ボーン・コレクター
―1999年製作 米 117分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:連続猟奇殺人鬼に挑む寝たきりの体の科学捜査の姿を描くサスペンス。ジェフリー・ディーヴァーの同名ベストセラー小説(文藝春秋刊)を「N.Y.殺人捜査線」のジェレミー・アイアコンが脚色。監督は「今そこにある危機」のフィリップ・ノイス。撮影は「フラッド」のディーン・セムラー。音楽はクレイグ・アームストロング。出演は「悪魔を憐れむ歌」のデンゼル・ワシントン、「狂っちぃないぜ!」のアンジェリーナ・ジョリーほか。(KINENOTE)
あらすじ:リンカーン・ライム(デンゼル・ワシントン)は全米でも有数の犯罪捜査官だったが、4年前の事故で寝たきりになっていた。パトロール警官のドナヒー(アンジェリーナ・ジョリー)は男の惨殺死体を発見、証拠を残す手際のよさをライムにかわれ、助手に任命される。犯罪現場に残っていたのは奇妙な骨と紙片。それを分析するため、ライムの部屋が科学捜査班の対策本部となる。現場の証拠を元に次の犯罪を予測したライムだが、ときすでに遅く第二の犯罪が行なわれる。犯人は、ライムたちに挑戦しているようだった。無線でドナヒーに指示を送り、二人三脚で事件に挑むライム。捜査線上に浮かんだのは1900年代初頭の出版社のロゴマーク。事件はいよいよ混迷の度を深めるが、ライムは屈せず事件の解決に乗り出すのだった。(KINENOTE)
監督:フィリップ・ノイス
出演:デンゼル・ワシントン/アンジェリーナ・ジョリー/クイーン・ラティファ/マイケル・ルーカー/マイク・マッグローン/ルイス・ガスマン
ネタバレ感想
この映画はレンタルとか地上波とかで何度も観てるのに、いつも犯人を忘れちゃってて、今回も新鮮な気持ちで鑑賞した。
こうやって何度も観ちゃうのは、犯人が誰なのかを忘れてても何となく内容に興味をひかれるし、面白かったような気がするから。しかし、あらためて鑑賞してみると、忘れてしまっても仕方ないような結末なのであった(笑)。
なぜかというに、デンゼルワシントン扮するライムは有能であるという説明なんだけど、犯人に常に上をいかれて、犯人がわざと証拠を残していなかったら捜査を進められてないように見えるから。そんで結局、犯人の最終的な標的は自分だったという。これでは安楽椅子探偵としての能力が疑われても仕方ないだろ。
たしかに、犯罪捜査は証拠を基にして犯人を割り出すわけだから後手に回らざるを得ないのはわかるんだけども、さすがにこの展開には少し疑問を感じてしまう。
てなことで、この作品の面白味は、体を動かせないので現場に出られない安楽椅子探偵が、自分の目となり足となるアンジェリーナジョリー扮するドナヒーという優秀な助手を得たことで、遠隔操作的バディムービーとして展開していくところにある。
で、このドナヒーていう女性は普通の巡査だったものの、ライムに見出されてその能力を発揮するようになる。もったいないのは、冒頭から愁いを抱えたような雰囲気のある彼女、どうやら父も警官で自殺してしまっていることがわかるんだけど、それらの掘り下げがないので、彼女が結局何をしたい人物なのかがよく分らない。
捜査を進めるにつれて、憎き犯人を逮捕するために頑張るようになる以外は、どういう人なのかさっぱり読めず、感情移入がしづらい。冒頭の彼氏とかはなんだったのか、出す意味があったのか。
その割には、ライムとも恋愛感情がわいているのかどうかの描写もないのに、ラストは一見すると恋仲になったような雰囲気すらみてとれて、結局何だかよくわからない。
さらに、犯人は怨恨でライムを殺そうとするものの、それまでに行うあれだけ手の込んだ殺人の数々に説得力がない。ボーンコレクターとかいう実録犯罪小説をまねていたようだが、そんな面倒しなくても、常にライムのそばに近づける人間なんだから、他のやりようもあったように感じてしまう。
しかも、その怨恨の元となる伏線は、冒頭のところにちょろっと出てくるだけで、最後の犯人の独白だけでは、どういう恨みがあったのか、俺にはよくわからんかった。
てなことで、こうして記事として残すこともできたし、もう鑑賞することはないだろう。
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