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映画『ザ・ミッション 非情の掟』ネタバレ感想 ジョニー・トー監督の傑作

映画ザミッション
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ザ・ミッション 非情の掟

ジョニー・トー監督の名作にして傑作。年に1度は観たくなる。合計何回鑑賞しているのか覚えてないくらいだが、いつも楽しめる素晴らしい作品。ガンアクションや男の友情的な話が好きな人にはぜひおすすめしたい。ネタバレあり。

―2001年公開 香 81分―

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解説とあらすじ・スタッフとキャスト

解説:香港電影金像賞をはじめ数々の賞を受賞し、日本でも2000年秋に開催された香港映画祭で絶大な支持を受けた傑作アクション。アンソニー・ウォン、フランシス・ンなど、欧米でも人気の実力派俳優が多数出演している。監督は「ヒーロー・ネバー・ダイ」のジョニー・トゥ。(KINENOTE)

あらすじ:何者かに命を狙われた黒社会のボス、ブン(コウ・ホン)を守るために雇われた元殺し屋グァイ(アンソニー・ウォン)、銃のエキスパート、フェイ(ラム・シュー)、以前はスゴ腕狙撃手だったマイク(ロイ・チョン)、そして現役の殺し屋ロイ(フランシス・ン)と彼の弟分、シン(ジャッキー・ロイ)の5人。そんな彼等が与えられたミッション(任務)は、ブンを命の限り守り、真犯人を割り出すこと。最初はお互い干渉しないようにしていた5人だったが、やがて、固い絆で結ばれていくのだった(KINENOTE)

監督:ジョニー・トー
脚本:ジョニー・トー/ヤウ・ナイホイ
出演:アンソニー・ウォン/フランシス・ン/ロイ・チョン/ジャッキー・ロイ/ラム・シュー/サイモン・ヤム

ネタバレ感想

静的な銃撃シーン

冒頭で銃撃シーンが好きな人にはおすすめと書いたが、派手なアクションがあるわけではない。何度か行われる銃撃シーンのいくつかは、静かに描写される。静的だ。しかし、これがカッコいいのである。

主人公ら5人は、ヤクザの組長であるブン親父を守るためにボディガードを務める。ブン親父は謎の殺し屋集団に命を狙われているので、主人公らはブン親父をガードしつつ、殺し屋たちを操る黒幕を突き止める役割を与えられている。

ブン親父は行く先々で命を狙われるので、5人は身を挺して彼を守らなければならない。そんなわけで、ラストに至るまでに数回にわたって殺し屋軍団との銃撃戦が行われる。それが、先にも述べたように、すべて静的なのである。

以前、同監督の『ホワイト・バレット』の記事でも紹介したけど、ジョニー・トー監督は、作品ごとに新たなアイデアを用いた銃撃戦を見せてくれて、それがどれもカッコいいのだ。特に本作の静的な銃撃シーンを初めて観たときは、衝撃を受けた。

その最たるシーンは、ジャスコ内での立体的な銃撃戦だ。主人公5人はブン親父の盾になりつつ、上階や自分たちのいる階など、四方八方から攻めてくる敵に対してフォーメーションを組み、持ち場を離れずに敵を迎え撃つのだ。そして、少しずつ、ブン親父を死地から安全な場所へ連れ出していく。

ちなみにこのジャスコ以外の戦闘で、敵方は拳銃だけでなく、ライフルなど射程が長い銃器もけっこう使っている。それに対して5人は拳銃しか使わない。射程距離が違いすぎて、現実では果たして勝負になるか疑問なのだが、最初の戦闘で必死こいて射程距離を詰めていく描写があるから、何とかなるもんなのかね。

5人のチームがよい

この映画のもう一つの特徴は、主人公らが5人組の友情が描かれるところ。それぞれが個性的なキャラで、各々に魅力がある。中盤くらいまでは主人公のグァイともう一人の親分格のロイの関係はうまくいかないのだが、ロイがグァイの実力を認めて以降は、5人は会話をしなくともブン親父を守るため、銃撃戦中にそれぞれの役割を果たすようになっていく。これはもう、完全に5人がそれぞれの実力を信頼し、各々の特徴を把握していなければできないことである。

そんな彼らが強い信頼関係で結ばれていく過程が、少ない会話と、言葉を使わない行動シーンで描写される。これがまたいいのである。ちなみに俺は、登場人物の中ではロイが一番好きで、彼を演じるフランシス・ンが非常に好きな俳優になった。彼はジョニー・トー監督の他作品では、『エグザイル・絆』で登場する。別監督作品では、『インファナル・アフェア 無限序曲』で演じる組織のボス役などもよい。

ラストの食事シーンがよい

最終的に、殺し屋チームの黒幕を突き止めて仕事を終えた5人が祝杯を交わす。そして、ここからラストまでの展開は、副題となっている”非情の掟”と5人がどう向き合っていくかという話になる。このくだりの5人が祝杯を交わすところから、最後の最後の緊張感ある食事シーンまでが、ものすごくいい。

俺は洋の東西を問わず、映画における食事シーンが好きで、特に本作のようなヤクザ者が登場する作品において、好きな食事シーンが多い。これはなんでなのか、いずれ考えてみたいと思っている。

いろいろ考えながら物語の細部について考えていくとツッコミたくなる部分はあるけども、そんな粗を吹き飛ばしてくれるほどに、楽しめる作品だ。てなことで、ジョニー・トー監督作にはまだまだ面白い作品がいっぱいあるので、機会があればそれらも紹介していきたい。

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コメント

  1. ヨウくん より:

    食事シーンが良い映画は大体作品自身も良いよね。例えば「無間道2」がそう。
    ヤクザの中ボス5人が火鍋を食べながら、大ボス暗殺事件により最初は各自悪巧みを抱き⇒新任ボスの手腕によって一人また一人と服従せざるをえない、その一連の流れが見事だった。

    • hanori より:

      食事シーンが良い映画は、確かに作品自体がイイ場合が多いというのは同感です。どうしてなんですかね。ご指摘の「インファナル・アフェアⅡ」のあのシーンは自分も好きで、フランシス・ンのボスっぷりも含めて1作目よりも好きだったりします。コメントありがとうございました!

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