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映画 裏切者(2000)The Yards ネタバレ感想 ウォルバーグとホアキン

裏切者
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裏切り者(2000)

仲間をかばってムショ送りになってた男が、出所後に更生しようと思ってたけど楽に稼げるほう選んじゃったらヤバイ事件に巻き込まれ、しかも仲間の裏切りにあう。男は無実の罪を晴らすため、裏切者たちを裏切ることに決めるのだった。ネタバレあり。

―2001年公開 米 115分―

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解説とあらすじ・スタッフとキャスト

解説:実際に起こった汚職事件をベースにしつつ、裏社会のファミリーを描く社会派サスペンス。監督・脚本は「リトル・オデッサ」のジェームズ・グレイ。撮影は「小説家を見つけたら」のハリス・サヴィデス。音楽は「エスター・カーン/めざめの時」のハワード・ショア。出演は「ロック・スター」のマーク・ウォルバーグ、「スウィート・ノベンバー」のシャーリーズ・セロン、「クイルズ」のホアキン・フェニックス、「誘拐犯」のジェームズ・カーン、「トーマス・クラウン・アフェアー」のフェイ・ダナウェイ、「レクイエム・フォー・ドリーム」のエレン・バースティン、「コヨーテ・アグリー」のヴィクター・アーゴ、「マイ・スウィート・ガイズ」のスティーヴ・ローレンス、「救命士」のアンドリュー・ダヴォリ、「ディープエンド・オブ・オーシャン」のトニー・ムサンテ、「アミスタッド」のトーマス・ミリアンほか。2001年ナショナル・ボード・オブ・レビュー助演男優賞、同年放送映画批評家協会助演男優賞受賞。(KINENOTE)

あらすじ:NY。仲間をかばって服役していたレオ(マーク・ウォルバーグ)が、ついに出所の日を迎えた。家族の元に戻った彼はまっとうな人生を望むが、病弱な母ヴァル(エレン・バースティン)の妹キティ(フェイ・ダナウェイ)の再婚相手フランク(ジェームズ・カーン)経営のエレクトリック・レール社で働く悪友ウィリー(ホアキン・フェニックス)に殺人容疑の濡れ衣を着せられ、逃亡生活を余儀なくされる。フランクが事件の真相を知った時、下手に動けば彼が絡んでいる汚職が明るみに出るという事態になっていた。フランクはレオを始末しようとする。しかしレオは、フランクのライバル会社であるウェルテック社のヘクトル(ロベルト・モンタノ)と話をつけ、フランクの汚職をバラして潰す側に回っていた。聴聞会の日、レオはフランクたちと話をつけ、無実を証明される。一方、動揺していたウィリーは、恋人であるキティの娘のエリカ(シャーリーズ・セロン)と家でもみ合って、彼女を転落死させてしまう。そしてレオは、面倒をみてやるというヘクトルを無視し、彼らの汚職の実態をすべて公にするという裏社会への裏切りを行い、真に更正しようと誓うのだった。(KINENOTE)

監督・脚本:ジェームズ・グレイ
出演:マーク・ウォルバーグ/ホアキン・フェニックス/シャーリーズ・セロン/ジェームズ・カーン/フェイ・ダナウェイ/エレン・バースティン

ネタバレ感想

適当なあらすじ

ムショから出てきたマークウォルバーグ扮するレオは、病気を患ってる母が心配なので、更生してまじめに働こうとする。で、母の妹の旦那、フランク(ジェームズカーン)の経営する鉄道部品修理会社に面接に行く。ところが、その仕事をするには学校に通って知識と技術を身につける必要があるらしい。母のためにすぐに金を稼ぎたいレオは、焦る。

そこで、フランクの会社で別の仕事をしている昔からの友人、ウィリーと同じ仕事をしたいと申し出るのだ。なぜなら、ウィリーは学校などに通わずにフランクの仕事をしているから。フランクは最初は難色を示すものの、ウィリーの後押しもあってレオがそっちの仕事に就くこと許す。

ところがこれがブラックな仕事で、働き始めて間もなくレオはトラブルに巻き込まれて、最終的には殺人の濡れ衣まで着せられるようになるのだ。果たしてレオはどうなっちまうのかというのが適当なあらすじ。

キャストが豪華な汚職事件にまつわる裏切りの物語

マークウォルバーグもホアキンフェニックスも、シャーリーズセロンもみんな若い。しかも、あのジェームズカーンもまだ結構動けているし、フェイダナウェイもいて、さらにはエレンバースティンときた。これは豪華なキャスト。

そんなキャストが繰り広げる、汚職事件にまつわる裏切りの物語。調べてみたら、前にここで紹介したことのある『リトルオデッサ』『アンダーカヴァー』は今作の監督によるものらしい。言われてみると、テイストが確かに似てる。特に『アンダーカヴァー』ではホアキンも出てるし、ウォルバーグもいて、あっちにはロバートデュバルが起用されてる。

で、その2作はどうかしらんけど、本作は実際にあった汚職事件がベースになってるんだとか。Wikipediaによると、監督本人が実際に体験した話が基になったと書いてある。それは本当かどうかはおいといて、描かれる汚職の様なんかは、よくある感じなのは確かだ。

汚職事件の糞さがよくわかる

てなことで、最後まで暗い感じで淡々と進むこの作品。汚職事件の糞さ加減がよくわかる内容になっている。聴聞会が開かれる前に、利害関係者が一堂に会して、レオをそっちのけで、彼の扱いをどうするのかって話し合ってるシーンはマジで糞過ぎる。なぜなら、誰もレオのためにそれをしているのではなく、各人が己の保身や利益のためにしているのが明々白々からだ。

また、この話でわかるのは、こうした汚職とか権力者の汚い仕事で、悲惨な目に遭う奴の序列が決まってるということ。まず、一番割を食っているのはレオ、その次に悲惨なのがウィリー、最後がフランク。要するに世知に長けた人間のほうがこのゲームにおいては有利なんである。悪さをしても立場の弱いものを犠牲にできる地位とコネという力があるから。

レオを除くほぼすべての人間が、表面的には他人に対する愛情があるように見せておいて、実は腹黒。保身のためには相手を犠牲にすることは厭わないのである。そして、それができる力の大きいものほど、このゲームに勝つことができる。

ラストにおいて、レオは濡れ衣を晴らすことに成功はする。するんだけども、その後の彼は、正義を貫いたとはいえ、裏切者ではあるため、もしかすると地元を歩けなくなっちゃうかもしれないという意味では、まったくハッピーエンドではないのである。

では、フランクは強者なのかというと、ある程度の権力があって、役人たちに賄賂を贈って自分の仕事が有利になるように働き掛けないと、企業間の競争に勝てないという意味では、単なる中小企業の社長という見方もできる。どう頑張っても、競争社会においては上には上、もしくは強烈なライバルがいるんであって、気をゆるめたらいつでも転落してまうのである。

ある意味でみんなバカ

んで、ウィリーはバカだから仕方ないとはいえ、彼の坂道転がり落ちっぷりが最も悲惨ともいえる。そこそこフランクの下でいい金をもらって、彼の娘のエリカ(継父だが)とも恋仲になって結婚しそうな勢いだったのに、あの末路。

こいつの悲惨なのは、レオとエリカの過去を知らんことだ。知ってればもう少しエリカとの付き合い方も変わりそうなもんだし。と、考えるとレオとウィリーの関係ってのもさほど固い友情で結ばれてるって感じではない。

だが、レオがムショに入った時にかばったのはウィリーであるのはセリフにもあるように間違いないのであって、レオにとってはウィリーってのは守るべき仲間ではあっても、自分の恋の話とかはしない相手だったようだ。

その辺の複雑な心境はよくわからんが、なんでそんな奴と一緒に仕事をしたいと思ったのが謎。それが母を養うための焦りであったと思うことはできなくもない。でも、普通にスーツ着て堅気の会社へ面接行くっていう発想がないところが、出自がよくないチンピラ的発想ともいえるわけで、その辺はリアリティがあるともいえますな。まぁ、そんなところに就職できないとわかってるから、ああいう仕事の選び方しかできないんだろうけど。でも、なんか彼のやってることもバカに見えちゃうんだよなぁ。

ついでに、フランクはフランクで、最初はレオに裏の仕事させたくなかったのに、彼の母親を食事会に誘ってる最中に、裏仕事の話を持ちかけたウィリーやレオの話を聞いてやっちゃってるところがダメだよね。そういうのは母親がいないところでするもんだろ。まぁどっちにせよ、レオは裏の仕事をやるには変わりないにせよ、その辺が親分として手落ちすぎだよな。

つまり、ほとんどの奴らがバカ。

そんな今作の白眉は、エリカが自宅で死んじまうシーンだ。ウィリーと2階で揉み合ってるうちに、勢い余って吹き抜けにピョーンとダイブさせられて、下の階に落ちちゃって、複雑骨折気味に即死しちゃう。あれは唐突過ぎて笑ってしまった。

映画 リトルオデッサ ネタバレ感想 きれいなエドワードファーロング(笑)
どうしてこの映画を観たのかと言えば、若き日のエドワードファーロングが観られるから。今作の彼は、若き日の美貌を保っていて、そこが貴重なのである。なんでかは、今の彼を知っている人ならわかるよね(笑)。今作は、汚いファーロングではなく、きれいなファーロングが観られるのだ。
映画 アンダーカヴァー ネタバレ感想 ホアキンら豪華キャストだが
父と兄が警察官なのに、裏社会とかかわって生きている男が、家族の危機をきっかけに正義の道へ鞍替えする。果たしてその運命やいかに。ネタバレあり。―2008年公開 米 117分―

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