彼とさして変わらないくらいに若く見える。CG処理でもされているんだろうか?
それはともかく、ストーリーもサスペンスフルで、ハラハラドキドキするし、結末近くの衝撃展開は初見の時はかなり驚いたもんだ。死んじゃうからね、トニーレオン。普通のありがちな物語だったら彼はハッピーエンドで終わるもんだと思うけど、そうはならないところにこの作品の良さがある。
潜入捜査ものの作品って本当にいっぱいあって、今作の影響を受けたんだろうなと思われる話には、韓国映画の傑作『新しき世界』なんてのもある。ともかく、俺は犯罪映画、暴力映画好きで、それに付随して潜入捜査ものも好きで、その物語って実話をもとにした『フェイク』でもそうだけど、潜入してる側の苦悩が描かれるってのが典型で、この作品もそうだし、そこで生まれる葛藤みたいなんもどの作品も類似した点はけっこうあるんだけども、そうしたありがちな物語展開であったとしても楽しめるのは、何か物語の面白味に必要な決定的な要素ってものが潜入捜査ものには込められているのだろう。
善人になりたかったアンディ扮するラウ警官は、ボスのサムが言ったように自分の道を見つけることができた。しかし、やっていることは善人には程遠く、そのアンビバレントな自分の行動に悩まされることになるのは、三作目のお話。
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