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映画 インファナルアフェア3 終極無間 ネタバレ感想 シリーズ完結のラスト

映画 インファナルアフェア3
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インファナル・アフェア3 終極無間

―2005年公開 香 118分―

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解説とあらすじ・スタッフとキャスト

解説:トニー・レオン、アンディ・ラウをはじめ、ハードな世界に生きる男たちのドラマを重厚に描いた「インファナル・アフェア」三部作の最終章。ヤン殉職前後の2つの時期に焦点を当て、警察内部に潜伏し続けるラウの最後の戦いを追う。監督は前2作引き続きアンドリュー・ラウとアラン・マック。(KINENOTE)

あらすじ:潜入捜査官ヤン(トニー・レオン)の殉職から10ケ月後。エレベーター内の監視カメラが壊されていたために難航していた事件の検証が、ようやく終わった。ヤンからの情報に基づいてマフィアのサム(エリーック・ツァン)の組織を壊滅させた翌日、再びヤンと接触した折に潜入マフィアのラムが現れ、ヤンを射殺したラムをやむなく殺害した、というラウ(アンディ・ラウ)の証言は、全面的に認められた。しかし、彼は一時的に庶務課に左遷される。あの事件以来、ラウは眠れない日々を送っていた。婚約前に妊娠していたマリー(サミー・チェン)は、生まれた赤ん坊を連れてラウのもとを去っていった。また、エレベーター内でラムが語った「全部で5人」という言葉が重くのしかかり、残りの潜入マフィアを探し出しては始末してきたのだ。しかし、保安部のヨン警視(レオン・ライ)の前でチャン巡査部長が自殺する事件が起き、現場近くに居合わせたラウは新たな懸念を抱く。「なぜだ、同じ仲間だろ?」と、ヨンに問いかけたチャンの悲痛な声。銃声に続き、部屋から銃を手に出てきたヨン…。華々しい実績を挙げて異例の出世を遂げてきたエリート警官であり、かつてのラウを思わせるヨン。彼もまた、潜入マフィアなのか? 内務調査課に警部として復帰したラウは、保安部の秘密主義に阻まれながらも、この事件の調査を開始する。チャンのデスクには、サムとの会話が録音されたテープの入った封筒が置かれ、彼が潜入マフィアだったことを証明していた。またチャンは、サムの商売相手だった本土の大物シェン(チェン・ダオミン)とも、つながっていた。そのシェンが、ヨンと一緒に写っている写真も見つかる。ひそかに保安部に監視カメラを設置し、ヨンの車に発信機を取り付けたラウは、ヨンが金庫に保管していたテープを、ポストに投函するところを目撃する。そこに現れたのは、義足の音を響かせるシェンだった。ラウはまた、精神科医リー(ケリー・チャン)に近づき、パソコンに大切に保存されていたヤンのカルテを手に入れる。そのカルテには、ヤンの生涯でもっとも幸福だった日々が記されていた。カルテを読むうちに、ラウはヤンに自分を重ね、ヤンの世界に入り込んでいく。だが、いつしかヤンの死の真相を知る者の気配が、ラウの背後に忍び寄ろうとしていた。(KINENOTE)

監督:アンドリュー・ラウ/アラン・マック
出演:トニー・レオン/アンディ・ラウ/レオン・ライ/チェン・ダオミン/ケリー・チャン/アンソニー・ウォン/エリック・ツァン/チャップマン・トウ/カリーナ・ラウ/サミー・チェン

ネタバレ感想

シリーズの最終作。正直なところ、1と2に比べると内容的には落ちるかな。現在と過去を行ったり来たりするので、非常にややこしくて話の内容もわかりづらい。前作までを見てない人は、おそらく何が何だかさっぱりわからないだろうと思われる。

では、鑑賞していれば分かるかと言うと、それもなかなか怪しい。俺はこのシリーズが好きなので、もちろん2作とも鑑賞後にこいつを劇場で観たわけだが、わからないことだらけで完結してしまった感があり、シリーズの余韻に浸りきれなかった思い出がある(笑)。

それは俺がトンマなこともあるのは間違いないが、それにしても分かりづらい。今回で何回目の鑑賞になったのか忘れたけど、こうやって繰り返し見てみて、ようやく細部の伏線もそれなりに理解できたかなぁという感じ。

この作品って、最初から3部作として作られたんだろうなと思う。2では後付け設定のように感じていたことなども、今作を鑑賞したことで、実は1作目から計算して伏線がはられていたんではないかと思わせられた。というふうに考えると、この3作目も非常に重要で、3作まとめて壮大な物語となっていた『ゴッドファーザー』のシリーズと同じだ。

で、大筋をネタバレしておくと、今作でのラウは、ヤンの名誉を回復しつつ、自分がマフィアから送り込まれたスパイであることは隠しおおせて、内部調査室のボスに復帰することが決まる。だけど実は、サムが送り込んできたスパイは1作目のビー以外にもまだ何人か残っていて、例えば、本作のチャンがそれにあたるのだが、こうしたサムのスパイたちはラウにとっては邪魔者でしかなくなっている。

であるから、彼は、ひそかにこいつらを捜し出して始末することが絶対的な任務になっていて、そうした日々の中で、ヤンのようになれない自分、善人=警官になり切れない自分に対して焦燥感を募らせるようになっている。

そこで現れたのが、保安部のボスであるヨンであった。いろいろ探ってみると、こいつもサムのスパイなんじゃないかと思えたラウは、あの手この手でヨンの身辺を調べていく。それと同時に、ヤンの主治医だったリー先生とも近づき、ヤンのカルテから手がかりを探ろうとしていく。ところが、自身の離婚の手続きなどもあって、ラウは次第に正常な精神を保てなくなっていく。

そしてラウは、だんだんと自分がヤンではないかという妄想を抱き始めるのだ。その後、いろいろあった結果、ラウはヤンに成り代わって、ラウを逮捕するという一人芝居を行う。このシーンと、リー先生が病院でラウの一人芝居を目撃するシーンは、悲壮でありつつも、笑える。

でまぁ、最終的に自分の身分が明るみになってしまったラウは、拳銃自殺を図るものの、失敗。車椅子生活になってまい、しかも自分がヤンでいることの妄想からも逃れられず、しかもサムの奥さんで、自分が殺したマリーの幻影から銃を向けられるなど、ともかく無間地獄に陥ったまま劇終を迎えるのであった。

というような話なんだけど、ヨンや、大陸のマフィア(のふりをしている)シェンなど、新たなキャラが何を目的にして動いているのか、すごくわかりづらく描いているため、上述したように物語の全貌がつかみづらいのである。結局あのシーンは何だったん? みたいなのがけっこうあるのだ。それに拍車をかけるのが、ラウが妄想の世界に入ってしまうところにある。

ただでさえ新キャラの動きがよくわからんのに、ラウの言動が妄想なのか現実なのかわからんシーンが散見され、理解がとても大変。

例えば、シェンが大陸の公安警察だったんはイイとして、彼の弟分みたいな存在で、ヤンに灰皿で頭カチ割られた男は何なんだよっていう問題。あれは結局、彼も含めてシェンの手下はみんな公安の人間だったってことだろう。そういう理解でないと、話のつじつまが合わなくなってくると思う。

まぁそういう感じで、自分の想像で補完してかないといけない部分もありつつ、過去作からの登場人物たちはさらに掘り下げが進んでいく感じで、今回は2作目ほどの群像劇的な展開というよりは、ラウの物語ではありつつも、ヤンやウォン警視のキャラにも深みが増している印象があって、個人的にはそこが今作の面白いポイント。

特に、これは3作目のパンフに解説があるそうだが、ヤンとシェンとヨンは警察であるがために、銃を構えても、即死コースの頭を狙わない。足や手を狙うのだ。対してラウはもともとヤクザ者であるから、1作目のサム、そして今作のヨンと、容赦なく眉間をぶち抜いて射殺している。

この設定が、今作でヤンとシェンとヨンが、それぞれ警官であることを知る理由につながっている。と、考えると、ウォン警視が2作目である人物の眉間をぶち抜くシーンがあるのはなぜなんかと思うんだが、だがしかし、彼は2作目の冒頭で先輩警官が殺されたことがあり、その時の犯人の眉間を撃ち抜いて殺せなかったことを後悔している。

だからセリフでも、「頭を撃てばよかった」と言っているのだ。つまり、ウォン警視は警官でありながらも、かつての苦い経験を踏まえて、ある人物の眉間をぶち抜いたのである。そうやって見るとまた、ウォン警視に対する理解が深まるし、それは3作目になってできる理解の仕方なので、やはりこの3部作はかなり緻密に構成がされているんだなということがわかり、さらには物語に対する面白味も増すのである。

何だか説明がうまくできなくて分かりづらい内容になってもうたが、とにかくこのシリーズはイイってことだけは確かだ。各作品ごとに記事をあげてきたが、むしろ全作品を通しての登場人物について感想を加えていって、それらを何分割かした記事にしたほうが、読みやすかったかもしれんと今さら考えても後の祭り。ともかく、3作全部見るのがおススメ。

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映画 インファナルアフェア3 終極無間 ネタバレ感想 シリーズ完結のラスト 過去作からの登場人物たちはさらに掘り下げが進んでいく感じで、今回は2作目ほどの群像劇的な展開というよりは、ラウの物語ではありつつも、ヤンやウォン警視のキャラにも深みが増している印象があって、個人的にはそこが今作の面白いポイント。
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コメント

  1. ヨウくん より:

    悲しいですが、香港映画もこの「無間道」シリーズを最後に勢いを失っていき、今や韓国映画がアジア代表となっていました。
    大陸返還により様々な規制がかかり、かつてのように奇想天外な作品を作られなくなったではないかと。
    1980~1990年代の香港映画全盛期が懐かしい・・・

    私も映画が大好きで、貴ブログを楽しんで読ませて頂いていますが、「武侠」の映画があまりないのが気になりました。
    確かにジャンル的に「カンフー映画」に分類されなくもないけど、日本の時代劇のように、剣戟映画が一つの文化として確立されていた。
    ただし、やはり1980~1990年代が最盛で、2000年代に入ると寂れていきました。
    「笑傲江湖(スウォーズ・マン)」「倚天屠龍記(カンフー・カルト・マスター)」「新龍門客棧(ドラゴン・イン)」「方世玉(格闘飛龍 方世玉)」「黄飛鴻(ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ)」シリーズなど、いずれも後世まで語られつづける名作です。
    (邦題はダサすぎで嫌いです(^^;)

    ぜひご鑑賞し、感想を残してください。まだまだそのほかも多数おすすめの作品があります。
    長文失礼しました。

    • hanori より:

      最近は圧倒的に韓国映画のほうが勢いがありますよね。実際良作も多いですし。その分、香港の作品は日本公開が少なくなったような気がしなくもないです。。

      ヨウくんさんは、香港映画について詳しいですね。「武侠」映画の記事がほとんどないのは、私があまり鑑賞したことがないからなんです。「黄飛鴻(ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ)」シリーズすらきちんと観たことがなくて。推薦いただいた作品はすべてタイトルは知ってますので、どっかのタイミングで探して鑑賞してみようと思います。武侠や香港作品に限らず、おすすめがあれば、ぜひまたご教示ください。閲覧ありがとうございます!

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