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映画 新しき世界 ネタバレ感想 韓国ノワールの傑作

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新しき世界

ヤクザ企業の跡目争いと、その組織に潜入している刑事の苦悩を描いた忘れた頃に観たくなる韓国ノワール作品の傑作。ネタバレあり。

―2014年公開 韓 134分―

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解説とあらすじ・スタッフとキャスト

解説:警察への忠誠と、兄弟の絆の間で葛藤する潜入捜査官の姿を描くヒューマン・クライム・ストーリー。監督は「悪魔を見た」の脚本を担当したパク・フンジョン。出演は「ラスト・プレゼント」のイ・ジョンジェ、「オールド・ボーイ」のチェ・ミンシク、「甘い人生」のファン・ジョンミン、「チャーミング・ガール」のパク・ソンウン、「コードネーム:ジャッカル」のソン・ジヒョ。(KINENOTE)

あらすじ:韓国最大の犯罪組織ゴールド・ムーンの理事イ・ジャソン(イ・ジョンジェ)の指示で、港の沖合に浮かぶ船から裏切り者をコンクリート詰めにしたドラム缶が海中に落とされる。潜入捜査官として8年、ジャソンは企業化した組織の理事にまでなっていたが、もうすぐ潜入捜査は終わるという上司のカン課長(チェ・ミンシク)の言葉を信じ、その日が来ることだけを待っていた。そんなある日、組織の会長ソク・ドンチュル(イ・ギョンヨン)が謎めいた交通事故で急死。組織の実質N0.2チョン・チョン(ファン・ジョンミン)と亡き会長の右腕だったイ・ジュング(パク・ソンウン)の後継者争いが始まる。この事態を察知したカンは、ジャソンを動かして後継者争いに介入し、一気に組織を壊滅させることを画策。作戦は“新世界プロジェクト”と名付けられた。警察官へと戻る日を待ち続けていたジャソンは反発するが、組織への密告や家族への監視をちらつかせて迫るカンの言葉に従うほかなかった。一方、チョン・チョンは自分と同じ韓国華僑という出自を持つジャソンを“ブラザー”と呼び、自分の右腕としていた。警察と組織の間に挟まれ、葛藤を覚えるジャソンだったが、結局、カンとの連絡役シヌ(ソン・ジヒョ)にチョン・チョンの中国行きの予定を伝える。中国へ向かう空港に現れたカンから組織の内情に関する資料を見せられ、協力を迫られるチョン・チョン。内通者がいると察知した彼はカンの申し出を拒否、中国の延辺から殺し屋たちを呼び寄せる。翌日、カンは殺人教唆および暴行等の容疑でジュングを逮捕。チョン・チョンとジュングの争いに火を放つ。チョン・チョンは中国から戻ると、カンをとあるスタジアムに呼び出し、調べ上げた情報と賄賂で、ゴールド・ムーンの後継者争いから手を引くようにと持ちかけるが、この提案はカン課長が拒否。チョン・チョンは早速、殺し屋たちにシヌを襲撃させる。チョン・チョンに呼び出されたジャソンは、人目につかない倉庫でドラム缶に詰められた瀕死のシヌを見せられ、言葉を失う。そんな中、引退状態の長老チャン・スギ(チェ・イルファ)を会長に祭り上げ、ゴールド・ムーンを乗っ取れという新たな指令を受けるジャソンだったが、カンの真意が自分を組織に縛り付け、組織を意のままに繰ろうとしていることと知り、激しい怒りを覚える。しかし、カンの周辺を調べるために本庁情報課の資料をハッキングしたチョン・チョンが、すでに自分の正体に気づいていると知らされ、後戻りができなくなる……。(KINENOTE)

監督・脚本:パク・フンジョン
出演:イ・ジョンジェ/チェ・ミンシク/ファン・ジョンミン/パク・ソンウン

ネタバレ感想

ジャソンの弱々しさ、どっちつかずで苦悩し続ける意志薄弱ぶりがけっこうイラつくんだけども、彼はヤクザ組織と警察の間で板ばさみになっているヤクザ企業の理事であり、潜入捜査官であるわけだから仕方ないといえば仕方ない。しかし、そんな暗いキャラのせいか、終盤に至るまでの彼にはほとんど魅力がない(笑)。

ジャソンをサポートしていた刑事のシヌさん(美人)が、チョン・チョンが呼び出した殺し屋に捕らえられて拷問・レイプされた挙句にドラム缶に入れられている姿を見せられ、滝のような汗をかくジャソン。焦りすぎて過呼吸気味(笑)。あれじゃ、白状させられる以前にバレちゃうんではないかとハラハラする。

対照的に、もう一人の潜入捜査官だったことが判明するジャソンの部下のソンムは、あんなヤバイ状況なのに我関せずみたいな面(ツラ)してる。あれはあれで、鈍感すぎるのではないか(笑)。で、その直後、彼はチョン・チョンにシャベルみたいな道具で殺されちゃうと。

まぁいずれにしても、ジャソンの兄貴でありボスであるチョン・チョンは、この時点でジャソンが潜入であることを知っている。知っているけど、明るみにはしないでやっている。彼のことを舎弟として大事に思っていたからだ。

ジャソンが最終的にチョン・チョンの言葉と遺志を継いで組織のボスになることに決めたのは、警察としてのジャソンのボスであるカン課長とチョン・チョン兄貴の器の違いを感じたからだろう。

もともとジャソンはチョン・チョン兄貴と男の友情的な絆で結ばれている。カン課長からはたまに優しい言葉をかけられたりするが、上司と部下の関係でしかない。しかも、潜入を続けるために脅されたり、勝手に組織のボスになるように操られていたりと、単なる駒としての扱いしか受けていない。

だから彼は最終的に警察としての正義よりも、ヤクザとしての義理・人情、仁義の道を選ぶことにしたのである。そして、自分が完全な黒社会の人間として生きるために、カン課長とその上司をぶち殺してまう。やるね。

チョン・チョンが死んだ直後、ジャソンがヤクザとして生きる決意をしてカメラが引いていくシーン。あれ以降のジャソンはなかなか魅力的である。覚悟を決めた男は強いのでありますな。そんなジャソンのもっとも印象的な表情はもちろん、ラストのタバコをくわえて笑みを浮かべる過去エピソードのシーンである。

この作品はどの登場人物も非常に存在感があってよい。特に、チョン・チョンを演じたファン・ジョンミンと、彼と対立するジュングを演じたパク・ソンミン。韓国映画のノワール作品が面白いのは、役者たちの存在感によるところも大きいんだろうねぇ。何度観ても楽しめる傑作です。

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