ピエロがお前を嘲笑う
友だちのいないハッカーのベンジャミンが、ひょんなことで知り合った3人組とチームを組み。ハッキングの世界で名を成していくことで、同業者や警察組織から目をつけられて窮地に陥り、チーム崩壊およびムショ送りの危機に。果たしてどうなってまうのかーーというのが超適当なあらすじ。ネタバレあり。
―2015年公開 独 105分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:「コーヒーをめぐる冒険」のトム・シリングが主演したドイツ製スリラー。警察に出頭した天才ハッカーの自白を元に調査を開始した捜査官が、次々と証言と食い違う事実を目の当たりにして、疑念を深めてゆく。全編に仕掛けられたトリックが話題を集め、ドイツアカデミー賞で6部門にノミネート、ハリウッドリメイクも決定している。(KINENOTE)
あらすじ:世間を震撼させたハッキング事件を次々と起こし、遂に殺人の容疑者として追われていた天才ハッカー、ベンジャミン(トム・シリング)が警察に出頭してくる。自分が盗んだ情報を元に、殺人事件が発生し、今度は自分自身の命が狙われているというのだ。彼の話は、次のようなものだった。学校では苛められて孤独に過ごしていたベンジャミン。世界をハッキングすることを夢見る未来の革命家マックス(エリアス・ムバレク)に才能を見込まれた彼は、その仲間に加わる。やがて、マックスの仲間ステファンやポールと共に、ハッキングチーム“CLAY”を結成。ドイツ経済界の管理システムをハッキングし始める。だが、その行動は、ヨーロッパ警察ユーロポールやライバルのハッカーチーム“MrX”の関心を引く結果となった。さらに危険な世界へ足を踏み入れたベンジャミンたちCLAYのメンバーは、ユーロポールやMrXのみならず、ロシアのサイバーマフィア“FR13ENDS”まで巻き込み、やがて命の危険に晒されるようになってしまう。そこから抜け出せるかどうか、全てはベンジャミンの天才的なサイバー能力にかかっていたというのだが……。捜査官はその自白を元に捜査を始めるが、証言内容に合致しない事実が次々と明らかになってゆく……。(KINENOTE)
監督・脚本:バラン・ボー・オダー
出演:トム・シリング/エリアス・ムバレク/ボータン・ビルケ・メーリング/アントニオ・モノー・Jr./ハンナー・ヘルツシュプルンク/トリーネ・ディアホルム
ネタバレ感想
最初っからベンジャミンが捜査官の前で自白を始めるシーンからスタートするので、なんとなくオチで驚かされる系の作品なんだろうなってわかっちゃう。
しかも、きっとこのベンジャミンは信用できない語り手なんだろうなって思ってたらやっぱりそうで、彼の母は多重人格者であって、ベンジャミンにも遺伝的にその疑いがあったことが終盤で判明するのだ。
このままラストまで行っちまうと、多重人格もののオチな類似作品なんてもはや腐るほどあるので、さすがにそれはないだろうなと思っていたら、確かにそうはならない。多重人格者であることをダシにしてベンジャミンは友人を救うのである。だが、そのトリックには捜査官も一枚噛んでいたというか、黙認したというべきか。まぁでも、そんな感じでハッピーエンド的なラストを迎えて劇終。
別につまらなくはないんだけども、面白いとも言い難い内容だったなぁという印象だ。単にストーリーを追っていけばいいだけの話なんで、その過程が面白くなかったらどうしようもない。そして、その過程が大して面白くないのだ。何でかって言うと、この主人公に魅力がないからではないか。
他者との付き合いが苦手な天才ハッカーで、そいつが偶然得た仲間と一緒に事件を起こすことで成長していくってな物語ではあるんだけども、明確にこいつが成長したようなシーンがなくて、何で最後にヒロインがこいつらとベンジャミンに惹かれたのかがようわからんし、そもそもなんでこの女がラストで運命共同体になったのかもわからん。
そして、ごめんだけど彼女の容姿に魅力がない。これも物語の結末に説得力を持たせないポイントになっている。あくまで俺の感想ではあるが。
コメント