ブラッド・スローン
なかなかハードボイルドな内容であった。過失によってムショ送りになった男が、妻子を守るために塀の中で悪に染まっていく話。刑務所の中でも外でも、主人公のマネーの行動は終始一貫して変わらない。元の生活には戻れなかったとしても、彼の行動原理はすべてが愛する家族のためのものなのだ。ネタバレあり。
―2017年公開 米 121分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:暴力が支配する監獄の現実を、実在の刑務所で撮影したアクション。エリートコースを歩んでいたジェイコブは、不注意で交通事故を起こし収監される。ギャング同士が殺し合いの抗争を繰り広げる監獄で生き残るため、ジェイコブは体を鍛え、頭脳を駆使して挑む。監督は、「オーバードライヴ」のリック・ローマン・ウォー。出演は、「キング・オブ・エジプト」のニコライ・コスター=ワルドー、『POWER/パワー』のオマリ・ハードウィック、『ウォーキング・デッド』のジョン・バーンサル、『バーン・ノーティス 元スパイの逆襲』のジェフリー・ドノヴァン。(KINENOTE)
あらすじ:頭脳明晰、容姿端麗なジェイコブ(ニコライ・コスター=ワルドー)は、敏腕のファイナンシャル・エグゼクティブとしてエリートコースを歩み、愛する妻ケイト(レイク・ベル)や子供に恵まれ、順風満帆な人生を送っていた。そんな矢先、不注意で交通事故を起こし、同乗していた友人を死なせてしまい、過失致死容疑で逮捕される。裁判をしても勝ち目がないのを知ったジェイコブは、刑期を全うするため監獄に入る決心をする。ジェイコブが収容された監獄は、ギャング同士が殺し合いの抗争を繰り広げる、暴力が支配する世界だった。新入りのジェイコブも受刑者から理不尽な暴力を受け、このままでは刑期を終える前に殺されてしまうと感じると、この酷薄無情の悪の世界で生き抜く術は力しかないと悟り、体を鍛え上げ、全身凶器と化していく。そして頭脳を駆使して熾烈な抗争をくぐり抜けた彼は、監獄内のギャングのトップに上り詰める。釈放後、マネーとして生まれ変わったジェイコブは、白人ギャング組織“アーリアン・ブラザーフッド”のボス、ビースト(ホルト・マッキャラニー)から、妻子の命と引き換えに南カリフォルニアで大きな犯罪を仕切るよう強要される。彼は、自分の生き残りと妻子の命を懸け、人生最大の勝負に出る。(KINENOTE)
監督・脚本:リック・ローマン・ウォー
出演:ニコライ・コスター=ワルドー/オマリ・ハードウィック/ジョン・バーンサル/エモリー・コーエン/ジェフリー・ドノヴァン/ベンジャミン・ブラット/ホルト・マッキャラニー
ネタバレ感想
金融関係の仕事をしている裕福な男が、妻と友人夫婦と食事をした帰りに、自分のミスで交通事故を起こしてまう。で、友人夫婦の旦那が死亡。彼はムショ送りになる。たった一つの大きな過失が彼の人生をあらぬ方向へ導く。その後は冒頭に書いた通りの結末。
鑑賞前に思っていたのは、主人公が自分の仕事の関係で権力的な何かにはめられて無実の罪で収監されるのかと思っていた。そんで、厳しいムショの中で生き残り、妻子のいる娑婆に戻るために塀の中で権力を手にせざるを得ないというような。ところが、そうではなかった(笑)。
収監されるのは、彼の過失なんである。その辺の違いはあったものの、そのほかのストーリー展開は期待通りだったかな。
実在の刑務所で撮影を行ったそうだが、アメリカの刑務所は、外に檻をおいてあるだけの房があるようだ。かなりの大物が入る場所のようだが、あのシーンを見たとき、なんだか動物園の檻を連想してしまった。あれを見世物にして観光化したらけっこう金が取れそう(笑)。
にしても、主人公は単なるインテリ野郎かと思いきや、ムショに入れられた初日からけっこう生き抜くすべを心得ていてなりあがっていく。あの辺の覚悟はすごいとは思うものの、悪の世界で生きたことのない人間があそこまで簡単に変われるもんなんだろうか。
葛藤はありつつも、けっこうあっさりと殺しにも手を染めちゃうし。そうしないと自分の信念を達成できないのはわかる。そこまで彼の想いは強かったという解釈をすればそうなんだけども、俺だったら無理だろうなぁというアホな感想を述べて終わる(笑)。
『ウォーキング・デッド』シリーズのジョン・バーンサルが出てたが、彼はああいう中途半端な強面チンピラみたいな役が多いね(笑)。
犯罪は一人でやるべき↓
犯罪者はこうあるべき↓
恐ろしいギャングたち↓
コメント