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映画 許されざる者 ネタバレ感想 無双ガンマンのイーストウッド

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許されざる者

―1993年公開 米 131分―

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解説とあらすじ・スタッフとキャスト

解説:銃を捨て密かに暮らしていた老ガンマンが、賞金稼ぎのために再び銃を取る姿を描く西部劇。92年度アカデミー賞最優秀作品賞、監督賞、助演男優賞、編集賞受賞作。監督・製作・主演は「ルーキー」のクリント・イーストウッド。エグゼクティヴ・プロデューサーは「ホワイトハンター ブラックハート」のデイヴィッド・ヴァルデス。脚本は「ブレードランナー」のデイヴィッド・ウェップ・ピープルス、撮影は「バード」のジャック・N・グリーン。音楽はレニー・ニーハウスが担当。共演は本作でオスカーを受賞した「ミシシッピー・バーニング」のジーン・ハックマン、「虚栄のかがり火」のモーガン・フリーマン、「ジャガーノート」のリチャード・ハリス、「ピンク・キャデラック」のフランセス・フィッシャーなど。(KINENOTE)

あらすじ:1880年、ワイオミング。列車強盗や殺人で悪名を轟かせていたウィリアム・マニー(クリント・イーストウッド)は、今では銃を捨て2人の子供と農場を営みながら密かに暮らしていた。しかし家畜や作物は順調に育たす、3年前に妻にも先立たれ苦しい生活だった。そんなマニーのもとにスコフィールド・キッド(ジェームス・ウールヴェット)という若いガンマンが訪ねてくる。彼は娼婦フィッツジェラルド(アンナ・トムソン)に重傷を負わせた2人のカウボーイを倒して、一千ドルの賞金を得ようとして考えていた。一緒に組もうと誘われたマニーは11年ぶりに銃を手にする。マニーのかつての相棒ネッド・ローガン(モーガン・フリーマン)が同行することになり、3人は町へ向かった。その頃、保安官のリトル・ビル・ダゲット(ジーン・ハックマン)は強引なやり方で町を牛耳っていた。伝説的殺し屋のイングリッシュ・ボブ(リチャード・ハリス)と同行していた小説家ボーチャンプ(サウル・ルビネック)を暴力的に町から追放するダゲッド。マニーら一行が町に到着すると、ひとり酒場にいたマニーをダゲットは激しく殴りつけ、重症を負わせる。そんなマニーを献身的に看護したのは傷つけられた娼婦のフィッツジェラルドだった。立ち直ったマニーはローガンとキッドに追いつき、追っていたカウボーイを発見して1人を射殺するが、ローガンはもう人をてないと悟り、マニーらに別れを告げた。カウボーイたちの家を見つけ、残るひとりを仕留めたキッドは、マニーに初めて人を撃ったと告白する。その頃、町では殺人罪で捕まったローガンがダゲットの激しい拷問にあい、命を落としていた。賞金を受け取る際にその話を聞いたマニーは、キッドから拳銃を受け取り、子どもたちとローガンの妻とキッドの4人で賞金を分けるように言うと町へと向かった。酒場の前にローガンの死体が放置されているのを見たマニーは店主を射殺して銃撃戦になり、遂にダゲットと対決して彼を倒した。そして子どもたちの待つ家へマニーは帰っていくのだった。(KINENOTE)

監督:クリント・イーストウッド
出演:クリント・イーストウッド/ジーン・ハックマン/モーガン・フリーマン/リチャード・ハリス/ジェームス・ウールヴェット

ネタバレ感想

イーストウッドが監督としての存在感を強め始めたアカデミー賞受賞作品。この頃から大先生は単なるアクションやサスペンスではなく、そこに芸術性みたいなんを込めた作品を制作しだす。その芸術性ってのは人間の人生のやりきれなさみたいな絶望感や、人間の善悪を問うようなものだ。

てなことで、この作品はイーストウッドが若い頃に演じていた西部劇作品の延長というか、それらの自分の歴史に落とし前を着けるようなストーリーになっている。それは何かというに、どんなに正義のヒーローみたいにガンマンを描こうと、「人殺しは人殺しで、人でなし」だということだ。

しかもこの作品の面白いのは、彼が老人になってしまっていて、基本的には言葉少なでクールなんだけど、家畜の豚に引きずり回されて泥や糞まみれになるし、馬にはうまく乗れないし、何度も落馬するし、風邪ひいちゃうし、暴行されて生死の境をさまよっているときに「死ぬのが怖い」とか友達に泣きついちゃうし、ところどころでヘタレ感があるキャラを演じているところだ。そしてその姿に、笑えるときもある。

そんな老境に差し掛かった彼が、子どもたちの養育費のためにアウトロー的な仕事をすることを選んで、何とかその目標を達成する姿が描かれるんだけども、その中に出てくる登場人物が、彼も含めて全員、ヘタレか嘘つきか虚栄心の塊か意気地なしか、まぁともかく、どいつもこいつも善人かと思わせて悪人だし、悪人と思わせておいて善性を見せるし、要するに、ありのままの人間であって、一面的な描かれ方をしてないのだ。

であるから、勧善懲悪的娯楽を期待していると肩透かしを感じるかもしれないが、人間のありようってのを描いている作品として観ると、その奥行きに関心してまうのである。人間は善人でも悪人でもあるし、一面的に語れる存在ではないのだ。

最期のイーストウッドは結局、昔自分が演じていた無双ガンマンの姿を見せるわけだけども、彼はヒーローでもなんでもなく、過去の罪を背負って生きざるを得ない老人であり罪人なのだ。それを自覚的に生きていくしか、彼に歩める人生はない。

ちなみに個人的な好みでいうと、イーストウッド監督作では『ミスティックリバー』『ミリオンダラーベイビー』『チェンジリング』が好き。あの、2000年代の彼の作品はどれも重たすぎる内容で、もう観たくないなぁと思わせるものの、その内容が心に焼き付くぐらいに絶望的かつ素晴らしい作品なのである。

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