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映画『ヘドローバ』ネタバレなし感想 銭湯の戦闘シーンが楽しい

ヘドローバ
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ヘドローバ

くたびれた団地の住民を搾取して暮らしている祖母と、彼女の孫である兄弟。3人は悪びれもせずに汚い手を使って金を稼いでいる。そんな閉塞した団地世界の中に、ある生き物が生まれようとしてた。果たしてどうなってしまうのか――という話。ネタバレなし。

―2017年公開 日 79分―

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解説とあらすじ・スタッフとキャスト

解説:「全員死刑」の小林勇貴監督が、商業映画から一転、インディペンデントスタイルで撮り上げた問題作。不良しか住んでいない団地で彼らを仕切るひとりの老婆。カルトな宗教団体を運営し、強盗、詐欺など犯罪に手を染めながら金を稼ぐ老婆ファミリーだったが……。出演は「0091ゼロゼロクノイチTHE END OF THE BEGINNING」の木ノ本嶺浩、「孤高の遠吠」のウメモトジンギ、「ダブルミンツ」の一ノ瀬ワタル、「キネマ純情」の洪潤梨、「凶悪」の竜のり子、「アリーキャット」の品川ヒロシ、「ジムノペディに乱れる」の板尾創路。プロデューサーは「進撃の巨人」「シン・ゴジラ」などで特殊造型を担当した西村喜廣。(KINENOTE)

あらすじ:不良しか住んでいない団地。そんな彼らのボスはひとりの老婆だった。老婆ファミリーはカルトな宗教団体を運営しながら、犯罪に手を染め、金を稼いでいた。ギャングとの抗争、強盗、詐欺、薬物中毒、自殺……。危険な団地の危険な日常。そしてある日、団地をモンスターが襲う……(KINENOTE)

監督・脚本・撮影・編集:小林勇貴
出演:木ノ本嶺浩/ウメモトジンギ/一ノ瀬ワタル/洪潤梨/竜のり子/望月卓哉/住川龍珠/品川ヒロシ/板尾創路

感想

序盤からモンスターの登場を匂わせているもの、ラスト近くになるまではそれは姿を現さない。現わしてから劇終までの展開は何だか意味がわからないし、鑑賞し終えてから考えてみてもなんだかよくわからない映画だったというのが素直な感想。

ただ、モンスターが出てくるまでの展開は楽しめた。監督は富士宮市出身の人なんだったっけ? このブログでも地方都市で荒んだ生活を送る若者たちの生活を描いた最近の作品をいくつも取り上げてるけど、小林監督もそうした世界を描く人としては、代表的な一人であろう。

今作においても団地を支配するイカレた祖母とその孫2人の無軌道な行いが存分に描かれていて、そこが楽しめる。特に銭湯での兄弟喧嘩からの乱闘シーンは本当にいい。そのほかも、とにかく何を目指して生きているのかよくわからんボンクラ兄弟のめちゃくちゃさ加減。ぜったい自分の生活圏にはいてほしくない人たちではあるが、遠目から見ている分には面白くも切なく、とはいえやっぱり酷い人間だなぁと思わせる突き抜け感があって、目が離せないのである。

レンタルしたDVDの特典映像には、製作時のエピソードなどが入ってて、監督の声も聞ける。写真とか観るに、ものすごく強面な面構えな人なんだけど、この特典映像では物腰が柔らかくて優しそうな表情をしている人だったのが意外。でも、昔はバイオレンスな日常の中で育った人らしいので、彼の描く作品の登場人物たちは、自分とはまったく違うところに生きている人という意味では現実感がないけども、なぜかリアリティを感じる瞬間があるのだ。

あと印象的だったのは、特典映像で監督が撮影した場面についてスタッフと話しているところ。映画を撮るのがすごく好きなんだろうなと思わせるような、本当に楽しそうな、イキイキとした表情をしていた。商業主義に染まらずに、自分の思うままの表現を続けてほしいものです。

という感想だけども、この作品内の撮影で子どもの出演者に酷いことしてたみたいね。特典映像にそれが入ってたかは覚えてないんだけど、最近そんな話題がニュースになってた。2022/04/26

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