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映画 真実の行方 ネタバレ感想 ラストまで面白い法廷もの

真実の行方
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真実の行方

やり手で野心家の弁護士が、カトリックの司教を殺害した疑いで逮捕された青年を弁護するために調べてたら、事件の背後に権力者の影がちらつきだしたうえ、青年自身にも精神異常者の疑いが出始める。最終的に事件解決してみたら、さらに隠された真相が明るみになる法廷サスペンス劇。ネタバレあり。

―1996年公開 米 130分―

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解説とあらすじ・スタッフとキャスト

解説:野心家の弁護士が担当した、ある事件の顛末を描く法廷サスペンス。意外性に富んだストーリーの妙と、それを生かす巧みな演出と演技が見もの。「シャーキーズ・マシーン」の原作者として知られる作家ウィリアム・ディールの同名長編小説(福武文庫・刊)を、「ハッスル」「シシリアン」のベテラン、スティーヴ・シェイガンと「コピーキャット」のアン・ビダーマンが4年がかりで脚色。監督には『ヒルストリート・ブルース』『L.A. Low/7人の弁護士』『NYPD/ブルー』などのTVドラマシリーズを手掛け、これが初の劇場用映画となるグレゴリー・ホブリットが当たった。製作のゲイリー・ルチェシとエグゼクティヴ・プロデューサーのハワード・W・コッチ・ジュニアは、「バーチュオシティ」のコンビ。撮影は「ライジング・サン」のマイケル・チャップマン、音楽は「ウォーターワールド」「陪審員」のジェームズ・ニュートン・ハワード、美術はジャニーヌ・クラウディア・オップウォール。編集はホブリットのTV時代からのコンビであるデイヴィッド・ローゼンブルーム、衣裳は「あなたが寝てる間に…」のベッツィ・コックスがそれぞれ担当。主演は「トゥルーナイト」のリチャード・ギア。共演は「コンゴ」のローラ・リニー、レオナルド・ディカプリオに決まりかけた役を射止めて本作でデビューしたエドワード・ノートン、「ザ・シークレット・サービス」のジョン・マホニー、「キルトに綴る愛」のアルフレ・ウッダード、「ファーゴ」のフランセス・マクドーマンドほか。(KINENOTE)

あらすじ:冬のシカゴ。大司教ラシュマンが自宅で全身をナイフで刺されて殺され、事件直後、現場から血まみれで逃亡した19歳の青年アーロン(エドワード・ノートン)が逮捕された。マスコミに注目されて華々しく活躍する弁護士マーティン(リチャード・ギア)は事件を知るや、自ら彼の弁護を無償で引き受けた。アーロンは数年前、路頭に迷っていたところを大司教に拾われて以来、ミサの手伝いをする侍者として仕えてきた。彼はマーティンに、父親も同然の大司教を殺すはずはないと言う。アーロンは事件当日、何者かが現場にいたようだと言うが、彼の記憶はそこで途絶えていた。第三者が現場にいたか否かも定かでなく、マーティンは裁判に勝つためアーロンに、裁判中はただ無心な顔でただ座っているようにと指示する。初公判が開かれたが、州検事ショウネシー(ジョン・マホニー)が指名した担当検事は、マーティンのかつての弟子で恋人でもあったジャネット(ローラ・リニー)だった。彼女はアーロンを第一級殺人罪で告訴する。マーティンは完全黙秘で時間を稼ぎ、その間に精神科医アーリントン(フランセス・マクドーマンド)に、マーロンの失われた記憶の分析を依頼した。さらに彼は、死体の胸に刻まれていた“B32‐156 ”という文字からヒントを得て、大司教が川岸の宅地開発を中止に追い込んだことで投資家たちから恨まれていたことを知る。この開発には州検事も一枚加わっていたらしい。だが、それを証言しようとしたやくざ者のピネロ(スティーヴン・バウアー)は間もなく水死体で発見された。同じ頃、ジャネットは“B32‐156 ”が教会の図書につけられた記号であることを突き止めていた。該当する『緋文字』の頁には、アーロンが大司教を恨んでいたことを暗示する文が記されていた。ジャネットは次々と物証を突きつけるが、マーティンはその場に第三の人物がいた可能性を主張して立ち向かう。一方、アーリントン女医は度々アーロンと面接し、精神分析を進めていた。ある時、彼の恋人で、事件後に姿をくらましたリンダという少女の名前を出すと、彼は激しく動揺し頭痛を訴える。また、マーティンはアーロンの部屋に忍び込んでいた青年アレックスから「悪魔祓い」の模様を収めたビデオテープの存在を聞き出した。そこには、人々から敬愛されていた大司教の、法衣の下に隠された思いも寄らぬ行為が映し出されていた。不純な性行為を強要され、大司教に憎しみを抱いたアーロンが真犯人だったのか? 事件は川岸開発絡みではなかったのか、というマーティンの推測はあえなく覆された。第三者の存在を立証しようとしていたマーティンはアーロンに完全に裏切られていたと思い、拘置所の彼に詰め寄る。アーロンが再び激しく動揺した次の瞬間、彼の態度は豹変し、マーティンに暴力を振るって恫喝した。アーリントンは、彼は二重人格で、事件は“ロイ”という別の人格が現れた時に行われたのではないかと言う。争点を精神異常に切り換えることはできないため、マーティンは証拠のテープをジャネットに届け、検察側から提出せざるをえない状況に仕向け、大司教の別の顔が白日の下にさらされた。最終公判でマーティンは、わざとジャネットに激しくアーロンを追求させ、彼を追い詰めさせる。その時、“ロイ”の人格が現れてジャネットに暴力を振るい、法廷は騒然となった。ショート判事(アルフレ・ウッダード)は裁判の中止を命じ、アーロンは精神異常者として病院に収容されることになった。拘置所の彼にそのことを告げたマーティンが帰りかけた瞬間、彼は恐ろしいことに気づいた。「“ロイ”は存在しなかったのか?」と聞くマーティンに、彼は哄笑しながら「初めから存在しなかったのは“アーロン”の方だったのさ。リンダも俺が殺した」と衝撃の告白をした。二重人格は彼の巧妙な芝居だったのだ。だが、もう全ては遅い。外に出たマーティンは、呆然として立ち尽くした。(KINENOTE)

監督:グレゴリー・ホブリット
出演:リチャード・ギア/ローラ・リニー/フランシス・マクドーマンド/エドワード・ノートン/モーラ・ティアニー

ネタバレ感想

リチャードギアVSエドワードノートン

90年代の作品。存在を知らなかったがネットフリックスで見つけて鑑賞した。個人的にリチャードギアって別に印象がない役者なんだけど、このブログでは彼の主演作品をそこそこ紹介してて、その中でも今作はけっこう面白い内容だったな。

法廷もののサスペンスで、エドワードノートン演じるアーロンの無実を証明するため、リチャードギア扮するマーティン弁護士が精神科医や元恋人で対立することになる検事のジャネットらを巻き込んでジタバタする話。

そこに、以前マーティン弁護士が担当した地元ギャングのボスが絡む土地買収問題が絡んできて、そこに事件の被害者である司教や、検察のボスら権力者たちの悪事が示唆されてくるのである。

この話が出てきたことによって、アーロンの事件は巨大な権力の腐敗を暴く話になるのかと思いきや、その件はどちらかというと、検察を辞めて弁護士になることになったマーティンが当時の上司に恨みを晴らすだけの展開に使われてる感があって拍子抜け(笑)。

その件が終わってからは、アーロンには別人格があることを発覚し、その別人格、ロイの存在を法廷で証明するためにマーティンが試行錯誤することになる。そんでまぁいろいろあって、別人格のロイは法廷で自らの存在をさらすことになり、審理が無効。アーロンは精神病院で鑑定を受けたのち、釈放される運びになる。

その一連の流れの中で、マーティンは元恋人の検事とよりを戻しそうな雰囲気を漂わせて劇終ーーと思わせておいて、ラストでちょっとしたサプライズ。アーロンにあいさつに出向いたマーティン。無実を証明して抱き合う二人だったが、ちょっとしたアーロンの発言に違和感を覚えたマーティンが問いただすと、ロイが姿を現すのである。

アーロンの正体は?

そこで明かされた真実は、ロイが主人格というか、アーロンという人間がさも存在したかのようにロイが演じていたということ。要するに、ロイは自分の意志で恋人のリンダを殺し、司教も殺し、さも別人格のアーロンという人間がいるかのように、芝居をしていたのだ。そしてそれに、マーティンや精神科医らみんなが騙されていたのである。さらにロイは、第一級殺人を犯したのにも関わらず、社会的にはアーロンとして釈放されるのであった。

なるほど。これはすごいね。殺人犯を裁く物語の中では、こういう精神障害を抱えてるかどうかってので無罪になったり有罪になったりするパターンはあると思うけど、この作品はそれを逆手にとって、精神障害と見せかけた健常者が犯人だったのである。どんだけ芝居上手なんだよって思うが、エドワードノートンがそれっぽくその立場を演じちゃってるわけだから、役者の中にはもしかすると、ロイのように演じられる人もいるんかもなぁとか思わなくもないでもない。

にしても、ロイはヒョロガリの癖に、なぜか喧嘩がメチャクチャ強いとこだけは、少し違和感があった。それとも、マーティンが弱すぎるのか(笑)。

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