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映画 明日への地図を探して ネタバレ感想 タイムループ恋愛成長物語

明日への地図を探して
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明日への地図を探して

10代のマークとマーガレットという男女は、ある日の朝を境にタイムループにハマっている。お互いの存在を知らないうちに何度も同じ日を繰り返していた二人が、偶然にも出会う。その日に街中で起るいろいろな奇跡を探せばループから抜け出せるのではないかと考えた二人だが、マーガレットはさほどループから出たくなさそう。それはなぜなのか。ネタバレあり。

―2021年配信 米 99分―

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解説・あらすじ・スタッフとキャスト

解説:2021年に配信されたアメリカ合衆国のSF映画である。監督はイアン・サミュエルズ、主演はキャスリン・ニュートンとカイル・アレンが務めた。本作はレヴ・グロスマンの短編小説『The Map of Tiny Perfect Things』を原作としている。(Wikipedia)

あらすじ:タイムループにはまり込んでいる2人の十代の若者。そこから抜け出したいマークと、とどまっていたいマーガレット。見逃してしまいそうな日常の小さな奇跡を共に探していけば、同じ日が繰り返される理由を見つけ、そして、そのタイムループから抜け出すきっかけをつかめるかもしれない。(Amazon)

監督:イアン・サミュエルズ
脚本・原作:レヴグロスマン
出演:キャスリン・ニュートン/ジョシュ・ハミルトン/カイル・アレン/アル・マドリガル/クリオ・フレイザー

ネタバレ感想

タイムループの恋愛系パターン

タイムループ系の作品が好きで、アマゾンプライムで見つけて鑑賞。今年はなんだかループ系の映画をたくさん見た気がする。『パームスプリングス』、『コンティニュー』、『隔たる世界の二人』とか…。他にも何かあったような気がするが忘れた。

ループ系の作品ってのはそれこそ腐るほどあって、もしかしたらタイムスリップ物と同じくらいの数があるんじゃないかと思うが、その中でもよく知られてるのが、ビルマーレイ主演の『恋はデジャヴ』と『オール・ユー・ニード・イズ・キル』だろうか。どちらもこの作品内で言及されている。

で、本作はその前者の方にテイストが似ている。さっき紹介した『コンティニュー』なんかは、後者寄りの作品だ。

これまでもループ系の作品で言及したことがあったような気がするけども、この手の物語で繰り広げられるのには幾つかパターンがある。一つは、今作のように、ループから抜け出るためにジタバタする中で、男女の恋愛模様が描かれるもの。

もう一つは、ループに閉じ込められた理由を探していくうちに、自分自身の過去の罪を贖罪する試みをしていくもの。

そしてもう一つが、同じ時間を何度も繰り返しながら、迫り来る敵と戦い、その脅威に打ち勝つためにゲーム的なレベルアップしながらループ世界から脱しようとするもの。

大きく分けるとこんな感じかな。で、本作はもちろん一番最初のパターンにあたる。上に挙げた『隔たる世界の二人は』ちょっと異なるパターンな感じで、斬新だった。内容もいいし。興味がある方は、下のリンク参照してください。

マーガレットの物語

鑑賞後の感想を述べていくと、ともかく最初の1時間くらいは退屈。マークとマーガレットは少なくとも1000回以上は同じ日を繰り返してるんじゃないかと思うくらいに、街の中で起こる出来事を熟知してて、対応策を知っている。でも、ループから抜け出すことができない。

マークはループから脱出したいと思ってはいるようだが、では、具体的に何をすべきかがわからないので、街で起るいろいろな奇跡的出来事を見つけて過ごしている。あとは、知り合ったマーガレットと恋仲になりたいということしか考えてないように見える。

一方のマーガレットは、何だか達観したような性格で、物理学かなんかよくわからんけど難しい知識を知ってる割にはループから抜け出したそうには見えないし、夕方近くなるといつも謎の電話がかかってきて、そっちの約束を優先してどっかに消えてしまう。

てなことでマークの恋はぜんぜん進展しなくて、ある日、飛行機で西に向かい、日付変更線を越える試みを約束したのにマーガレットがドタキャンして以降、顔を合わせなくなる。

確かこの辺くらいまでが一時間くらいの展開。物語はそっからようやく動き出す。それは、マーガレットがなぜループから脱出したくないかが判明するからだ。そして、その事実を知ったマークはこのループの主人公は自分ではなく、マーガレットだったことを悟るのである。

要するに、鍵を握っているのはマーガレットなんだが、彼女の母は病気で瀕死なのである。ループから抜けると母はすぐに死んでしまうかもしれない。それがわかっているマーガレットは、ループから抜ける覚悟が持てなかったのだ。

マークもそれを知ったため、マーガレットに無理してループから抜けるための働きかけをしない。むしろそれよりも、まったく気にもとめずにスルーしていた、自分の家族との交流を増やすようになる。

んでまぁ、いろいろあってマーガレットは母の死を受け入れる覚悟をして、マークに会いに行く。いろいろ街の中で見つけた奇跡の中で、最後の一つは、マーガレットとマークがキスすることだったのである。で、晴れて二人はループから抜け出すことに成功した。

ということで、この話はループ世界の中でそれぞれの大事なものに気付いたり、あるいは、大事なものの喪失から乗り越える覚悟を持つことで、成長する男女の物語を描いていたということだろう。それなりにきれいにまとまってて、『パームスプリングス』よりは楽しめたかな。どうしてこっちは日本で未公開だったんだろうか。

日本では犬を自販機で買える

一個、何だかよくわからんのだけど、マークが日付変更線を越えるために向かう先は日本なんだけど、物語中の日本では「犬を自販機で買える」らしい。何なんだその虐待的無人ペットショップは? 誤訳ではないとしたら、かなりふざけたセリフでありますな。

しかしまぁ、この2人はどれだけ同じ日を繰り返したのか知らんが、記憶や経験をスタート地点に持ち込めることを考えると、いろいろな練習をすればスキルアップできるし、勉強もできるし、そうしたことによって己の認識を変容させて、どんどんと人間的成長ができるわけだ。しかも、年を取らない。そう考えると、戻れる確証があるとしたら、このタイムループは「精神と時の部屋」状態なわけで、しかも、普通の人間的生活が送れるわけだから、羨ましくもありますわな。

だって、普通だったら、何十年分もの時をこの2人は繰り返してたのかもしれないんだし、それでも若さを保てるんだからね。羨ましい。

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ある程度の新鮮さはあるものの、タイムループ系の名作コメディ、『恋はデジャヴ』と似たようなもんといえば似たようなもんだ。でもまぁ、そこがこの手の作品の面白味なのであり、今作も短くまとまっていてわかりづらいこともないので、なかなか楽しめます。
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飽きずに最後まで楽しめます。前半は主人公の死にっぷりでけっこう笑えるし。てなことで、前半はいつもみたいに作品についての話。中盤以降は作品を通じて、成長するとはどういうことなのかを考える話。最後は時間軸の扱い方など作品を通じて考えたことについて話したいと思います。
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