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映画『ある母の復讐』ネタバレ感想 ラストは爽快だがハッピーではない

ある母の復讐
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ある母の復讐

なかなか悲惨な母娘の話であった。ラストの展開はしてやったりと溜飲が下がりはするものの、母娘のその後の人生は、決して希望に満ちたものではないからねぇ。ネタバレあり。

―2013年製作 韓 89分―

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解説・スタッフとキャスト

解説:韓国で実際にあった事件を映画化したリベンジスリラー。見知らぬ男に愛娘を強姦されたシングルマザー・アジェンマ。刑事の無神経な態度に怒りが爆発した彼女は、娘からの聞き取りと犯人のイラストを手掛かりに、犯人の部屋に乗り込もうとするが…。(KINENOTE)

監督:イ・ジスン
出演:チャン・ヨンナム/マ・ドンソク/イ・ジェヒ/ファン・テグァン

ネタバレ感想

ラストがなかなかイイです

いきなりネタバレすると、物語終盤、主人公のアジェンマという女性がブチ切れて娘を誘拐して暴行レイプしちゃった犯人をぶち殺し、ついでに本腰入れて捜査してくれなかった刑事と、離婚寸前で自分の立場ばっか考えている有名歯科医師の旦那の人生を台無しにしてやっちゃう作品である。

おまけに旦那と不倫してた歯科助手なのか院の受付やってた女まではめちゃうという周到ぶり。なかなか面白いラストであった。コンパクトにまとまっている部分も好感度大。

序盤から中盤までの母は確かにウザイ

アジェンマと娘は気の毒だ。特に娘。ドン引きしたんだけど、彼女はロリコン変態野郎に強姦されちゃっただけでなく、そのせいで心に傷を負っちゃうし、しかも、器具を使わないと用を足せない体になってしまうのである。悲惨すぎる。酷い。そらぁ、母は怒るよね。犯人を殺したいだろう。

ただ、この母親、必死になって自分で犯人探しをしちゃうせいで、警察の捜査の邪魔になるのである。警察はいろいろ忙しいみたいで本腰入れて捜査する暇がない。そのうえ母がうるさく口出ししてくるからうんざりだし、余計に捜査が進まない。

しかし、マ・ドンソク扮する刑事はギャンブルかなんかで借金があるらしく、事件が表沙汰になってマスコミに追われたくないアジェンマの旦那から、賄賂をもらうことでちゃんと捜査するようになるのだ。

この辺、この刑事は糞野郎だが、アジェンマを邪魔に思う気持ちはわかる。ギャアギャアわめいていろいろ言われたら、面倒くさいわな。しかも逮捕に至るにはしかるべき手順が必要だから、アジェンマが自力で捜してきた相手を何の根拠もなしに逮捕するわけにはいかぬのだ。たとえそれが真の犯人であったとしても、証拠固めが必要なのである。

てなことで、俺はアジェンマがある決心をするまでのシーンについて、同情はするものの、その言動には終始イライラされっぱなしだった。

私が法律だ! 犯人は死刑! 残りはムショ行き!

物語が進むにつれてアジェンマは、仮に警察が犯人を捕まえても後に釈放される可能性が高いことを知る。韓国社会では、幼児を対象にした性犯罪の容疑者は、捕まっても結構簡単に釈放されてしまうケースが多いらしい(日本でもそうなのかな?)。

そうした社会の理不尽さと、自分の旦那の助けてくれなさに怒りが限界に達した主人公は、自らの力でリベンジを決意するのである。

で、その選択が裏社会の何でも屋みたいなプロの仕事人を雇うこと。この2人の計算されつくしたチームワーク、そして目的のために用意周到で的確、なおかつ機敏で冷酷無比な仕事ぶりにはしびれた。すげぇなと感心した。

この頼りになるプロのおかげで、アジェンマは冒頭で紹介した面々に見事復讐を果たしながら、自分は罪に問われずに姿を消すことができるのである。

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なんと、実話が元になっているそうです

そうやって観るとハッピーエンドだが、娘の傷が癒えるわけではないから、ハッピーではない。その意味では救いはない作品だ。それでも、鑑賞者にはスッキリ感があるし、世の中の理不尽さも垣間見ることができる佳作であると思った。

この作品の怖さは、フィクションではないというところ。引用したKINENOTEの解説によると、なんと実話をベースにした作品らしい。いやだねぇ。

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