追龍
香港に出稼ぎにやってきたホーと仲間たちはヤクザ同士の抗争に参加して頭角を現す。その一方で出世欲のある警察官のロックとも友情を育むようになり、勢力を拡大していくがーー。ドニーイェンとアンディラウ共演の男同士の友情を描いたバイオレンスアクション。ネタバレあり。
―2020年公開 中=香 128分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:「イップ・マン」シリーズのドニー・イェンと「グレート・アドベンチャー」のアンディ・ラウが共演、香港警察と黒社会の関係を活写した実録犯罪ドラマ。1960年代。警察署長ロックに助けられたホーは、黒社会でのし上がり、ロックと友情を結んでいくが……。監督は、「ゴッド・ギャンブラー」シリーズのバリー・ウォンと、「コールド・ウォー」シリーズや「ラスト・シャンハイ」など数々の作品の撮影を手がけてきたジェイソン・クワン。汚職が蔓延し黒社会と繋がっている警察が市民を恐怖に陥れていた時代に実在した黒社会(香港マフィア)のボス、ン・シックホーと警察署長ルイ・ロックをモデルにしている。(KINENOTE)
あらすじ:1960年、英国統治下の香港。中国・潮州から仕事を求めて香港に来たホー(ドニー・イェン)たちは、やくざ同士の争いの助っ人に参加して警察に逮捕される。そんなホーの腕力に注目した警察署長ロック(アンディ・ラウ)は、ホーを助けた。やがてホーは麻薬の売買で黒社会の大物となり、恩義を感じていたロックが窮地に陥ったところを救う。二人は次第に友情で結ばれていくが……。(KINENOTE)
監督:バリー・ウォン・ジェイソン・クワン
出演:ドニー・イェン/アンディ・ラウ/フィリップ・キョン/ケント・チェン/ユー・カン/フェリックス・ウォン
ネタバレ感想
『イップマン完結』に続いて、2020年に楽しみにしていたドニーイェン先生の主演作。今作はカンフーやマーシャルアーツなどを駆使した格闘を披露するのではなく、ドニー先生の演技派なところが楽しめる内容になっている。
とはいえ、もちろん格闘技術は使用しないものの、喧嘩アクションはたくさんあって、才能と根性と腕っぷしだけでヤクザ者たちと戦うシーンは新鮮で楽しめる。
さらに、本作は60年代の香港の歴史背景を踏まえて物語が進むので、ある意味では香港の裏社会と汚職まみれの香港警察の腐敗ぶりや、統治権を持つ英国人との関係性なども垣間見れて、歴史の勉強にもなる。例えば、香港警察の汚職捜査機関である廉政公署の誕生の瞬間なども描かれているなど。ちなみに香港映画にはこの廉政公署の人材が活躍する映画もある。
でまぁ、描かれる内容としては、裏表の社会に属するそれぞれの人物が交流が深めつつ協力して成り上がっていく形になっていて、双方が成り上がってくるとお互いに疑心暗鬼になってきて関係が悪くなるんだけど、最後はやっぱりお互いの友情が爆発するというものなので、これまでの香港映画で描かれてきた内容のいろいろの要素を詰め込んだ友情映画って感じになっているので、その辺は新鮮さはない。
ないけども、俺はこの手の話は好物なので、とても楽しめた。しかも、さっき言ったようにドニー先生の演技派な面が見られるとこももいい。いっぽうのアンディラウは安定のアンディラウぶりで、悪く言うといつも同じと言えば同じ顔なんだけども、いつ見てもカッコいい役者だなと思う。本当に。
というわけで、大した感想になっていないが、今年(2020年)は『プロジェクトグーテンベルク』も面白かったし、香港映画にはもっと頑張ってもらいたいなぁ。ジョニートー大先生とか新作出さないんだろうか。トニーレオンとかレオンカーフェイとかあの辺の役者の作品も観たい。フランシス・ンも見たい。
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