ギャングバスターズ
美女の依頼で犯罪組織のアジトに潜入し、そこに監禁されている少年を救う依頼を受けることになった、ボンクラ3兄弟の血みどろ珍道中的アクション映画。冒頭のメチャクチャさ加減から大いに期待を持たせられるのだが、登場人物がほぼ全員ボンクラすぎるし、後半になるほどアクションが失速していく感があるもったいない作品。ネタバレあり。
―2013年公開 米 98分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:ギャングの元夫に奪われた息子を取り返すという美女の依頼を受けた荒くれ者3兄弟が繰り広げる騒動を、ユーモアを交えて描いたバイオレンス・アクション。出演は、「パーフェクト・ホスト 悪夢の晩餐会」のクレイン・クロフォード、『デスパレートな妻たち』のエヴァ・ロンゴリア、「チョコレート」のビリー・ボブ・ソーントン。(KINENOTE)
あらすじ:ある日、障がいを持つ息子ロブ(トーマス・ブロディ=サングスター)を凶暴なギャングの元夫カルロス(ビリー・ボブ・ソーントン)に奪われたセレステ(エヴァ・ロンゴリア)。彼女は、アラバマの無法地帯で生きる荒くれ者、ウーディ3兄弟に助けを求める。トラブルと銃が大好物の長男ブリック(クレイン・クロフォード)、レスリングの天才だが口が利けない次男リンカーン(ダニエル・クドモア)、元米軍兵士でタフな三男のマックイーン(トラヴィス・フィメル)の3兄弟は、ガラガラヘビのような凶暴さで知られ、本来なら子どもを取り返すようなケチな仕事は請け負っていなかった。ところが、窮地に追い込まれたセクシーなセレステに心を奪われた長男ブリックが、彼女の依頼を引き受けてしまう。それは、相手をぶちのめして子どもを奪ってくるだけの簡単な仕事のはず……だった。ところがいつの間にか、それは彼らが経験した血なまぐさいキャリアの中でも、最高にスリリングでクレイジーな冒険へと変貌してゆく。3人を追うのは、その命を付け狙うカルロスと凶暴な子分たちだけではなかった。騒動に巻き込まれた地元の保安官に加え、やけにしつこい連邦捜査官も追跡に加わる。誰を信じればいいのかわからないまま、彼らは知られざる“贖い”を果たすため、最終決戦の場へ向かうが……。(KINENOTE)
監督・脚本:バリー・バトルズ
出演:ビリー・ボブ・ソーントン/エヴァ・ロンゴリア/アンドレ・ブラウアー/クレイン・クロフォード/ダニエル・クドモア/トラヴィス・フィメル/ゾーイ・ベル
ネタバレ感想
冒頭の間違い特攻がクライマックス(笑)
冒頭、3兄弟がギャングみたいな奴らが住んでいる家に侵入し、中にいる奴らを全員ぶっ殺す描写がある。3人の強さや情け容赦ないアウトロー感があって、今後の展開に非常に期待を持たせるシーンだ。
その後もいくつかの戦闘が描かれるが…
その次はセレステという美女の依頼でギャングのボス、カルロスの屋敷にカチコミをかけるシーン。ここも悪くはない。悪くはないんだけど、ここから後、酒場でゾーイ・べル扮するマダムが率いる美女の殺し屋軍団との戦い、インチキマッドマックスみたいな感じの車で追ってくる武装集団との戦い、キャンプ場でのインディアン? みたいな奴らとのラストバトルと、ボンクラ3兄弟を窮地が襲うわけだが、物語が進むにつれて戦闘描写が適当になっている感じがして、迫力も薄れていく。要はあっさりしすぎてて、充分には楽しめないのである。
全員がボンクラ
肝心の戦闘描写が物足りない上に、ボンクラ3兄弟以外の奴らもそろいもそろってボンクラ。美女殺し屋軍団といい、インチキマッドマックスといい、ヘンテコインディアンといい、全員ボンクラ3兄弟に正面から攻撃を仕掛けてくるボンクラぶり。
登場人物全員がボンクラであるボンクラ映画をつくったのだろうと考えれば、それはそれでいいんだけども、戦闘描写がつまらないから、こういう細部の適当さが気になって、最後までそれなりに面白くはみたものの、残念な気分になってしまった。
ボンクラ3兄弟を陰で支援している黒人保安官と、彼につきまとう捜査官。この2人もあまり物語で重要な位置を成していないように感じる。特に、捜査官のほうは結局何がしたかったのかよく分からない。
設定には魅力があったのだが
ラストは続編を示唆するような描写だったけど、確かにボンクラ3兄弟にはそれなりに魅力があるし、アウトローが犯罪組織を潰していくという『必殺仕事人』みたいな設定にはそれなりに面白みを感じたので、仮に製作するなら頑張っていただきたい。まぁ、つくられないだろうけど(笑)。
犯罪は一人でやるべき↓
犯罪者はこうあるべき↓
恐ろしいギャングたち↓
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