VETERAN ヴェテラン
退役軍人たちの集まるバーを営業している老人が、仲間たちに誕生日祝ってもらってたら、無法者集団からドラッグを盗んだ少女が店に逃れてきた。少女を抹殺すべく無法者のボスはジャンキー集団に店を襲わせる。図らずも迎え撃つことになったジジィたちの運命やいかに。ネタバレあり。
―2020年公開 米 92分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:「ドント・ブリーズ」のスティーヴン・ラング主演によるバトル・アクション。かつてベトナム戦争で鬼軍曹として怖れられたフレッドが営むバーに、突然ひとりの少女が逃げ込んで来る。やがて続けざまに凶暴な男たちが店に乱入、フレッドは返り討ちにするが……。共演は「ある決闘 セントヘレナの掟」のウィリアム・サドラー、「ベスト・キッド」シリーズのマーティン・コーヴ。監督は「マインズ・アイ」のジョー・ベゴス。特集上映『未体験ゾーンの映画たち2020 延長戦』にて上映。(KINENOTE)
あらすじ:麻薬系鎮痛剤オピオイド危機によって、俗称“ハイプ”と呼ばれるドラッグに溺れる薬物常用者が蔓延、ハイプを巡り都市は交戦地帯となり、警察の機能も停止してしまう。そんな無政府状態の街で、かつてベトナム戦争で鬼軍曹として怖れられたフレッド(スティーヴン・ラング)は、VFW(海外派兵退役軍人会)の支部を改装してバーを営んでいた。毎夜、フレッドと共に戦地を潜り抜けた常連客の戦友たちが集まり、いつもの昔話で盛り上がる。そんななか、突然ひとりの少女が店の中に逃げ込んで来る。その後、続けざまに凶暴な男たちが乱入。フレッドたちは返り討ちにするが、店の外にはまだ大勢の気配が漂っていた。少女は、組織から大量のハイプを奪ってきたと話し始め……。(KINENOTE)
監督:ジョー・ベゴス
出演:スティーヴン・ラング/ウィリアム・サドラー/マーティン・コーヴ/デイヴィッド・パトリック・ケリー/シエラ・マコーミック/トム・ウィリアムソン/トラヴィス・ハマー/ドラ・マディソン/ジョージ・ウェント/フレッド・ウィリアムソン
ネタバレ感想
ジジィが活躍する映画ってのはそれなりに何本か見ているけども、この作品はかなりグロよりのバイオレンス描写に特化した突き抜けた作品になってる。雰囲気としてはルトガーハウアー主演の『ホーボーウィズショットガン』に似てたかな。あれもかなりイカレた作品だった。こっちは老人たちの仲間意識がなかなかにかっこいいので、そういう意味では戦友たちの友情映画としても見られる。
ともかく人を殺す描写がグロめで、しかもかなりオーバーキルな殺し方が目白押しなので、好みが分かれる作品だろう。そこが気にならなければ、ジジィどもの奮闘ぶりが楽しめるし、戦地から帰還してきた若い軍人もいい奴で、朝鮮戦争やヴェトナム戦争を経験したジジィどもと成り行きから意気投合していくところがとてもいい。
主人公の爺さんが『ドントブリーズ』のいかれ親父を演じてた人。そいつと悪口言い合う仲のおっさんは、『ダイハード2』のウィリアムサドラー。エイブという酒好きな黒人男性は、おそらくだが『フロムダスクティルドーン』に出てた人だ。
てなわけで、そんなに細部にわたっていろいろと述べたいことはない作品だし、物語自体に新鮮さはないんだけども、地獄の戦地を生き延びたジジィたちの根性がすさまじい。特に、暴力に身を置いていると燃えてしまう主人公のジジィが、とても人間味のある頼りがいのあるジジィで、好感度高めな作品。2度目は観なくていいけど(笑)。
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