コンフィデンスマン ある詐欺師の男
サミュエル扮する元詐欺師のフォリーが、ギャングのボスやらなんやらを得意の詐欺で騙くらかしてく痛快サスペンスかと思って期待して鑑賞したら、全然違った(笑)。詐欺師のテクニックを楽しむものではなく、一人の男がいかに生きたかを表現するヒューマンドラマみたいなお話。ネタバレあり。
―2011年制作 米 94分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:「パルプ・フィクション」、「ジュラシック・パーク」などに出演した名脇役俳優サミュエル・L・ジャクソンが、製作総指揮・主演を務めるギャング・アクション。元天才詐欺師が大切な人を守り抜くため、やむを得ず再び裏社会へと足を踏み入れていく哀愁を描く。その他の出演は「テイク・ディス・ワルツ」(11)のルーク・カービー、「フル・モンティ」(97)のトム・ウィルキンソンほか。(KINENOTE)
あらすじ:親友を殺した罪で25年の刑期を終え出所した元天才詐欺師フォリー(サミュエル・L・ジャクソン)には、帰りを待つ者など誰一人いなかった。そこに突如現れた、殺した親友の息子イーサン(ルーク・カービー)の誘いでバーを訪れたフォリーは、アイリス(ルース・ネッガ)と名乗る若い女と出会う。やがて愛が芽生えたアイリスと共に新しい生活を送ろうと決心したフォリーの前に再びイーサンが現れる。彼はフォリーの罪悪感を利用し再び詐欺を持ちかける。断れば、イーサンの卑劣な罠によりアイリスの身は危険にさらされる。フォリーが愛する者を守るために残された道はただひとつだけだった……。(KINENOTE)
監督:デイヴィッド・ウィーヴァー
出演:サミュエル・L・ジャクソン/ルーク・カービー/ルース・ネッガ/トム・ウィルキンソン/ギル・べローズ
ネタバレ感想
結末まではそれなりに興味を持たせてくれるけど、ラストを見てがっかりしてしまった。
中盤くらいに、フォリーが恋仲になった女性が自分の娘だったことが判明してからは、いろんな人が詐欺っぽい騙しをしてくるので、何が何だかよくわからんくなってきて、フォリーもそれに振り回されている感じに見えた。
元はスゴ腕の詐欺師のはずなのに、こんな状態はおかしいと思ったので、俺はフォリーが騙されているふりをして、最後には大逆転の騙しをしてくれるのなと期待してたんだけど、そんなことは起こらない。
いろいろあって、彼は撃たれて出血の激しい自分の娘のために自らの血を輸血し、帰らぬ人となるのである。…おしまい。何の逆転もない。そこが一番のがっかりポイントだったな。
最初の俺の期待の仕方がよくないので、この作品が悪いとは言いたくないんだけど、がっがりしてしまったのだから仕方ない。仮に詐欺師のテクニック披露映画でないにしても、さすがにフォリーがダメダメすぎなような。彼、けっきょく一度でも誰かを騙せただろうか? 騙せてなくない? 最後まで振り回されてるだけじゃね? 俺がよく理解できてないんだろうか。
しぶしぶとはいえ、イーサンの仕事に協力することになった際、彼はベテラン詐欺師らしくいろいろ条件を述べるところがある。あそこはカッコいいなと思わせるシーンだ。そこからしばらくはそのカッコよさを維持するんだけども、協力者の女性が自殺して以降、騙されてるばっかに見えちゃって、最後まで彼の能力が発揮されないまま終わってしまっているように見えた。
せめて、冒頭の出所後とかで何かその能力を見せとけばいいのにと思ったけど、フォリーは堅気になろうとしてたわけで、その能力を見せる演出はできないんであるから仕方がない。ということで、繰り返すが、これは彼の詐欺能力を楽しむ映画ではなかったのである。がっかりだ。それを抜きにしても、そんな面白くなかったなぁ。どっかで観たことあるような内容だし。
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