ホーボー・ウィズ・ショットガン
グロシーンがそこそこあるので、耐性がない人にはオススメはしないけども、それが平気ならそれなりに楽しめるのではないだろうか。優れていると思うのは、物語の大筋には関わらないものの、普通の作品のような予定調和が起きないシーンがあるところか。ネタバレあり。
―2011年公開 米 86分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:クエンティン・タランティーノ、ロバート・ロドリゲスによる「グラインド・ハウス」のフェイク予告編コンテストグランプリ受賞作をジェイソン・アイズナー監督が自ら映画化。救いのない悪の街を粛清するために、ショットガンを撃ちまくる男の姿を描く。出演は「ザ・ライト エクソシストの真実」のルトガー・ハウアー、「あの日の指輪を待つきみへ」のグレゴリー・スミス。日本ではデジタル上映となった。(KINENOTE)
あらすじ:列車に無賃乗車して町から町へとさすらう初老のホーボー(=流れ者)(ルトガー・ハウアー)。仕事を求めて新たな町ホープタウンに降り立った彼を待っていたのは、暴力と混沌に支配された世界だった。犯罪組織のボス、ドレイク(ブライアン・ダウニー)が町を牛耳り、その息子スリック(グレゴリー・スミス)とイヴァン(ニック・ベイトマン)が殺戮を繰り返していながら、彼らを取り締まるべき警察は事態を見て見ぬふり。ホーボーは娼婦アビー(モリー・ダンズワース)を誘拐しようとしたスリックを警察に突き出すが、警察署長が犯罪組織と通じていたため、釈放されたスリックによってナイフで胸を切り刻まれてしまう。以下略(KINENOTE)
監督:ジェイソン・アイズナー
出演:ルトガー・ハウアー/グレゴリー・スミス/モリー・ダンズワース/ブライアン・ダウニー/ニック・ベイトマン
俺が法律だ、貴様らは死刑!
ルトガー・ハウアーもだいぶお爺ちゃんになったなぁ。けっこう太ってて、昔の面影があんまり残ってないように見えた。話の内容は単純明快で、流れ者の浮浪者であるホーボー爺さんが、ある街にやってきたら、そこは悪者一家が牛耳るやりたい放題の無法地帯。
住人も警察もその悪者一家に逆らえないので、白昼堂々とその悪者一家をはじめ、犯罪者たちがやりたい放題している。ホーボーも最初は大人しくしてたんだけども、ある娼婦を助けたことをきっかけに、自分もその暴力の渦中に入ることに。そしてある出来事を機にショットガンで無法者どもを自らの手で抹殺しにかかるのである。
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グロさに耐性があれば楽しめるかも
ということで、話としては勧善懲悪ものの西部劇みたいな感じだろうか。ただし、内容はかなりエグイしグロい。あらゆる暴力が行われ、血しぶきだけでなく、内臓が飛びだしたり首が飛んでったり、足がつぶれたり、全身ぺしゃんこに押しつぶされたり、チ○コが吹き飛んだり、火炎放射器でバーベキューにされたり、ともかくグチョグチョな血みどろ残酷描写満載の、鑑賞者を選ぶ内容であった。ちなみに俺は、酒を飲み過ぎて軽く二日酔い気味で観たために、鑑賞後は少し吐き気が(笑)。
突っ込みを許さぬ振り切れ具合(笑)
で、この映画は突っ込まれることを拒否するほどにぶっ飛んでいるから、ホーボーやヒロインの耐久力高すぎだろとか、地獄の使者(名前ダサすぎw)が薄暗いところで戦ってたタコの触手みたいのは何だよとか、ショットガンに弾丸を補充するシーンがないところとか、その辺はスル―するしかない(笑)。
先にも触れたように、内容は単純なので難しいところは何もない。ただ、勧善懲悪とは言えども、ラストがさほどスッキリする感じではないので、作品に対する感想は意見が分かれそうだなと思った。
ヒロインの受難にドン引き(笑)
どんでん返し的な驚きはないんだけども、普通なら途中で助けが入りそうな主人公側の危機的シーンがいくつかある。だがこの映画では、そういう予定調和は起こらない。
ちなみにその犠牲となるのはヒロイン。個人的にはあの展開にはドン引きした(笑)。だって、レイプこそされないものの、のこぎりで首を結構深めに切られちゃうし、何とか一命を取りとめたと思ったら、左手をなんだかよくわからない道具で跡形もなくミンチにされちゃうんだよ。酷すぎ(笑)。
そういう意味では、どの登場人物に対しても平等に残酷な作品である。…と、考えるとなかなか優れている。他の作品だったらあんなこと起こらないから、普通。あのシーンを喜べるのは、かなりハードなリョナニストしかいないだろう(笑)。
『グラインドハウス』のフェイク予告からの派生作品
最後に、この作品はタランティーノとロドリゲス監督の『グラインドハウス』の予告編コンテストでグランプリを受賞した作品がもとになっているそうだ。劇場公開時には流れなかったし、DVDにも収録されてなかった(と思う)ので全く存在を知らなかったが、『マチェーテ』みたいなもんらしい。関係ないんだけど、『グラインドハウス』の予告編の中ではイーライ・ロス監督が制作した『感謝祭』が笑える内容で好き。
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