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映画 死刑にいたる病 ネタバレ感想

死刑にいたる病
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死刑にいたる病

10代の若者をたくさん殺して死刑判決を受けた榛村(はいむら)は、最後の殺人は自分の犯行ではないと主張。彼と過去に交流のあった大学生の雅也に手紙を送り、真犯人を捜してほしいと依頼する。榛村の真意とは、そして雅也は真犯人を突き止めることができるのかーーという話。最後まで興味を持って観られるが、突っ込みどころも多い普通作品。ネタバレあり。

―2022年公開 日 129分―

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解説とあらすじ・スタッフとキャスト

解説:櫛木理宇による同名小説を原作に白石和彌監督が映画化。鬱屈した日々を送る大学生・雅也のもとに、24件の殺人容疑で逮捕され、死刑判決を受けた榛村から1通の手紙が届く。榛村は犯行当時、雅也の地元でパン屋を営んでおり、中学生だった雅也もよく店を訪れていた。出演は「彼女がその名を知らない鳥たち」の阿部サダヲ、「望み」の岡田健史、「名も無き世界のエンドロール」の岩田剛典。(KINENOTE)

あらすじ:理想とは程遠いランクの大学に通う雅也(岡田健史)は、鬱屈した毎日を送っていた。そんなある日、彼のもとに1通の手紙が届く。それは世間を震撼させた稀代の連続殺人事件の犯人・榛村(阿部サダヲ)からのものだった。24件の殺人容疑で逮捕され、そのうちの9件の事件で立件・起訴、死刑判決を受けた榛村は、犯行当時、雅也の地元でパン屋を営んでおり、中学生だった雅也もよくそこに通っていた。手紙の中で、榛村は自身の罪を認めたものの、最後の事件は冤罪だと訴え、犯人が他にいることを証明してほしいと雅也に依頼する。そんな榛村の願いを聞き入れ、雅也は事件を独自に調べ始めるが……。(KINENOTE)

監督:白石和彌
原作:櫛木理宇(「死刑にいたる病」(ハヤカワ文庫刊))
出演:阿部サダヲ/岡田健史/岩田剛典/宮崎優/中山美穂

ネタバレ感想

レンタルで鑑賞。原作は未読。それなりに面白そうなストーリーだし、白石和彌監督作ってことで期待したんだけど、そんなに楽しめなかったなぁ。

阿部サダヲ演じる榛村って人間は、根っからのサイコパスみたいな奴で主人公の雅也やその恋人となる女性は最後まで彼に操られてましたってな話みたいだが、だから何なん? そういう恐ろしい人間がいるってことなんかねぇ。

操られてる奴とか、榛村に殺されちゃった人たちは自己の承認欲求が満たされてないような人たちっぽくて、多くが親から虐げられてたらしい。そういう意味では虐待が蔓延る社会の構造的問題について示唆しているのかもしらんが、それを強烈に感じさせる内容ではなく、あくまでも雅也の心の動きや操られっぷりと、それを行う榛村のヘンテコさが描かれるだけ。

虐待を受けてた若者が榛村の優しさに触れて相手を信用してしまうってのはわからんでもない。ないけども、榛村に兄弟で傷つけあう遊びを強要されてた兄のほうの行動にはよく理解できない部分が多く、しかも弟の存在がなきものになっちゃってるのはどういうこと?

あと、中山美穂演じる雅也の母は、物語展開において重要な役割を果たしている割に、雅也との関係性は特に進展することもなく、単なる他人のように描かれるだけで、終盤ではまったく存在感が消えてこれまたなきものになっちゃっているのも不満。

榛村は証拠を残さないように24人もの若者を殺害しているわけだが、田舎の街で多くの、しかも同年代の若者が消えているわけだから警察が容疑者を特定するのにメチャクチャ時間がかかってるのもなんだかねぇ。24人目の殺しの対象なんて、白昼堂々と車に押し込んで拉致、暴行してるわけで、あんな適当犯行をしてる奴が23人の殺しで証拠を残さずにいられたってのも、あんまり説得力がない。

ついでに、アルバイトという名目で雅也は探偵めいたことをするわけだが、被害者の関係者たちが、あんなにペラペラ話をしてくれることにもリアリティがなく感じちゃう。弁護士も弁護士で、あんな感じに雅也を使っちゃってるのは社会的にヤバいことなの知ってるくせに、あそこまで放置してることの意味もよくわからん。

白石監督の作品はそれなりに観てるが、個人的には『日本で一番悪い奴ら』とか『孤狼の血』みたいなテイストの犯罪作品やバイオレンス作品が好きだな。

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