ターミネーター:ニュー・フェイト
期待しないで劇場行ったら、けっこうおもしろかった。ツッコミどころもたくさんあるんだけど、純粋なSFアクションとして観たら良作の水準と言えなくもない。シリーズに対する思い入れでかなり感想が変わりそう。ネタバレあり。
―2019年公開 米 129分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:J・キャメロン製作による「ターミネーター2」の正統な続編。21歳のダニーと弟がターミネーター“REV-9”の襲撃を受ける。2人を守ったのは、未来から送り込まれた強化型兵士グレースだった。そしてサラ・コナーが現れ、REV-9と死闘を展開する。監督は、「デッドプール」のティム・ミラー。出演は、前2作でもサラを演じたリンダ・ハミルトン、ターミネーターを演じたアーノルド・シュワルツェネッガーの他、「タリーと私の秘密の時間」のマッケンジー・デイヴィス、TVドラマ『エージェント・オブ・シールド』のガブリエル・ルナ。(KINENOTE)
あらすじ:メキシコシティの自動車工場で働く21歳の女性ダニー(ナタリア・レイエス)と弟ミゲルはターミネーター“REV-9”(ガブリエル・ルナ)に襲われるが、同じく未来から送り込まれた強化型兵士グレース(マッケンジー・デイヴィス)によって守られる。ダニーとミゲル、グレースは、かろうじて工場から車で脱出する。彼らを執拗に追うREV-9を、サラ・コナー(リンダ・ハミルトン)がハイウェイで待っていた。ターミネーターを宿敵として人生を送ってきたサラは、REV-9とも激しい死闘を繰り広げ、「アイルビーバック」と言ってその場を去る。再び合流したサラは、ターミネーター情報の謎のメールが何者かから届くと告白する。その発信源がテキサス州のエルパソだとグレースが突き止め、3人はメキシコからの国境越えを決意する。しかし、REV-9は国境警備隊員になりすまし、彼らを指名手配していた。そして、あの男がエルパソでサラたちを待っていた……。(KINENOTE)
監督:ティム・ミラー
出演:アーノルド・シュワルツェネッガー/リンダ・ハミルトン/マッケンジー・デイヴィス/ナタリア・レイエス/ガブリエル・ルナ/ディエゴ・ボネータ/エドワード・ファーロング
ネタバレ感想
ダニーの指導者キャラがいい
まず、ジョンコナーに代わる指導者となる、ダニーのキャラがよい。彼女は最初から指導者の片鱗というか、リーダー気質というか、そういうのを見せている。例えば、母親がいないらしい家庭で親父の身の回りの世話をしてつつ、弟の母親役みたいな立ち位置にいる。これは単に家庭内の話ではあるけども、それでも面倒見の良さという意味では重要だ。
そして、クビになった弟の代わりに上司に文句を言いにいくところとか、かなりの恐ろしい目にあってるのに、サラコナーの若い頃に比べて状況を飲み込む理解力が高いし、しかも肝も据わっているのか、すぐに状況に慣れ始める。そいで、強化兵士のグレースやサラにも臆せず意見ができる。ほら、やっぱ早くもリーダーだ。
で、彼女を守るグレースがまた、かっこいい。美人だしアクションもいいし、ともかく良い。
リンダハミルトンは登場シーンがよい
そしてリンダ・ハミルトンだ。2の時代のキャラそのままって感じで、今回の敵役ターミネーターREV-9に喧嘩を売る登場シーンは特にすごい。すごいんだけど、その場に置き去りにされちゃうところが受ける(笑)。
受けるといえば、ダニーの子どもではなく、ダニー自身が指導者になるという未来をグレースに明かされたとき、「この子はジョンだわ」と2回もつぶやくシーン。いや、この子はダニーでしょ。何を耄碌してんだグラサンババァが(笑)--と思ったんだが、確かにダニーはこの作品におけるジョンなわけで、ジョンを亡くした彼女にとっては息子同様の存在とも言えるのか。さらに、若い頃の自分でもあるわけで(ダニーのが順応力が強いけど)、ちょっと笑ったけど、重要なセリフであったのだ。
エドワードファーロング(笑)
そして笑えるのが、エドワードファーロングの扱い。けっこう序盤でジョン・コナーはターミネーターに殺されちゃうんだけど、このシーンでエドワードファーロングが出てくるのだ。現在の彼はT2時代の美少年の面影はほとんどない、ただのピザ野郎になってまってて、どうしようもない映画にたまに出演してるくらいなんだけど、彼が当時の美少年の顔で出てくる。マジ笑えるーーんだけど、これって本人じゃないよね。多分CGかなんかで加工してあるんだと思う。まぁでも、彼の姿が一瞬でも観られたのはよかったな。
シュワルツェネッガーのT800が…
ちなみに、なんでジャッジメントデイを防いで未来を変えたのに、ターミネーターが現れられるんだろうか。サラコナーはジョンの死後も各地にいるサイバーダイン製のターミネーターを倒し続けてたらしい。これは、未来のサイバーダイン社が各過去時代にターミネーターを送り込んでたからなんだと思う。だけど、未来が変わってサイバーダインがなくなっているのに、どうして過去のターミネーターが存在し続けたのかは、謎。少なくとも俺には理解できん。というか、作り手もその辺は不問にしているのかも。
で、そのサイバーダインが送り込んでいたシュワルツェネッガー扮する、T800? 800でいいんだよね? はジョンを殺してからいろいろあって、人間と同様の心を持つようになったという。何だよそれは、と思うものの、2作目の進化版と考えれば、それもあり得るなーーと自分を納得させはするものの、あまりにも人間ぽ過ぎて、シュワのターミネーターのイメージが…。
あの、決戦に出向くにあたりグラサンをかけないのは、人の心を持って戦う決意をしたというシーンなんだろうけどね。このT800の扱いについては、ちょっと残念感もある。
まぁでも期待してなかったぶん、いい意味で楽しめた作品でした。俺にとってはやっぱり1が一番よくて、その次が2で、3はまったく覚えてなくて、4は鑑賞してなくて、5はなんだかよくわからなかった。といことで、本作はシリーズで三番目くらいに面白いと思えたな。
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