バイオハザード・アイランド
別にアクション要素がいっぱいあるわけでもないし、ハラハラドキドキするような場面があるわけでもないし、オススメはできないゾンビ映画だ。でも、個人的にはそれなりに楽しめた。それはなぜなのか。ネタバレ少し
―2012年製作 米 88分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:ゾンビが支配する世界で戦うヒロインの姿を描いたアクションホラー。ゾンビが支配する魔の世界と化したアメリカ。救急救命士のエルビスに助けられた若き女性生存者・ツイーターと10歳の少年・コーディは、ゾンビのいない孤島の楽園を目指すのだが…。(KINENOTE)
あらすじ:私の名前はツイーター。ここは私の望む世界じゃない! アメリカ全土はゾンビが支配する魔の世界と化していた。マイアミで隠遁生活をおくっていた救急救命士のエルビスは、若き女性生存者ツイーターと 10歳の少年コーディを助ける。やがて彼らは、老人のアドバイスでにゾンビのいない「孤島の楽園」を目指す。苦難の末、やっと島にたどり着くが、そこは楽園どころかあのマイアミより劣悪な閉ざされた世界だった。迫り来るゾンビ、悪い奴ら、恐ろしい秘密、・・・か弱き女性ツイーターは、ついに武器を手に戦士となることを決意する。この「絶望」から脱出するために・・・・ (Amazon)
監督・製作:アダム・デヨー
主演:マリッサ・メリル/スコット・ピート/ジェームス・C・バーンズ
ネタバレ感想
当然、『バイオハザード』シリーズではない
ジャケットの写真はヒロインだけ。さらに、引用した解説やあらすじは、やたらとヒロインのことを強調しているけど、主人公は元救急救命士で男性のエルヴィスだと思うぞ。なんでこうなるのかと思ったら、原題『dead season』の邦題を『バイオハザード・アイランド』にしたからだろう。
要するに、映画版のバイオハザードシリーズの知名度に便乗しようとしたってことですな。なので、上記2つの引用はかなりの誇張がある。特にAmazonのほう、「か弱気女性ツイーターは、ついに武器を手に戦士となることを決意する」とか言ってるけど、このヒロイン最初っから結構気が強いし、決意なんてせずとも普通に武器を使ってたと思うんだが(笑)。
人肉食料設定で、それなりに楽しめた!
あんまり期待しないで鑑賞したものの、数ある駄作ゾンビ作品の中ではそれなりに楽しめる内容であった。何でか考えてみたところ、ゾンビの犠牲になった人々の死体を、ゾンビ化する前に確保して、その肉を食料にしているコミュニティが描かれていた点にあると思われる。
ではその人肉食コミュニティが鬼畜集団なのかと言えばそうでもなく、ボスを中心にそれなりにまとまっている秩序ある集団なのだ。ボスは娘狂いになっているせいか、多少変質的な部分があるように見えるものの、組織をそれなりに掌握できる力を持った人物として描かれている。
彼が有能でないと、この映画で描かれるような集団生活はできないと思うので、そこをきちんと納得できるように描写している点には好感を持った。考えてみれば、ボスは娘を大事に思うからこそ、ゾンビからコミュニティを守るべく頑張っていたんだろう。だから、最終的にこの集団が破滅するのがボスの娘狂いが元凶になっているところなんかにも、説得力があったと思う。
そんなわけで、この手のゾンビ作品の中では、けっこう楽しめた。もちろん、個人的にである。
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