ハッピー・デス・デイ
過去のホラーやタイムループ作品の要素を混ぜ合わせた感じの青春タイムループホラー。少しコメディ要素もあって、ホラー的な恐ろしさは薄め。でも評判よいだけあって、楽しめる。ネタバレあり。
―2019年公開 米 96分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:「ゲット・アウト」「ハロウィン」のジェイソン・ブラムが製作を務めたタイムループホラー。女子大生ツリーは誕生日の朝、男子学生のベッドで目を覚ます。その日が終わる頃、彼女は何者かに惨殺されてしまうが、再び誕生日の朝、同じ部屋で目を覚ますのであった。出演は「ラ・ラ・ランド」のジェシカ・ロース、「ブリングリング」のイズラエル・ブルサード。監督は「パラノーマル・アクティビティ 呪いの印」のクリストファー・ランドン。(KINNOETE)
あらすじ:キャンパスの女子寮に暮らす高飛車な大学生ツリー(ジェシカ・ロース)。遊んでばかりの彼女は、誕生日の朝も見知らぬ男子学生カーター(イズラエル・ブルサード)のベッドで頭痛とともに目を覚ます。だがすぐに今日は何かが普段と違うことに気付き、また何もかもがすでに経験しているように感じるのだった。慌ただしくいつも通りのルーティンをこなし、夜のパーティーに繰り出そうとする彼女だったが、突如マスク姿の殺人鬼に刺し殺されてしまう。ところが目覚めるとまたも誕生日の朝、ツリーはカーターのベッドの上にいるのだった。そして再び同じ1日を繰り返し、また殺されてしまうツリー。彼女はエンドレスのタイムループにはまりこんでいたのであった。ループを止めるには犯人を見つけることだと気付いたツリーは殺されても、殺されても殺人鬼に立ち向かってゆく。果たして彼女は誕生日を乗り越え“明日”を迎えられるのか……。(KINENOTE)
監督:クリストファー・ランドン
出演:ジェシカ・ロース/イズラエル・ブルサード
ネタバレ感想
個人的には時間移動や同じ日時を何度も繰り返すタイムループ系の作品がけっこう好きなので、今作に対する期待値も高く、レンタルを楽しみにしていた。で、貸し出し始まって速攻でシリーズ2作を鑑賞。
期待通りの内容だったかと言えば、娯楽作品としてはいい出来だなと思った。俺がどうして時間移動やタイムループ系の作品が好きかというと、個人的な疑問点を他人に紹介するにあたり、こうした作品で生じるおかしな部分とかを考えると、それがうまく説明できるような気がするから。
この作品についてもそうした個人的な疑問を紹介しつつ感想を述べようと思ったけど、よく考えたら類似作品でそれは散々やっているので、今回はやめとく。
例えば下記の作品。
過去作の要素をうまく取り入れている
てなことで、それはおいておいてこの作品について語ると、まず、主人公のツリーという女性が非常に嫌な奴である。ビッチだ。彼女がなぜそういう奴なのかは、鑑賞を進めるうちにわかってくる。そして彼女は、タイムループを繰り返すことで己の内面と向き合うようになり、最終的には成長を遂げてハッピーエンドを迎えるのだ。
ーーというふうに書いてみると、これは作品内でも言及されたようにタイムループ系作品では有名かつ名作の『恋はデジャヴ』と似たようなテイストの映画だ。それにホラー要素としては『スクリーム』のような軽いタッチの演出を組み込んだことで、新鮮な印象の娯楽作品に仕上がっている。
ツリーとカーターの関係
ツリーと最終的には恋仲になるカーターはけっこう映画に詳しいようで、部屋にはジョン・カーペンター先生の監督作、『ゼイリブ』のポスターなどを飾っている。他にもツリーに対して「あの映画知らないの?」みたいなセリフを言うシーンがあるので、けっこうオタクぽい奴のように感じる。そんな彼とビッチのツリーでは住む世界が違うんだけど、ツリーは何度かループを繰り返す中で、彼の内面を知ることになり、惹かれるようになっていくわけだ。
この辺の人物設定もうまくできているなと思った。
で、物語に興を添えるマスクをかぶった殺人鬼がいったい誰なのかというミステリー要素は、さいごのほうまで当然明かされない。そして、明かされてみると、なるほどそういうことかと思わせるし、特につじつまの合わなさも感じない終幕を迎えるので、評価されているのも納得できる、娯楽作品。けっこうおすすめです。
ちょっとした疑問
ちなみに、繰り返される朝の描写で、サークルの男みたいなのが気絶するシーンがある。あそこで男たちが変な歌みたいのを歌ってるんだけども、なぜか、ある朝では「ビールが26本」と言っていたり、「ビールが23本(確か)」と言っていたり、微妙に本数が異なっていたように思う。あと、今日は何日だっけ? とツリーが聞くシーンでも「19日火曜」「18日月曜」とか微妙に答えが異なっていることがあったような(気がする)…。
俺はアマゾンプライムでレンタルしたんだけども、これは単に訳が間違っていたのだろうか。ビールの描写については、本数が違うことで、実はツリーが別次元のパラレルワールドに移動し続けていることを示唆しているのかなと思ったが、たぶん考えすぎかな。後者の日にちのくだりで考えると、ツリーの誕生日が繰り返されるわけだから、日にちが違うのはおかしいもんね。
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