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映画 ここは退屈迎えに来て ネタバレ感想

ここは退屈迎えに来て
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ここは退屈迎えに来て

地方都市に住む女性たちが閉塞的な田舎町の中で、過去を振り返ったり現状の立ち位置に悩んだりする姿が描かれる群像劇。タイトルどおりに退屈なので人を選ぶ作品。ネタバレあり。

―2018年公開 日 98分―

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解説とあらすじ・スタッフとキャスト

解説:地方都市に住む女性の心模様を綴った山内マリコの同名連作短編集を、廣木隆一監督が映画化。実家に戻り冴えない日々を送る中、高校時代に憧れていた椎名くんを探す「私」。元恋人・椎名を忘れられない「あたし」。退屈を埋める何かを椎名くんに求めるが……。「ママレード・ボーイ」「彼女の人生は間違いじゃない」など恋愛映画を数多く手がける廣木隆一監督が、居場所を求める女性たちの心情を掬い取る青春群像劇。出演は「美しい星」の橋本愛、「世界は今日から君のもの」の門脇麦、「ニワトリ★スター」の成田凌ほか。ロックバンド、フジファブリックが主題歌および劇伴を手がける。(KINENOTE)

あらすじ:何者かになりたいと東京で就職してから10年、「私」(橋本愛)は何となく実家に戻る。フリーライターとしてタウン誌で記事を書いているものの、親からはフリーターとして見られている。冴えない日々を過ごしていた「私」は、高校時代に仲の良かった友達と久々に会った勢いで当時の憧れの的だった椎名くん(成田凌)に連絡して会いに行くことになる。その道すがら、「私」の脳裏に椎名くんとの忘れられない思い出が蘇ってくる。一方、別れた椎名への思いをまだ引きずっている「あたし」(門脇麦)は、東京への憧れと畏怖を併せ持ち地元を出ずにいた。椎名の取り巻きの中でも特に冴えない男が彼氏面してきて断るのも面倒くさく適当に遊んでいるが、心は椎名といたときの青春の輝かしい記憶に囚われたまま。二人は、この場所にはない自らの退屈を埋めてくれる何かを椎名くんに追い求める……。(KINENOTE)

監督:廣木隆一
原作:山内マリコ(『ここは退屈迎えに来て』(幻冬舎文庫))
出演:橋本愛/門脇麦/成田凌/渡辺大知(黒猫チェルシー)/岸井ゆきの/内田理央/柳ゆり菜/マキタスポーツ/村上淳

ネタバレ感想

誰にも感情移入できない

原作は未読。冒頭で紹介したように、20代後半くらいと思われる女性たちの群像劇。過去と現在を行ったり来たり、いろいろな女性たちが登場するので、物語に入り込むのが難しい。

ついでに言うと、俺は感情移入できる人が全然いなかったので、かなり鑑賞するのが苦痛であった。好きな人は好きなんだろうなと思うが、俺はそっちに類する人間じゃないってことだな。

椎名ってどこに魅力があるの?

この物語において、お話を推進する役割を果たすのは椎名っていう男で、こいつが高校時代かなりモテて、同性からも好かれていて、要するに人気者。彼のことが10年経っても忘れられない元カノがいたり、彼にあこがれて、唯一コミュニケーションできたときの思い出が忘れられない子がいて、他にも、同性(性同一性障害かなと思わせる描写もあり)の新保って男も、彼にあこがれていたようで、卒業後も就職の世話をしてやったりしてる。

とかまぁ、椎名ってのはとらえどころがないし、行き当たりばったりで生きているような男。こいつがどうしてあんなに人気があったのか、俺にはさっぱり理解できなかった。何の魅力も感じないのである。

ところが、この作品においては、自分の人生の退屈さを、彼が埋めてくれるような幻想を抱いている人がたくさんいて、自らの力で何かを変えようとする人はいないのだ。そんなんあるかね。

それがもしかすると、最近の若者の空虚で希望のない生活をうまく表現できているのかなと思わなくもないけども、そんな普遍性があるようにも感じられない。

ラストのセリフの意味

唯一、椎名の妹は若い時から目的をもっていたようで、家庭教師みたいな人に勉強を教えてもらっている。んで、ラストでは彼女が東京に出て暮らしている姿が出てきて、「楽しい」とつぶやいて物語は終わる。

しかし、その「楽しい」が別に楽しそうには思えない表情とセリフなので、けっきょく彼女がどんなことを思っているのかは、俺にはわからんかった。そのため、他の人物たちが自ら道を切り拓かずに椎名の影にすがる生き方と対極に置かれているような彼女の存在が、作品内で肯定されているのだと断言することもできず、要するに、わけがわからん話だったのである。

とはいえ、俺もボンクラ高校生だった時、将来に対する理想みたいなのは思い描いてたけども、それに向かっての努力なんてせずに、楽しくはありつつも、怠惰かつ、いろいろの個人的葛藤もあって悶々とした暮らしをしてたのを思い起こすに、椎名周辺の奴らの高校時代の過ごし方は、わからんくもない部分はあった。

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