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映画 パームスプリングス タイムループ ラブコメディ

パームスプリングス
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パーム・スプリングス

―2021年公開 米=香 90分―

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解説とあらすじ・スタッフとキャスト

解説:サンダンス映画祭史上最高売買額を記録したタイムループラブコメディ。結婚式に出席したナイルズと花嫁の介添人サラ。二人はロマンチックなムードになるが、謎の老人に突然弓矢でナイルズが襲撃され、肩を射抜かれる。ナイルズが近くの洞窟に逃げ込むと……。製作及び主演は、ドラマ『ブルックリン・ナイン-ナイン』のアンディ・サムバーグ。出演は、「ウルフ・オブ・ウォールストリート」のクリスティン・ミリオティ、「アメリカン・ビューティー」のピーター・ギャラガー、「セッション」のJ・K・シモンズ。監督は、本作が長編デビューとなるマックス・バーバコウ。(KINENOTE)

あらすじ:カリフォルニアの砂漠リゾート地パーム・スプリングス。そこで行われた結婚式に出席した呑気な青年ナイルズ(アンディ・サムバーグ)は、花嫁の介添人サラ(クリスティン・ミリオティ)に猛アタックする。最初は戸惑うサラだったが、ナイルズの不思議な雰囲気に惹かれていく。二人は人目のつかないところでロマンチックなムードになるが、謎の老人(J・K・シモンズ)に突然弓矢でナイルズが襲撃され、肩を射抜かれる。ナイルズは矢が刺さったまま近くの洞窟へと逃げ込み、サラも後を追う。ところが、洞窟のなかで赤い光に引き込まれ、目覚めると結婚式当日の朝に戻っていた。状況が飲み込めないサラがナイルズを問い詰めると、彼はすでに数え切れないほど“今日”を繰り返していた。タイムループに巻き込まれたサラとベテランタイムルーパーのナイルズは、明日を迎えることができるのか……?(KINENOTE)

監督:マックス・バーバコウ
出演:アンディ・サムバーグ/クリスティン・ミリオティ/ピーター・ギャラガー/J・K・シモンズ/メレディス・ハグナー/カミラ・メンデス

ネタバレ感想

恋愛物語的タイムループ

タイムループ系の作品が好きなので鑑賞。このジャンルの作品ってのは、ループ世界から抜け出すためにジタバタするわけだが、それだけではなく、その繰り返す日々の中で主人公が己のことを見つめなおし、最終的に成長していく姿が描かれる。もしくは、主人公が自分の罪を認め、贖罪の気持ちに芽生えることで、ループ世界から脱出できるようになる。そういう類のものが多いと感じる。

で、この作品はナイルズとサラという二人の男女が主人公で、この2人がループ世界から脱出するためにジタバタするように思わせておいて、そうでもない。どちらかというと、ナイルズのほうはループから出られない日々に満足していて、元の世界に戻ることを恐れているようにも思える。

一方のサラは、ループ世界から脱出するために、ナイルズと過ごしていた日々から離れ、一人で黙々と脱出のための勉強をするのだ。

なぜこうなるかというと、この物語の軸ともなる2人の恋愛模様の中で、互いに亀裂が入るからだ。これは恋愛ものの物語展開としてのセオリー。つまり、二人が出会う→いろいろありつつも距離を縮める→ひかれあう→しかし何かがきっかけで、その仲に亀裂が走る→袂を分かつ→どちらかが相手の重要性に気付いて仲を取り戻そうとする→ハッピーエンド。

この作品でも、ナイルズとサラの関係は上記のような展開で進んでいく。ということで、ある程度の新鮮さはあるものの、タイムループ系の名作コメディ、『恋はデジャヴ』と似たようなもんといえば似たようなもんだ。でもまぁ、そこがこの手の作品の面白味なのであり、今作も短くまとまっていてわかりづらいこともないので、なかなか楽しめます。

作品と関係ない私的な疑問

で、こっから先は、作品の評価とは関係ない話。数々のループ系の作品を観ていると、なんだかおかしいなと感じることがよくあるんだけども、この作品においてもそれがあった。繰り返すけど、それは作品の良し悪しとはまったく関係ないこと。

それは何かというに、マイルズはこの物語軸でのリサと関係を持つ前、つまりリサがループ世界に巻き込まれる前から、彼女と関係を何度も持っていたのである。要はマイルズの世界線ーー繰り返す毎日の中に当然登場してたわけだが、そのリサたちはループの世界の外にいるので、マイルズと関係を持ったとしても、おそらくその翌日に続いていく並行世界の存在なのである。

で、物語軸のリサはそうした事実を知らずにマイルズと同じループ世界に入ってくる。そして、マイルズが別の並行世界のリサと関係を持っていたことを知らず、その事実を知ったことで二人の仲に亀裂が入るわけだ。

これは何の疑問も持たずにいればなんということもない、ループ系の作品では普通にあることなんだけども、ここに俺の私的な疑問がある。

具体的に何かというと、並行世界のリサと、本編物語軸のリサは、まったくの別の存在であるということだ。並行世界のリサは、物語軸のリサではないのである。別人なのだ。これはかなり不思議なことではないか。

端的に、経験している人生が異なるからこそ、物語軸のリサはマイルズとの関係を初めてつくるのである。しかし、マイルズの世界線の中では、たくさんのリサ、物語軸のリサとは異なるリサと何度も関係持っていたのだ。そして、その何度も関係を持っていたリサたちも、どれも別人なのである。

そんなん当たり前だろと思うだろうけど、これは非常に不思議なことだ。なぜなら、現実のリアルな世界の俺たちの存在もこれとまったく同じ在り方をしているから。それは並行世界があるとかないとかいう話ではない。仮に自分のクローンができたとしたら、それは自分ではないのと同じーーそれと同じ類の話なのである。

わけわからんよね。何言ってるか。この問題の本質は何かというかを知ってもらうには、哲学者の永井均先生の著作を読むことをおすすめしたい。入門編としては『哲おじさんと学くん』がおすすめです。

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