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映画『カリートの道』ネタバレ感想 ラストに流れるエンディングテーマが切ない

カリートの道
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カリートの道

数年に一度見たくなる作品。主人公、カリートの筋を通す生き方に初見時は痺れたものだ。自分の生き方を「変えることができない」と語るシーンなんて素晴らしいと思うけど、その頑なさが彼を死地に向かわせることになる。ネタバレあり。

―1994年公開 米 144分―

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解説とあらすじ・スタッフとキャスト

解説:愛する女のために足を洗おうとしながらも、周囲によっていやおうなく再び悪に手を染めざるをえなくなる男の姿を描いた犯罪ドラマ。「スカーフェイス」以来、10年ぶりにアル・パチーノとブライアン・デ・パルマがコンビが組んだ。元ニューヨーク州最高判事のエドウィン・トレスの2編の小説Calito’sWayAfterHoursを原作に、「ジュラシック・パーク」のデイヴィッド・コープが脚本を執筆、「レイジング・ケイン」のブライアン・デ・パルマの監督で映画化。撮影は「ボディ・ダブル」「アンタッチャブル」などで監督とコンビを組んだスティーブン・H・ブラム。音楽は「愛と死の間で」のパトリック・ドイルで、ジョー・コッカーの『ユー・アー・ソー・ビューティフル』などの70年代のヒットナンバーが効果的に使われている。美術は「ディック・トレイシー」などで2度アカデミー賞を受賞したリチャード・シルバート。主演は「セント・オブ・ウーマン 夢の香り」のアル・パチーノ。共演は「カジュアリティーズ」のショーン・ペンほか。(KINENOTE)

あらすじ:1975年、ニューヨーク。カリート・ブリガンテ(アル・パチーノ)は、組織のお抱え弁護士クレインフェルド(ショーン・ペン)の尽力で、30年の刑期を5年で終えて出所した。かつては麻薬王としてならした彼も、今度こそ足を洗い、バハマのパラダイス・アイランドでレンタカー屋を営むことを夢見ていた。だが、従兄弟の麻薬取引のトラブルに巻き込まれたカリートは、心ならずも手を血で染める。彼は昔なじみのサッソ(ホルヘ・ポルセル)のディスコに、死んだ従兄弟の金を投資し、儲けを貯め始める。街はすっかり様変わりし、信頼していた仲間のラリーン(ヴィーゴ・モーテンセン)は検事となって偵察にきたうえ、チンピラのベニー・ブランコ(ジョン・レグイザモ)がのしていた。昔の恋人であるダンサーのゲイル(ペネロープ・アン・ミラー)と再会したカリートは、彼女への愛に生きることを誓う。その頃、コカインと汚れた金に溺れていたクレインフェルドは服役中のマフィアのボス、トニー(フランク・ミヌッチ)に脅され、脱獄の手引きをさせられる。彼に恩義があるカリートは断りきれずに手を貸す。だがクレインフェルドは深夜のイーストリヴァーで、脱獄したトニーとその息子フランクを殺す。間もなく彼はマフィアに命を狙われて重傷を負う。一方、ノーウォーク検事(ジェームズ・レブホーン)はカリートに、クレインフェルドの犯行を証言すれば免罪にすると司法取引を持ちかける。検事は、彼がカリートをハメようと虚偽の証言をしたテープを聞かせた。カリートは取引に応じず、裏切り者のクレインフェルドをマフィアに殺させるように仕向けてカタをつけた。ゲイルと落ち合うグランド・セントラル駅へ急ぐカリートは、追って来たトニーのもう一人の息子ヴィニー(ジョゼフ・シラーヴォ)一味と構内で壮絶な銃撃戦を演じる。ゲイルと列車に乗り込もうとした瞬間、カリートは寝返った用心棒のパチャンガの手引きでベニーに撃たれ、静かに息絶えた。(KINENOTE)

監督:ブライアン・デ・パルマ
出演:アル・パチーノ/ショーン・ペン/ペネロープ・アン・ミラー/ジョン・レグイザモ/ルイス・ガスマン/ジェームズ・レブホーン/ヴィゴ・モーテンセン

ネタバレ感想

ブライアン・デ・パルマが監督でアル・パチーノ主演と言ったら『スカーフェイス』が有名だけど、この作品も劣らぬ面白さ。

何度鑑賞しても、カリートは足を洗ったのに何人も人殺ししてるんだから、あのタイミングでベニーも殺っておくべきだったのに――と思ってしまう(笑)。あとは、車いすのラリーンの裏切りを簡単に見抜く割には、なんでパチャンガのそれには気付けなかったのかとかね。

でも、そこが解決されちゃうとこの物語の面白味が減っちゃうというか、全然別の話になっちゃうので、なるべくしてなったことと思えばいいのだが。

恋人が悪徳弁護士のクラインフェルドとの関わりを断つよう懇願するのに、冒頭で書いたように、「これが俺なんだ、変えられないんだ」とクラインフェルドに恩義のあるカリートが恋人の要請を拒絶するあのシーン。

とてもカッコよくて痺れる。でも、よくよく考えてみると、恋人にしてみれば迷惑極まりない。結局はカリート自身も命を落とし、恋人は彼を失うことになるわけで、カリートに振り回されっぱなしな彼女が気の毒ではある。

とはいえ、カリートの筋を通す生き方はカッコよく、運もありつつ窮地を凌いでいく緊迫感あるラストの展開や、序盤のビリヤード場での戦いなど見どころは満載。便所のシーンがジャケットの写真になっちゃうんだからすごいよね。イカす(笑)。

ちなみに、別の監督でカリートの若き日を描いた作品があるけども、内容全く覚えていないくらいにツマラナイので、それは鑑賞しなくてもいいかと思います(笑)。ブライアン・デ・パルマの他の作品も、いずれ機会があれば紹介したい。

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