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映画 ゾンビの中心で、愛をさけぶ ネタバレ感想 ラブロマンスなラスト

ゾンビの中心で、愛をさけぶ
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ゾンビの中心で、愛をさけぶ

ゾンビパニックものではなく、ゾンビ世界で生きる夫婦が、壊れた絆を取り戻していくラブロマンス作品。ラストは「まぁ、そうなるよな」って感じの内容です。ネタバレあり。

―2019年公開 丁=瑞 95分―

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解説とあらすじ・スタッフとキャスト

解説:ゾンビだらけの世界で救助を待つ倦怠期の夫婦。ゾンビとの戦いや、突如訪れたサバイバル生活に刺激されながら再燃し始めるふたりの愛を描いたサバイバル・ラブロマンス。カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション2019参加作品。(KINENOTE)

あらすじ:カレンとジョンの結婚生活は崩壊寸前。一緒にいても刺激もなく、生ける屍のような暮らし。ある日、人々がゾンビ化する伝染病が発生し、外では感染がみるみる拡大。ふたりは感染しないようマンションの部屋に閉じこもり、救助を待つことに。しかし、状況が悪化する中、ゾンビだけじゃなく、食料を狙った強盗や怪しい生存者たちがふたりに襲いかかる。突如訪れたサバイバル生活に刺激され、ふたりの愛は再燃し始める。(KINENOTE)

監督・脚本:アントニオ・トゥーブレン
出演:ゾーイ・タッパー/エド・スペリーアス/アントニア・キャンベル=ヒューズ/ヤン・ベイヴート/ルーカス・ラフラン

ネタバレ感想

シチュエーション的ゾンビ作品

ゾンビから逃げ惑うパニック的ストーリーを期待してたのに、全然そういう内容ではなかったーーという作品はけっこうある。そうした作品で描かれるのはだいたい、ゾンビウィルスが蔓延する世界に生き残った人間たちが、どのような人間模様を繰り広げて生きたかーーという話が多い。で、その中に酷いのもあれば、まずまずの作品もあって、この作品についていえば、まずまずの部類というのが俺の感想。

てなことで先に、まずまずのほうを紹介

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で、ダメなほう

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…こういうシチュエーション的ゾンビ作品で優れたのって世に出てるのかな? もしかしたらあるのかもしれない。俺がお目にかかったことないだけで。2018年に『カメラを止めるな』って邦画がものすごく流行ったけど、あれはちょっと類が違うかな。

邦題か原題か

ということで話を戻す。ゾンビ世界でロマンス的な内容を扱った作品と言えば、『ウォームボディーズ』があるけども、あれはゾンビと人間の恋愛模様が描かれた話。今作は、絆がなくなってしまった離婚危機にある夫婦の関係が物語の軸となっている。

原題はzooってことなので、動物園のことなのかな? だとすると、確かにこの夫婦は招かれざる客が訪問してくる際に、動物的な対応を…しているかなぁ。あれって至って普通な態度だと思う。俺だってあんな面倒くさそうな夫婦と同じ空間で暮らしたくないし、暴漢が3人も入ってきて、あのシチュエーションに陥ったら、相手を殺そうと思うだろう。

て考えると、原題より邦題のほうが内容には適していると思う。パクリだしダサいけどね。でも、ちょっと調べたら、zooは「混乱した状態」的な意味でも使えるらしい。そっちなら何かわからんくもないかな。英語力つけたい(笑)。

夫婦が絆を取り戻す

この夫婦、昔は当然仲が良かったんだけども、奥さんが赤ちゃんを流産してから、亀裂が入ってしまったみたい。旦那はそのショックを仕事への力に変換していたみたいだけど、奥さんは立ち直るすべがなく、表向きは主婦っぽい生活をしているけども、裏ではドラッグに走り、銃を購入し、夫とは離婚の準備を進めている。

彼女の言い分によると、旦那が自分に対して無関心になって、寄り添ってる感じがなくなったからみたい。で、それは旦那も認めているように、本当にそうだったんだろう。それが、図らずもゾンビ世界で表に出られなくなったことで、お互いが向き合うようになり、生き残りのための共同作業の中で、絆を取り戻し、それをより深めていく。

その結果が、ラストの旦那の選択なのである。なかなか美しいのは、死を前にしてこの夫婦はお互いに、相手のことを最も大事にできるような関係になっていたのだ。であるから、あのラストにも納得できる。仮に旦那があそこでゾンビ化した奥さんを殺してしまってたら、この映画のやらんとしてたことは何だったのかよくわからんくなってまう。であるから、やっぱりあの落としどころしかなかっただろう。

倫理観が似ている二人

ちなみに、この夫婦の相性の良いのは、危機的状況にあって、倫理的な選択が似たようなところにあることに起因しているように感じた。旦那は一見まじめで融通が利かなそうだが、奥さんが銃を所持していることに対しても、何だかんだで受け入れているし、ドラッグをしていたことに対しても、むしろ自分もそれを享受するようになっている。

最初の招かれざる客を図らずもぶっ殺した際、二人とも実は、さほどの罪の意識は感じているようには見えず、そういう意味でも似たもの同士なのだ。殺して処理したあとは、悔恨の情を表すこともない。それはそうした危機的状況下にあるからなのかもしれぬが、本質的な部分で彼らはやっぱり似た者同士だったのだ。だからこそ、その価値観をも含めて絆を深めたのだと思われる。

2人の愛は、ゾンビ世界が訪れなかったら確かめられなかったものだろう。であるから、不幸な結末でもあるが、欠けてはならぬ相手を見つけたという意味では、幸福な人たちだったのかもしれぬ。

救出部隊の隊長がゾンビになった2人を観て、「愛だ」と評価したその一言が、この映画のすべてなんでしょうな。

救出部隊へのアピールが足りない

突っ込みたいところはいろいろある。2人とも訓練などしてゾンビ対策に余念がないけども、救出部隊が再三呼びかけているのに、窓から明かりを照らし続けることをしないし、洗面所あたりの天井に空いた穴から、外に出ようとしない。

あそこから屋上に出て(出られるかはわからんが)目印みたいの立てとけば、もっと早く救出部隊来たと思うんだけどな。もしくは、マンションから外に出るよりは、屋上に出て何か目立つ印を置いておくとか、何らかのサインを出すとか。そういうことをせずに覚悟のうえで一度外に出て、奥さん噛まれて戻ってきちゃうんだから、そのプランはお粗末すぎる。

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