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映画『セブン』Life is a bitch! 憂鬱な雨が降り続ける作品

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『セブン』(1995)

解説:キリスト教の“七つの大罪”になぞらえた奇怪な連続殺人事件を追う二人の刑事を描いたサイコ・サスペンスで、アメリカ・日本ともに大ヒットを記録した。凝りに凝ったオープニングが象徴するように、デヴィッド・フィンチャーのスタイリッシュな画造りと、ブラッド・ピット&モーガン・フリーマンの渋い演技が光る一編。(all cinema ONLINE)

監督:デヴィッド・フィンチャー
主演:ブラッド・ピット/モーガン・フリーマン/ケビン・スペイシー/グウィネス・パルトロー/R・リー・アーメイ

ネタバレなし! この記事は2004年4月に書かれたものです。

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サマセットの物語である

ある街で起こる連続殺人を捜査する2人の刑事の話。主役はブラッド・ピットが演ずるミルズ刑事と、モーガン・フリーマン演ずるサマセット刑事。このサマセットって名前は、英国の作家、サマセット・モームから取っているらしい。そういえば、作中にもモームの作品、『人間の絆』が出てくるよね。個人的にはこのサマセットという人物の存在が、作品をおもしろくしてくれてると思う。図書館で「G線上のアリア」が流れるシーンとか、いいです。

サマセット刑事は老年ゆえなのか元からなのか、孤独な人生に、何の希望も見出そうとしないし、自分の生きる街に絶望している。そういう彼の性格に、ミルズは同調できなくて戸惑ったりするんだけど、サマセットはこれまでの経験とその人生観からくる洞察力に優れていて、犯人と同等に渡りあえているのはこの人。ミルズはだめ。

ミルズは、犯人のジョン・ドゥを精神異常者だと思いたいんですな。だけどジョン・ドゥは「わたしは至ってまともな人間だ」と応えるわけです。サマセットにはそれがよく分かっている。この映画ってバディものとしては2人の主人公が噛み合ってないんである。まぁそういうのを狙った作品じゃないと思うが。しかしだからこそ、最後の結末になるのもわかる気がせんでもない。

雨は憂鬱です

ということで作品の舞台となる街、どこの街とか特定されていないですけど、都会です。そして劇中ではほぼ毎日、雨が降っている。その雨が、この街のやり切れなさをあらわしていて、閉塞感をもたらし、事件の異常性を際立たせていますね。

それが人生だろ?

殺された娼婦の現場、クラブなのか飲み屋なのか、娼婦の館なのかわからんのですが、そこの店長に事情聴取をするシーンがありまして、ミルズが店長にこう聞きます。「あんな所(薄暗くて汚いとこ)で毎日のように人の出入りを見続けて、何が面白いんだ?」。すると店長、「面白くなんてねぇよ。だけど、それが人生だろ?」と応える。嫌だねぇ。なんか、ほんと光を感じるセリフが少ないんですよね。この映画。

人生に戦う価値はあるのか

てなことで、何ともやり切れん、救いのない、そんな作品ですね。でも生きる希望だの前に進み続ける力ってのは、こうした掃溜めの中から生まれることもあると思います。それを象徴するように、ラストにサマセットが言います。「ヘミングウェイがこう書いている。『この世は素晴らしい、だから、戦う価値がある』。わたしはその後半には賛成だ」。要するに、「人生は絶望に満ちている。だから、戦う価値がある」。そういうことでしょうね。

暗い内容だけど犯人含めて登場人物それぞれに個性があって、何回見ても面白い作品です。

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