NYPD15分署
New Yorkのチャイナタウンの犯罪を取り締まるNYPD15分署の刑事たちの活躍を描くアクション作品。チョウユンファと若き日のウォルバーグが友情を深めていくバディ作品的にも見えるが、その過程が雑で惜しい。ネタバレあり。
―1999年製作 米 111分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:チャイナタウンに巣食う悪に挑む刑事たちの姿を描くサスペンス。監督は「摩天楼を夢見て」「天国の約束」のジェームズ・フォーリー。脚本は新鋭ロバート・プッチ。撮影のファン・ルイス・アンシアは「天国の約束」に続く参加。音楽は「スリー・キングス」のカーター・バーウェル。出演は「アンナと王様」のチョウ・ユンファ、「スリー・キングス」のマーク・ウォールバーグほか。(KINENOTE)
あらすじ:ニューヨーク。チャイナタウンの犯罪を取り締まるNYPD15分署。連続女性ダスト殺人事件を追うヴェテラン刑事チェン(チョウ・ユンファ)は、着任したての白人の新人刑事ウォレス(マーク・ウォールバーグ)と組むことに。チェンはチャイニーズマフィア最大の組織トンの長であるヘンリー・リー(リック・ヤング)とひそかにつながり、日々を生き抜いていた。やがてウォレスは接近してきたリーから情報を得て、連続女性ダスト殺人事件の犯人を逮捕するという手柄を立てる。さらに、ウォレスはトン一味の手入れの際、チェンの命を救い、それが元で彼と友情を深めた。だが、ウォレスは元刑事の父の借金が原因で、リーとの腐れ縁を引きずる羽目に。かくしてウォレスはチャイナタウンの複雑な犯罪構造のなかで、刑事として生き抜くために苦悩の決断を迫られながら、戦いを続けるのだった。(KINENOTE)
監督:ジェームズ・フォーリー
出演:チョウ・ユンファ/マーク・ウォルバーグ
ネタバレ感想
チョウユンファとマークウォルバーグが共演してたとか全然知らなくて、今回初鑑賞。ウォルバーグはまだまだ若くて、当時はそんなに有名じゃなかったみたい。一方のチョウユンファはこの作品が『リプレイスメントキラー』に続いてハリウッド進出2作目。
彼は何を演じてもチョウユンファ。良くも悪くもチョウユンファだ。そういう意味で、この作品もそんなチョウユンファが観られるのはよろしい。
だが、ウォルバーグの存在感がまだ弱く、優男ぽさがあって何ともイメージと違う感じだなぁ。そこがチャイナタウンに赴任してきた新任刑事って雰囲気に合っていると言えばあってるんだけどね。
で、15分署はチャイナタウンの犯罪を取り締まっているということで、中国系の犯罪組織が悪さをしている。こいつらは中国からの不法移民を招き入れるビジネスをしつつ、その中から女性だけを選抜して娼婦として働かせたり、要するに移民の足元を見て食い物にしているのだ。もちろん他にもいろいろ悪いことやってるんだろうけど、作品内で中心的に描かれるのはその犯罪について。
んで、この犯罪組織をトンと言って、それとは別に若者だけで組織される福建ドラゴンという奴らがいる。こいつらが抗争しているような描かれ方しているんだけども、それも束の間。実は福建ドラゴンのリーダーとトンの№2のリーは裏でつながってて、トンのボスを出し抜いてぶっ殺し、二人で組んで好き勝手犯罪してやろうと画策してるんである。
でまぁ、その関係は対等ではなくて、福建ドラゴンはただの使いっぱしり(笑)。ドラゴンのボスは武闘派のフリして大したことない組織だなぁと思っちゃう。
ややこしいのは、チェン刑事(チョウユンファ)は街の治安を守るため、トンとそれなりのつながりを持っていて、ある意味では汚職警官みたいな感じになっちゃっているのである。そもそもそうなったのにも、チャイナタウンで生き抜くためには仕方ない部分もあるっちゃあって、そこへウォレス刑事が赴任してくる。
彼はそういう街の掟みたいの知らんから、マジメに犯罪撲滅に動こうとしちゃう。しかもこいつ、内務調査官なのだ。要はチェンたち地元刑事が裏社会とつながって悪いことやってんじゃないかとかを調査しに来てる。
てなことで、いろんなところで複雑な事情が絡まり、誰も真っ白な人間がいない状態になっていき、その関係性をある程度は把握できるのだが、物語が進むにつれていろいろ立場が変わったりするので、実にわかりづらい。
そんな中で最終的に、チェンとウォレスの間に信頼関係が一応は築かれていくんだけども、なんかその過程も実に適当な感じで、お互いが命を助け合っているくらいで、それ以外は全然信用しあってないように見えちゃって、むしろ背中を向けて捜査をしあっていることに違和を感じちゃうくらいに、距離が縮まっていることに説得力がないのである。ここが実に残念なポイントでしたな。
先述のように、チョウユンファは安定のチョウユンファでカッコよく、アクションもそれなりに迫力はあるだけに、もったいないなぁって感じ。
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