バイバイマン
何これ、おもしろい。特におっかないわけでも、グロ描写があるわけでもないから、ホラー好きな人には物足りないかもしれない。けど、俺はバイバイマンの設定に関心したので楽しめた。考えるな、言うな。考えるな、言うな。考えるな言うな考えるな言うな考えるな言うな、言うな、考えるな! ネタバレあり。
―2017年公開 米 96分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:「オキュラス 怨霊鏡」のトレヴァー・メイシーと「スペル」のナンシー・カーホッファー製作のホラー。ウィスコンシン州の古い屋敷に越して来た3人の大学生。彼らはその名を知った者、口にした者に死をもたらすという“バイバイマン”を呼び起こしてしまう。監督は、「ギャング・オブ・ホラー」のステイシー・タイトル。出演は、「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々:魔の海」のダグラス・スミス、ドラマ『スーパーナチュラル』のルシアン・ラヴィスカウント、「パンズ・ラビリンス」のダグ・ジョーンズ。(KINENOTE)
あらすじ:アメリカのウィスコンシン州。3人の大学生が古い屋敷に引っ越して来る。彼らはふとしたきっかけで、その名前を知った者、口にした者に死をもたらすという“バイバイマン”(ダグ・ジョーンズ)を呼び起こしてしまう。3人は“バイバイマン”に取り憑かれるが、お互いに命を助け合う。しかし、周囲の人間たちは次々と命を落としていく。追い詰められた彼らは、死の運命から逃れることができるのか……。(KINENOTE)
監督:ステイシー・タイトル
出演:ダグラス・スミス/ルシアン・ラヴィスカウント/クレシダ・ボナス/ダグ・ジョーンズ/キャリー=アン・モス/フェイ・ダナウェイ/リー・ワネル
ネタバレ感想
考えるな 言うな
バイバイマンの存在(というか概念)を知ってしまったら、それを意識してはいけない。考えてはいけないのだ。考えちゃうと、バイバイマンに幻を見させられて、知らぬ間に死ぬしかないような事態に追い詰められている。
そして、バイバイマンのことを口に出して言ってはいけない。概念化されたバイバイマンを他人と共有してしまうと、共有された他人にも、バイバイマンが襲ってくるのだーー。
このバイバイマンの設定のおかげで、面白く観られた。こいつの恐ろしさは他人に存在を言ってはいけない――というところにある。その恐怖が作品内で存分に描かれていたかと問われるとそうでもないんだけども、冒頭に出てくる記者さんと、主人公のエリオットは必死でバイバイマンの概念をこの世からなくそうと頑張る。その必死なところ(間抜けっぽさもあるけど)にハラハラして鑑賞できた(少なくとも俺は)。
意味不明箇所は多い
このバイバイマンはけっこう昔から、彼を概念化した人間を不幸な目に合わせていただようだが、よくよく考えてみると、彼を最初に概念化したのは誰なんだろうか。バイバイマン自身が自分を概念化できるなら、こんな回りくどい話にはならない。あとは、バイバイマンの目的もよくわからない。幽霊みたいな存在に目的なんてないんだろうけど、『イット・フォローズ』みたいに、バイバイマン自体が何かのメタファーになっているようにも思えない。
もしかしたら何かあるのかもしれんが、俺にはその辺は読み取れなかった。ついでに言うなら、あのトンネルの描写とか、列車の4241(だったと思う)という数字の意味とかも、不明。ついでに言うと、グチャドロな犬も何で出てくるのかよくわからない。
アイデア勝負の作品として観れば面白い
おそらく、この辺の描かれなさと、全編通してドッキリできないホラーらしからぬおとなしさが、評判がよろしくない理由なんだろうと思われる。
思われるんだが、上記を抜きにして、概念化すると襲ってくる存在――というアイデア勝負の映画と考えると、なかなか成功しているのではなかろうか。ともかく俺は、その部分を楽しめたので、この作品についてはかなりの好意を持った。
ラストにもう一工夫あれば…
ただ、冒頭の記者さんと、彼の経験を踏まえてよりよいエンドを迎えようとした主人公が、結局は同じ結末を迎えてしまうのは少し残念。バイバイマンをこの世から消す解決の糸口は見つけていたようなのに、幻覚にやられてしまう結末にしちゃったのはなぜなんだろうか。
そこんところを消化できてたら、かなりの良作だったと思うんだけどなぁ。ただ、存在を意識しないという糸口はあったものの、それをどう持続して、どうその存在を消すかって考えると、解決方法はあんまり想像できないので、作り手もそこに困っちゃったのかもしれない。
考えるな、言うな。考えるな、言うな。考えるな言うな考えるな言うな考えるな言うな、言うな、考えるな(笑)。
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